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Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

物書きエスの気まぐれプロット(アプリコット色のヴィラ)

 このお話では八少女夕さんの作品、夜のサーカスシリーズの一遍「夜のサーカスとアプリコット色のヴィラ」に登場するアントネッラに登場いただいています。この作品単独でも完結するように書いたつもりですが、「夜のサーカスとアプリコット色のヴィラ」を読まれると、アントネッラという不思議な人物への理解がより進むと思います。
 夕さん、快くキャラを貸し出してくださいまして、ありがとうございました。
 なお本作品はStella11月号への投稿作品です。

月刊・Stella ステルラ 11月号参加 掌編・「物書きエスの気まぐれプロット」シリーズの一遍ですが読み切りです。 Stella/s



物書きエスの気まぐれプロット(アプリコット色のヴィラ)

 コモ湖を渡る冷たい風が、換気のために少し開けた窓から吹き込んでくる。
 アプリコット色のヴィラの小さな物見塔から見えるコモ湖は、夕焼けの色を僅かに残して闇の中に沈もうとしている。吹き込んでくる風に、銀髪へと変わり始めたブロンドを揺らせながら、アントネッラはその幻想的な風景を眺めていた。
 暫くそのままの格好でジッとしていた彼女は、やがてしかたがないな……という風にデスクから立ち上がった。そして床の上に雑然と置かれた家財の間にわずかに残された足の踏み場を渡って窓際に行き、少し乱暴に窓を閉めた。かつては美しく手入れされていたこのヴィラは今では廃屋同然になっていて、そうしないと完全に閉まらないのだ。
 きちんと閉まったことを確認すると、彼女はまたゆっくりとデスクに戻り、年代物のコンピュータのブラウン管ディスプレイを覗き込んだ。
 彼女は祖母の遺産であるこの幽霊屋敷の様なヴィラの物見塔にたった1人で住んで、VIP専用の電話相談員をして生計を立てている。そして入り込んでくる打ち明け話の形を変えた捌け口として、マリアというペンネームでブログに小説を書いている。この古いコンピュータはその小説の発表と、ネット通販での買い物のためにここに置かれている。
 ブラウザを起動しクリックを繰り返していた彼女はフッと微笑むと『あら。エスがブログを更新しているわ』と、ショートカットをクリックした。
 エスというのは日本語で小説をUPするブロガーで、珍しいことに小説の一部にイタリア語の翻訳ページも作っている。その小説に感想のコメントと同時に文法上の誤りを指摘したのが付き合いの始まりだった。
 いつもは小説を翻訳して置いているだけなのだが、今回は小さな記事が翻訳して置いてあった。翻訳するということはマリアに読んで欲しいという意思表示のようなものなので、小説以外の記事が翻訳されていることをアントネッラは意外に思った。それは“バトン”と呼ばれる奇妙な記事だった。


バトン「自分の取扱説明書」

親しくしていただいているブロともさんから頂いてきました。
楽しいバトン、どこから発掘してくるんだろう?

◎エスの取扱説明書◎
【※危険物に付き無用な刺激を避け、細心の注意を払って取り扱うこと。あなたの精神はおろか生命に危険をおよぼす恐れがあります。※】

○基本事項○

1 ユーザー名
エス

2 性別
答えたくありません。

3 年齢
ご想像通りです。
理想は、12歳がいいです。(今の意識のままで)

4 身長
普通です。高くはないです。
理想は、もう少し高い方が良かったかな。

5 体重
重くはないです。やややせ形です。
理想は、もう少し重くでもいいです。

○小説情報(リンク貼りOK)○

1 一番プッシュしたい自作品:
未完の長編が1つありますがそれです。
でも、長くて読みにくくて、その上未完で、いいことは1つも無いですけど。
自分では気に入ってます。

2 総合評価が一番高い作品:
無いです。ただ書いているだけなのかもしれません。全作品エスの脳内世界ですので、エスへの耐性をお持ちで無い方にそのままお勧めできるような作品はありません。
自分で読むと結構面白いんですけど。
でも読んでいただけるととても嬉しいです。頑張って読んでいただいたんだなぁ、と感激します。

3 更新速度
非常にスローテンポです。他の方の作品を読んでいて感想を書いていたりすると、もうほとんど更新できなくなります。

4 主な人称

3を使うことが多いです。1を使うこともありますが、3の方が書きやすいかな?章ごとに視点が変わったりするので読みにくいかも……。

5 書きやすいジャンル
平行世界物 現実世界でない方が、筆が進むことが多いです。
SFのような物も好きです。

6 今後書きたいジャンル
ファンタジー
でも難しいです。

7 苦手なジャンル
可愛い女性の出てこない物
暴力メインで構成される物
人間の裏側をえぐり出したりする物
救いの無い物
でも反面“今後書きたいジャンル”に含まれる物も……

8 得意な描写
いい評価をいただくこともありますが、自分では気に入っていません。
何もかもが難しい……です。

9 苦手な描写
若者どうしのくだけた会話。実際どういう会話をするのかよくわかっていない。だから現実世界物が書けないのかも……。
そして、う~ん、すべて。エスの経験値では何もかもが難しいです。
物語を書く作法をちゃんと学びたいです。

○ 他記として ○

1 好感度が上がる瞬間:
面白かったと言ってもらえたとき。
軽いお褒めのコメント1つで一週間は生きていけます。
拍手も嬉しいです。1拍手で1日はウキウキしています。
そしてイベントでリクエストをいただいたとき。
まぁそりゃそうですよね。

2 好感度が下がる瞬間:
何も反応が無いとき、無視は嫌だな……。

3 怒った時の対処法:
とりあえず謝っていただければ、即謝り返します。ご自分に非が無ければ放っておくことです。時間が解決します。あまり長くはかかりません。寂しがり屋ですから。

4 懐く瞬間:
「役に立ったよ」「ありがとう」とか「助かったよ」「よかったよ」の一言。
あっという間に懐きます。

5 貰うと喜ぶモノ:
精密機械の類、オートバイ(タンデムシートに乗せてもらうんだよ)、少しのワイン、熱いときは1杯のキンキンに冷えたビール、生ハム(イベリコ豚のとか)、チータラ。

6 貰っても嬉しくないモノ:
他人の悪口、風邪、あと強いて上げればスイーツ(ちゃんといただきますよ。でもワ~イ!と無条件で喜ばないので)。

7 自分を動物に例えると:
なんだろ?ナマケモノなんてどうかな?つまんない?

8 動物に成れるなら何:
どれも大変そう。お話が書けなくなるしね……。

9 今欲しいモノ:
お金!あぁ!身も蓋もない。
NORTH AMERICAN X15のディスプレイモデル(でもスミソニアンで本物を見てみたいです)。
iPad、これがあればどこでもちょこちょことお話が書けるかな?
もし許されるなら、世界中を旅行できる丈夫な体。

10 好きな曲(1つ):ミックミックに……(自粛)
これではあまりにワンパターンなのでこれを上げておきます。
「時計仕掛けのオレンジ ベートーヴェン交響曲第9番」
http://www.youtube.com/watch?v=MjYe9idXcBk

面白かったので思いつくままに答えちゃいました。
お粗末様でした。


「あらあら、あなたは危険物なのね」思わず声が出た。『エス、あなたは私に自分のことを知ってもらいたいの?』アントネッラは、奇妙なコンプレックスを持ち異常に経験不足にこだわるエスに、妹や時には娘に向けるのに似た感情を抱いている。
 コメントやメッセージのやり取りを始めて2年、エスはアントネッラにとって数少ない友人の1人になっていて、とても親しく交流を続けている。だが、ネットの上だけでの付き合いだからエスについては何も知らない。アントネッラもマリアと名乗っているだけで、エスには何も知らせてはいない。お互いに相手が日本とイタリアに住んでいることを知っているだけだ。
 エスが日本のどの地方に住んでいるのかは分っていたが、アントネッラにとって、その地方が日本のどこにあるかなどということに興味は無かった。
 エスもアントネッラの記事から、コモ湖の周辺にアントネッラが住んでいることは知っていたが、『コモ湖、見てみたいなぁ』と興味を示すことはあっても深く突っ込んでくることは無かった。そんな関係はアントネッラにとってとても好ましいものだった。
 しかし、この関係を少しだけはみ出したエスの記事は、アントネッラに自分の若い頃の気持ちの揺れを思い出させ、とても微笑ましく思えた。
『エス、とっても興味深く読ませてもらったけど、私についてはそう簡単には教えないわよ』アントネッラは微笑みを浮かべたままもう一度丁寧に記事に目を通すと、茶色い瞳をいたずらっ子のように煌めかせながらキーボードを叩きはじめた。


2013.10.28
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テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
 
 

Comments

わ〜い 
アントネッラを素敵に登場させていただき、ありがとうございます。
設定もしっかり踏襲していただいて。細部に至るまで完璧に再現していただいてうれしいです。そうなんです。足の踏み場ないし。窓のたてつけを直す事もできないというかしないでしょうね。かなりガサツです(笑)

なるほど、今回はバトンをわざわざイタリア語に翻訳してくださったのですね。
アントネッラは、エスという人に興味あると思います。数少ない友達ですし。アントネッラ、ほとんど友達いないんですよね。イタリア人にしては引きこもりっぽいし。

エスが経験不足にこだわる理由、わかったら仰天するでしょうね。きっと想像もつかないに違いないけれど。

来月号、再び「夜のサーカス」でエスにご登場願う予定になっています。どうぞよろしくお願いします。
 
うほ~い

バトン、拾ってくださってありがとうございます。
サキさんは、「エス」のトリセツで来ましたか。皆さん、それぞれ工夫があって、とても面白いですね。

うおう、いきなりの「危険物」宣言。取扱い注意なんですね。では、そお~っと拝見しましょう。
……って、チータラ(笑) いやでも、わかります。私はお酒を飲まないのですが、それでもあれは美味しい。な○りの珍味シリーズは、いいですよね。
サキさんの「シスカ」は、すごく不思議なお話で、あの重厚な世界観にはまると、なかなか抜け出せません。書くのは大変だろうなぁ、と思いつつ、続きが読みたいなぁと思っています(微妙におねだり)
Xプレーンズは、見てるだけで楽しい機体が多いですよね。あんなものを作り続けるあたり、アメリカの航空機にかける情熱を感じます。ちなみに、私はX-29とかX-36がお気に入りだったりします。いやもう、カッコよすぎです(笑)
ある意味、この「物書きエスの気まぐれプロット」も、Xプレーンズのような実験作っていう感じがします。
夕さん 
アントネッラ、とっても好きなキャラなんですよ。
こんなに不思議なキャラなかなか無いですよ。
彼女を主役にしても色々と楽しいお話が書けそうです。
細かい設定が気に入っているので、読み取れる範囲でサキの想像を付け足して精一杯描写させていただきました。
イメージに合わなくて修正する部分はなかったですか?だったらよかったんですけど。
窓の件、サキとしてはガサツというイメージで書いたのではなくて、ヴィラ自体が相当に痛んでいるというイメージでした。バンッとやらないと閉まらないんです。

最初はサキの取り扱い説明バトンを書いていたんですが、やっぱりちょっと実験を、と思ってエスの取り扱い説明バトンに変更したんですよ。
だったらアントネッラだろう……(by先)ということでアントネッラに登場願ったというわけです。
エスはマリアに読んで欲しくなって翻訳したんだと思います。
素敵に登場できていたらよかったです。コメントにホッとしています。

来月の「夜のサーカス」楽しみにしています。
そしてコメントありがとうございました。
ではまた。

TOM-Fさん 
楽しいバトンありがとうございました。
そしてコメントもありがとうございました。
皆さんそれぞれ工夫されていたのでサキもちょっと捻ってみました。
お楽しみいただけたのならよかったです。
そうです。。エスは危険物です。取り扱いに注意してくださいネ!
そしてエスはサキの分身ですので、まぁ似たようなものです。
こまったもんですね。

で、この前の金髪の女の子のニュースからシスカを練りはじめています。
上手くいけば続きを書けるかもしれません。
上手くいけば、ですけど。

Xプレーンズいいですよね?サキもX-29好きです。
X-36はちょっと可愛いイメージですね。もちろんこれも好きです。
でもサキはX-15萌です。

ちょっと変わった実験作品「物書きエスの気まぐれプロット」シリーズ、これからもよろしくお願いします。
ではでは。
わぁ、面白いですね 
ネット上で遊ぶ登場人物、そこで取説を絡ませる、なんて素敵なアイディアでしょうか。
さすが、サキさんですね。
エスとアントネッラの交流がこの中で生き生きと動いている感じ、とてもリアルなのに、なぜか幻想的、その狭間を楽しめるような仕上がりで、カッコいい、と思いました。
無視は嫌だな……これ、何だか可愛らしくて、そして共感できて、とてもいいです。
「シスカ」、まだ始まりの部分で止まっていますが(ごめんなさい、また続きを拝読しますね)、あの世界観、いいですね。sこにあの金髪少女のDNAの題材が絡んでどうなるのか、楽しみです。
大海彩洋さん 
お褒めのお言葉ありがとうございます。
うれしくて、これで一週間ぐらいは生きていけます。
アントネッラとエスのネットを介しての交流の様子が書けたらいいなと思っていましたので、そこのところ感じていただけたのなら良かったです。
彩洋さん、カッコいいなんて褒めすぎですよ。

それに、うれしいなぁ。シスカ、読み進めていただけるのなら光栄です。
もし時間があって、気が向くようなことがあったらよろしくお願いします。
コメント、嬉しかったです。
ありがとうございました。
ではでは。
RE 
遅くなりましたが、読みに来ました!

夕さんと相互のコラボ小説ですね
更にその中にバトンまで登場させてしまうとは、流石です
一番面白かったのは、バトン見てて、「なんでこんなに理想が多いんだろう……」と思ってしまうくらい前半部分にエスの希望が詰まっていたことですかね? 
危険物と書いてある割に、見ていて微笑ましい、可愛い部分があるように思いました

コラボ元の小説、どちらも知っているだけにキャラの把握が凄いと感じてしまいますね……これからも頑張って書いて下さい

以上です。
篠原藍樹さん 
コメントありがとうございます。
夕さんにお願いしてアントネッラを貸し出してもらいました。
好きなキャラなのでついつい入れ込んでしまって、書き込みすぎるきらいがありますけど、コラボはやっぱり楽しいです。
エスはサキの分身ですので、希望や理想がたくさんあります。
気がつかないうちに文章に本音が出てくるのかな?可愛いと見てくださるなら良かったです。
頑張って書きますので、またお越しください。
間もなくもう1作アップできそうです。

ではまた。
 
好感度が上がる瞬間と、下がる瞬間が必要以上に共感できてしまいました。
最近、その辺りにとてもナーバスになっていまして……申し訳ありません。

でもコメントや拍手に関しては大半の人が同じように考えているのかなと、そんなふうにも思い始めています。
やっぱり何も反応がないのは辛いですよね。
サキさんには本当に感謝しています。ありがとうございます。
本筋から外れてしまいましたが、これからもよろしくお願いします。
ヒロハルさん 
サキはこのブログを、自分の脳内世界が消えてしまう前に出力して保存しておくための書庫として始めています。
ただし、どなたでも開いて読むことの出来る書庫としてです。
書庫なんですから、どなたにも読んでいただけなくても別に~
というスタンスのつもりだったのですが、どなたでも読むことが出来る、そこがサキが俗物である所以です。
やっぱり何の反応も無いより、何らかの反応があった方が圧倒的に嬉しいのです。
特に好感度の部分はエスの(いや、サキの)正直な気持ちを吐露した部分です。
だからといって、サキは皆さんのブログにいいかげんな気持ちで反応しようとは思っていません。
いいかげんな気持ちで褒め言葉を並べるつもりもありませんし、悪口を書き連ねるつもりもありません。
“オブラート”に包んではいますが、サキの正直な気持ちです。

コメントありがとうございました。

 
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Author:山西 左紀
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