Debris circus

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頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

錆びた鉄路

 今夜はサキのライブラリーから秘蔵の写真を一枚。

2005_0513(001).jpg

 これ、何の変哲もない線路の写真のようですが、何か感じられますか?
 ではもう1枚。
 撮影日は2005年5月13日、兵庫県の宝塚駅と尼崎駅の間にあるJR宝塚線(福知山線)の某踏切からの撮影です。

2005_0513(003).jpg









 いかがでしょう?
 気が付かれました?線路が真っ赤に錆びていますね?
 列車が通らなくなってから2週間以上が経過していますから・・・。
 なぜ列車が来ないのでしょう?
 もう気が付いている方もいらっしゃるかもしれませんが、この写真はあのJR福知山線脱線事故の後、事故の影響で運休してしまった区間にある某踏切から撮影した写真なんです。

 JR福知山線脱線事故とは、2005年4月25日に西日本旅客鉄道(JR西日本)の福知山線(JR宝塚線)塚口駅 - 尼崎駅間で発生した列車脱線事故で、乗客と運転士合わせて107名が死亡、562名が負傷しています。

 事故の原因調査が行われる間、JR福知山線の宝塚駅と尼崎駅間の運転は休止され、同年6月7日試運転が開始されるまで列車は走りませんでした。だからこんなに錆てるんです。(営業運転は19日午前5時に再開しています)
 原因は列車が制限速度を大幅に超過したままカーブに進入したためで、運転士の責任とされています。

 でもサキは競合する私鉄との競争に打ち勝つために組まれたダイヤの影響も大きかったのではないかと思っています。
 ウィキによれば、120km/h運転や停車時間が15秒などもともと全体的に余裕のないダイヤだったうえ、停車駅を次々と追加したにもかかわらず、所要時間は同じであったため、余裕時分を削って以前と変わりない所要時間で走らせ、慢性的な遅延が出ていることは問題視されていた・・・となっていますし、当時のJR西日本は施策で「余裕時分全廃」を掲げていた・・・ともあります。
 余裕時分を削ってしまった場合、遅れを取りもどすには速度を上げるしか方法がなくなります。

 それに目標が守られない場合には乗務員に「日勤教育」という、いわゆる「見せしめ」「晒し者」にする懲罰的なプログラムが与えられていて、それが充分な再発防止の教育としての効果につながらず、かえって乗務員の精神的プレッシャーを増大させていたとの指摘も受けているようです。
 何回も遅れを出せば「日勤教育」を受けさせられたのかな?
 当該列車の運転士も、この「日勤教育」の経験者で、当日の事故までの運転士の行動にも手順を守らなかったり、停止位置を行きすぎたり、通常とは違った点が幾つも見られたようです。プレッシャーに押しつぶされていたんじゃ・・・サキはそんなふうに推測しています。
 サキは沿線に住んでいますが、当時はかなりの高速で走行していた列車もあったように思います。実際、踏切で列車の通過を待っていたサキの帽子が吹っ飛ばされたこともあって、どうしたんだろうって思っていました。
 運転士の肩を持つわけではありませんが、プレッシャーは相当大きかったんだろうと思います。

 人間にはいろんな人がいるのです。
 エリートが考えたプログラムにすんなりと順応しできる人もいますが、そうではない人もいるのです。極限まで切り詰めたダイヤを設定するに当たり、この点の配慮が欠けていたんじゃないかと思います。
 当時のJR西日本の経営トップの方々にはすべて無罪との判決が出ていますが、「速達で競合する私鉄に対抗する」という経営の基本方針を決めたのはこの方々でしょう?無理なダイヤ設定や悪い労務環境には全く気がつかなかったのでしょうか?列車の遅れが多いなどという乗客のクレームは反対に作用したのでしょうか?経営の責任者ってそんなものなの?サキは疑問を感じています。
 ここのところJR西日本が安全に取り組む姿勢は評価しているんですけれど・・・。
 事故とはあまり関係の無い時期になってしまいましたが、ライブラリーの整理中に見つかった写真から思った事でした。

 事故でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

2017.06.12

追記:奇しくも今日(6/13)最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は12日付の決定で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本の歴代3社長は事故を予見できなかったとして、「一、二審の無罪判決は相当」と結論付けた。とのニュースが流れました。追記しておきます。
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Comments

 
あ、そうか。あの事故のときの……。

私の職場は尼崎市内にありまして、あの日はなんだか緊急自動車のサイレンの音やヘリの飛行音が多いなぁ、くらいにしか思ってなかったんですよ。
で、ニュース見て、ショックを受けまして。なにを隠そう、私も通勤にJRを使っていますので、他人事ではないんですよね。

最近は安全を優先しているみたいですけど、やはり新快速とかは飛ばしてます。JRは狭軌だから、満員電車で120キロ走行とか、無理があるんじゃないかなぁ。
日常的に乗っている者としては、ちょっとくらい時間かかってもいいから、安全第一でお願いしたいです、ホント。
TOM-Fさん 
先は事故の当日、「なんであそこであんな事になってるのか、さっぱりわからん」と言ってました。それほど信じられない事故だったんですね。
サキはJRを頻繁に利用しているわけではないのですが、帽子を飛ばされた時は怖い思いをしました。あくまで推測でしかありませんが、130位は出ていたんじゃ・・・なんて思っています。
今は最高速度は95キロ(だったかな?)だし、余裕時分もちゃんと取られているようで、発進も停止もスムーズですね。
新快速の120もちゃんと安全を見込んだ数字なんだろうと、一応思っています。
安全第一はウザいくらいに伝わってきますからね。
到着が遅れてもしょうがないや・・・サキは電車の中でそんな気持ちになってます。

コメントありがとうございました。
あ~なんか 
サキさんのおっしゃること、分かります。
あの事故の時、真っ先に思ったことは、この自己の責任の一端は日本の社会、その中に生きている自分にもあるんじゃないかということでした。だって、いつも時間を気にして、1分遅れたら文句言って、そういう人がたくさんいて、自分もそんな一人。鉄道会社の責任はもちろんあったと思うけれど、そういう風な社会を作り上げてきた日本人みんなにも問題があったんだろうと思ってしまったのでした。
あの事故の後、確かに「速いJR」のイメージはなくなって「よく遅れるJR」になったけれど、その方が何だか健全なような気がします。
日本のタイムテーブルは本当にすごいけれど(その緻密なものが作られて理由はお座敷列車なんですってね)、時々2時間も原因不明(アナウンスが分からなくて、周りの人に聞いても「わからん」といわれた…でもみんな待ってた)で列車を待ってたナポリのホームを懐かしく思い出します。
サキさんと共に、犠牲者の方々のご冥福を改めてお祈りしたいと思います。
 
こんにちは、
あの事故はやはり運転士よりJRという会社の責任が大きいと思いますが、すにで大海さんもおっしゃっているように、それだけじゃないですよね。
事故の後で遺族か被害者の方かがTVのインタビューで「1分2分遅れたっていいじゃない」と答えてました。一見するとJRに対しての言葉にも見えますが、利用客、ひいては日本人全員が受け止めるべき言葉だと思ったものです。
彩洋さん 
遅れの原因も不明のまま2時間ほったらかし、周りの人に聞いても「いつものことだしね」、さすがにこれではちょっと困りものですが、1分遅れただけで苦情が殺到ってのもどうかとは思いますね。
最近は遅れても仕方が無いという風潮が出来てきたようです。鉄道会社もできるだけ早く、遅れの原因や復旧の見込み時間を放送しますし、ダイヤの復旧までの処置もスムーズになってきましたしね。
この間も乗っていた電車が止まってしまったんですが、5分もしないうちに1つ先の駅で人身事故があったので運転を見合わせる、復旧は1時間後の見込み、って放送していました。車掌さん、タブレットを操作していましたから連絡が入ったのでしょう。さすがにIT時代ですね。

ただ、事故当時のダイヤが究極に近いくらいギリギリの設定だったのは事実みたいです。
いろんなアクシデントが起こりますし、技量の問題もあって全ての運転士がダイヤ通りに運転できる訳ではなかったんでしょう。何回も遅れを出す→屈辱的な懲罰(教育訓練ではない)が与えられる→心身にストレスが溜まる→何回も遅れを出す→・・・これを繰り返しながら事故の芽が育っていったんじゃないかと思っています。
これって会社の責任だって思うんですけれど。

コメントありがとうございました。
へろんさん 
会社組織の責任を追及出来ればいいのでしょうが、今は出来ないみたいですから、こんな判決になってしまうんでしょうか?

安全を優先するための遅れならやむを得ない。
最近はきちんとした説明があれば、大概の人は納得すると思います。
もともとそういうものだと思うんですけれどね。

コメントありがとうございました。
 
こんにちは。

スイスで氷河急行の事故があった時も、全て運転手の責任にされてしまいましたが、その直前にあった無理なダイヤ改訂のことはほっかむりされたままです。余裕のない運転スケジュール、人的コスト削減と本数増による利益のアップで、経営者が莫大なボーナスを手にする仕組みに問題があると私は当時から思っていますが、法廷では優秀な弁護士がつけられる人たちに不利な判決が下りることはまずありません。釈然としないですね。

スイスは比較的ダイヤに正確な運行がされる国ですが、日本ほどではありません。正直言って日本の電車の正確さと、それに対する期待度は少し異常じゃないかとすら思います。以前の里帰りで、とある急行が30分近く遅れていて、それが目的地に着くまでにどんどんと遅れを取り返し、最終的に5分程度の遅れになったのです。それなのに車掌さんはずっと謝りっぱなしで、駅に着いてからも改札で駅員が謝りまくっていました。

理由があって遅れたのですから、そこまで謝ることもないと思うし、乗客もそれを当然と思わないようにした方がいいのでしょうね。多少遅れても安全に移動できる方がずっとありがたいことだと改めて思います。

事故の犠牲となられた方のご冥福をお祈りします。
夕さん 
そう言えばスイスでも大きな事故がありましたね。たしか夕さんのお宅のご近所だったはず。日本人で怪我をされた方もいて、夕さんも通訳としてかり出されていらっしゃいましたよね。ご苦労様でした。
やっぱり無理なスケジュールには落とし穴があるんですよ。なにしろ人間が運転しているんですから。誰かが死なないとちゃんと出来ないんでしょうか?釈然としませんね。
そして、弁護士の件は腹が立ちますね。日本の方も優秀な弁護士がついていたんだろうと思いますが、やっぱり釈然としません。
富むものはますます富み・・・なのかな?

そしてそうそう、とにかく謝りますよね。謝るマニュアルでもあるのでしょうか?お詫びが足りない!なんてクレームがくるのかもしれません。
ちょっと考え物だと思います。
この誤りまくりは無くならないと思うのですが、遅れて文句を言う人は少なくなってきているんじゃ無いでしょうか。やむを得ない事情というのは乗客に理解されていると思います。

遅れを取り戻す運転を回復運転と言うんですが、これも余裕が取ってあるから出来るんですよ。
新幹線なんかでもかなりこれで遅れを取り戻していきますね。
一定時間遅れたら特急料金が払い戻されるのですが、終着駅に着く頃にはちゃんと払い戻しの無い範囲の遅れに納まっています。さすが日本というところでしょうか。

コメントありがとうございました。

 
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