Debris circus

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頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

「火星の人」アンディ―・ウィアー著(ハヤカワ文庫SF)を読みました。

 ハードなSFなのですが、正直とても面白かったです。ワクワクドキドキ、最後まで一気でした。
 火星基地アレス3が舞台です。基地は活動開始後6日目に猛烈な砂嵐に遭遇、想定外の強風に調査を打ち切って地球に引き上げることになりますが、その際クルーの1人が吹き飛ばされたパラボラアンテナに直撃されて飛ばされ、そのまま行方不明になります。
 他のメンバーは必死に捜索しますが、生命反応も無く、探査装置にも引っかかりません。そしてついに帰還用の上昇機が強風で倒れそうになったため、やむを得ず発進します。装備に余裕は無く、そのまま地球へと向かわなければなりません。
 ところが飛ばされた彼は生存していて、火星に1人取り残されます。アンテナが吹き飛ばされたため通信も不可能です。
 その彼が主人公のマーク・ワトニーで5年後の次の探査船が到着するまでどうやって生き延びるかがテーマです。ロビンソンクルーソーを彷彿とさせますが、いわばそれの宇宙版ですね。生存条件は遙かに厳しいですけれど。
 彼は前向きで(宇宙飛行士だから当然?)ユーモアのセンスにあふれていて絶体絶命の難関も軽いジョークで乗り切っていきます。
『見て見て! おっぱい!->(.Y.)』こんな乗りです。
 もちろん、軽く乗り切ったりなんかできないですし、ものすごい苦難と困難の連続です。でも彼の深い知識(植物学者でありエンジニアでもある)、生き延びるためのアイデアや創意工夫が実にリアルでサキはこのあたりの描写に感激してしまいます。化学的にも生物学的にも一定の説得力がありますし、無理も感じさせません。魔法の機械なんか一切登場しません。作者はそうとうオタクなんでしょうね。
 彼の生存に気が付いてからのNASAとのリアルなやり取りにもほれぼれしてしまいます。サキも参考にさせてもらおうっと。
 この辺のハードでコアな設定や展開に対するレビューは結構NETに有るので、サキはいつものように登場する人間について少し書いておきたいと思います。

 ワトニーの性格がとても気に入ったのは、まぁ主人公なので当たり前ですから置いておきますね。

 まず一番のお気に入りはサットコンのミンディーですね。彼女は火星を周回する人工衛星の軌道管理をしている技術者なのですが、衛星に搭載されているカメラで基地を上空から撮影し、ワトニーが生きていることを最初に確認した人物です。最初はオドオドしたところがあって、遠慮気味に報告を上げたりしていますが、観察眼は理論的でとても的確です。細かい変化にも間違いなく気づきます。見込まれてワトニーの“覗き屋”に任命されるのですが、少しずつ自信を持った言動になっていくところが楽しいですね。好きな人物です。
 美人で可愛いのに、性格のせいで上手くそれが表面に出ていない人、そんなイメージです。

 次はヨハンセンです。火星探査チームの一員でワトニーの仲間です。チームの中では一番小柄の可愛らしい女性のようなのですが、とても優秀です。(宇宙飛行士ですからこれも当たり前)普段は沈着冷静な超オタクなのですが、突っ込まれて顔を赤くしてしまうところ、最後は顔を覆ってしまうところ、素敵でした。
 でも彼女が船長から受けた指令について父親に語るシーンは鬼気迫るものがあって怖かったです。そこまで考えるのか・・・SFを書くサキにはとても参考になりました。他のメンバーもその指令を受け入れたということですから彼らの精神力はもの凄いです。

 その次はルイス船長です。火星探査チームのリーダーですね。沈着冷静な女性なのですが、彼女のクールさの中に垣間見える人間味がとてもいいですね。ワトニーを残して出発したことをずっと後悔しています。どう考えてもやむを得ない判断だったと思いますけれど。
 軍人のようなので統率力や決断力も相当なものですし、人望も厚いです。その隙間にチラリと見える弱さが良いのかもしれません。彼女の好きな音楽や娯楽とのギャップも楽しいです。
 こういうキャラも好きですねぇ。きっと彼女も美人なんだろうと思います。こっちは大人の雰囲気かな?

 広報担当のアニーもいいですが、サキにとっては彼女たちの次になってしまいます。

 あ、他の男連中もちゃんとカッコいいですよ!(サキは男性キャラに関しては手抜きでいいかげんです)

 ワトニーが生きていることが分かってからの人々の協力や助け合いは、利害が絡みながらも素晴らしいと思いますし、救出作戦の奇想天外さも、ちょっとなぁ・・・と思うこともありましたが、とても面白かったです。考察はきちんとされていますが、適当にハチャメチャでしたしね。
 全編アメリカ的乗りで、とにかく楽しく読ませてもらいました。
 このお話、もともとはNET小説のようですが、すごいなぁ。そして、羨ましいです。
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