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Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

フォマルハウト Sequence12

 夜は帳を深く降ろした。月はまだ夜空に無く、闇はいっそう深さを増している。
 焚き火を囲んで話し込んでいたアズミや御者たちは眠りにつき、辺りを静寂が覆い始めた。
 ラァスル・グールの大平原から吹き上がってくる湿り気を多く含んだ風は、サマライ山脈に沿って上昇すると一気に雲となって山脈の南斜面に雨を降らせる。雨はラァスル・グールの大平原に豊かな実りをもたらし、反対に水分を失った空気はタブリの平原に乾燥した風となって吹き下ろす。
 今夜、隊商はかつてタブリ王国とラァスル・グール皇国の国境であったサマライ山脈のアマル峠を少し下った小さな沢でキャンプを張っていた。隊商がこんな無防備なところでキャンプを張るなど、通常ではありえないことだが、今は騎乗兵の護衛が付いている。こんな状況でわざわざ襲ってくる間抜けな山賊はいないはずだ。
 だが、騎乗兵たちは善意で我々を守ってくれているわけではない。奴らは我々が“死出の旅”から逃げ出さないように見張っているだけなのだ。護衛といえば聞こえはいいが、要するに看守のようなものだ。
 奴らは我々とは少し距離を置いて別にキャンプを張っている。シャウラは就寝前の見回りでそのキャンプの様子もうかがったが、あの抜け目のないキトゥーの部下たちのことだ、当然我々への見張りは怠りなく続けられているのだろう。キャンプからはその気配が強く感じられた。

 輸送車の床下に設けられたキャビンの大きさは限られたものだ。それでも大人2人がゆったりと横になれるくらいの広さがある。シャウラは闇の中、先に寝息を立て始めたツィーの気配を感じながら考えを巡らせていた。
 隊商は騎乗兵の1小隊と共にハダル峠を越え、幾つかのラァスル・グール軍の野営地を経由して南下を続けた。いや、騎乗兵小隊の監視のもと南下させられた。
 隊商の長であるアズミは野営地に入る度に、類稀なるその容姿と話術を駆使し、ツィーの力も借りながらラァスル・グール軍の関係者との接触を図った。熟女のアズミと幼さの残るツィー、異なる性質を持つ2人は幅広い対象に対して効果を発揮し、少ないながらも貴重な情報を得ることができた。それによると本来ラァスル・グール軍に与えられた命令は、隊商が目指していたタカブの町や首都アルダビルまで侵攻することではなく、ラァスル・グールの北側の荒野に有る幾つかの町を押さえ、南回廊を支配下に置くことだった。野営地の状況から見てもすでに軍は命令を完遂し、戦線は落ち着きを見せ始めていた。
 そうであれば、なぜ遠く離れたハダル峠までキトゥーの軍が侵攻したのか、位置的に見ても疑問だったが、同行している騎乗兵の小隊長が漏らしたところによれば、どうやらキトゥー皇女が功を焦って無理矢理前進したというのが実情のようだ。皇帝には多くの子がおり、勢力争いは熾烈を極めている・・・小隊長は自嘲気味にそう話した。皇女が無茶をしなければいまごろ隊商は峠を越え、タカブの町まで無事に到着していたはずだったのだ。
 と・・・闇が薄まり、辺りがぼんやりと明るさを増した。
「ああ、うう・・・ん・・・」
 また始まった。ツィーがうなされているのだ。ツィーの胸元からぼんやりと光が漏れ出ている。
「あ・・・ん・・・」
 これで何回目だろう。うなされている時間が徐々に長くなり、うなされる間隔も少しずつ狭まっているようだ。
 いつもは御者台で眠っていたウツボだったが、何に気を使ったのか最近は少し離れた位置に寝袋を置いて眠るようになっていた。
「んん・・・う・・・ん」ツィーの呻きが大きくなると胸から漏れ出す光も大きくなる。そして徐々に呻き声が小さくなるにつれて、光も弱まっていき、やがて寝息だけが静かに聞こえ始めた。
『いったい、何が起こっているんだ』シャウラはツィーの穏やかな寝息を耳にしながら呟いた。『ワタリの婆さんはツィーの健康に問題は無いと言ったが、いつまでこんなことが続くのだろう』
 シャウラはなお暫くの間考えを巡らせていたが、徐々に勢いを増してくる眠気には逆らえず、程なく眠りに落ちた。

 日の出が迫っている。空は少しずつ明るさを増し、昨日遅くに到着したときには見えなかった辺りの風景が少しずつ姿を現し始めた。山脈の頂は朝日を受けて金色に輝く範囲を徐々に広げ、これから向かう峠の下、ラァスル・グールの大平原は深い霧の下に沈んでいる。
 シャウラは暫しの間それらの風景を眺めた後、早朝の見回りを始めた。
「ちゃんと眠れているかい?」突然後ろから声をかけられてシャウラは驚いて振り返った。いつの間にか黒ずくめのワタリが立っていた。気配を消したワタリには、シャウラでさえも気づくことは難しい。
「どこへ消えていたんだ?」シャウラはまずそれを訊いた。隊商がラァスル・グール騎乗軍の虜になって以来、ワタリは何処へともなく姿を隠していたのだ。
「ワシのことはいい、何処へでも消えるし、何処へでも現れる。それよりワシの質問に答えろ」
 ワタリに会話で挑んでも勝ち目は無い「ああ、だいたい眠れている」シャウラは諦めて答えた。
「だいたい?時々は眠れないのかい?あの子はそんなに激しいのかい?」ワタリは猫なで声になる。
「な・・・」シャウラは言葉に詰まった。
「それはそれでかまわないんだが、発光は続いているのか?」シャウラの反応を無視してワタリは尋ねる。
「発光?あの光のことか?ああ、続いている」
「どれくらいの間隔だ?その様子だとまだ毎日ではないようだね」
「3日か4日に1度・・・そんな感じだ」
「そうかい。だいぶ間隔が詰まってきたね」ワタリはそういうとクルリと踵を返した。そして「今のままではまずいね」ボソリと呟くとそのままシャウラの前を後にする。
「おい!婆さん!自分の訊きたいことだけを訊いて、それは無いだろ」シャウラが大きな声で呼び止めた。
「おや?何か訊きたいことでもあるのかい?」ワタリはまるでそうなることがわかっていたように足を止めた。
「あの光はいったいなんだ?あの子に何が起こっているんだ?それにまずいってどういうことだ?」
「そうだな」ワタリはすこし思案してからシャウラの方へ顔を向けた。「今のうちに言っておいたほうがよさそうだね」
「知っているなら教えてくれ」
「そんなに深刻な顔をするな。前にも言ったが、あの光が現れることであの子の健康に影響が出る事は無い」
「だったら!」
「これからあの光が現れる間隔は短くなる。そしてあまり時を経ずに毎晩現れるようになる」
「毎晩?それで?」
「5晩続けてそれが現れたら・・・」ワタリは値踏みをするように言葉を止めた。
「現れたら?」シャウラが答えを急く。
「ツィーをどこか安定した静かな場所に置いてやる必要がある」
「それはどういうことだ?」
「そんなに女房が心配かい?」
「っ・・・」シャウラは言い返そうとして言葉に詰まった。「僕にはこの子に対する責任がある。ここまで関わった以上はちゃんと見届けるつもりだ」
「どこまで見届けるんだい?ずっと連れ添うつもりかい?」
「それは・・・」
「ふほほ・・・心配するな。ワシとツィーを安定した静かな場所に置いてもらえば、ワシがすべて取り計らう。それがすんだらツィーは元通りになる」
「だが、今みたいな状況ではそんな場所は用意できない」
「それはまずいな。だからさっきそう言った」ワタリはの表情の変化は皺に紛れてほとんど表面には出てこなかったが、その発言はワタリの思惑が思い通りに行っていない事を窺わせた。
「用意できなければどうなる?」
「なってみなければわからない。なにしろこれまでにこんな状況になったことは無かったからな」
「なぜこんな事が起こる?」シャウラは食い下がった。
「発光のことか?それはお前さんのせいだ」
「僕のせい?」
「ツィーは本当は死んでいた。お前の望みでそれを蘇らせてやったろう?」
「・・・」シャウラはバンガイル・ステイグルドの宿での出来事を思い出していた。
「自然の流れに逆らえば相応の報いがある。いまツィーに起こっていることはあそこで命を長らえた結果だ。逃れることはできない。5晩続けて光が現れる前に、お前がなんとか策を考えるんだね」
「だからどうしろと?」
「今の状況を変えろと言っている」
「いったい何が起こるんだ?」シャウラはようやく核心の質問に辿り着いた。
「ほら、ツィーがまたうなされているよ」ワタリはシャウラの後ろに向かって顎をしゃくった。
 シャウラは慌てて輸送車に駆け寄ったが、輸送車は静かなままだ。
 シャウラは顔を戻したが、そこにワタリの姿は無かった。代わりにワタリが立っていた地面には長刀が突き立てられていた。

 出発の準備はいつものように行われた。焚き火でアダブラの乳を暖め、グィラを入れて、簡単な朝食を用意する。ワタリを除く隊商の全員が焚き火の周りに集まってくる。
「どうしたんだ?それは」シャウラを見てアズミが声を上げた。シャウラが長刀をぶら下げて現れたからだ。御者たちや、彼らと一緒に朝食の用意をしていたツィーも驚いた表情でシャウラを見る。
「これのことですか?」シャウラは騎乗兵の見張りからは見えない位置に立つと長刀を構えて見せた。「ワタリが置いていったんです」なるべく表情を変えないようにシャウラは言った。
「ワタリが・・・それをどうするつもりだ?」アズミが押し殺した声で言った。
「状況を変えるつもりです」シャウラの構えた長刀は鈍い光を放つ。
「お前1人でか?」
「奴らの動きを見た感じでは、やってやれないことはないと思います」シャウラは長刀を振り下ろした。
 アズミは暫くの間瞑目した。
「確かにあたいはすべてを取り上げられ、このままでは破滅だ。しかもラァスル・ハールに着いた後は命の保証も無い。だがシャウラ、ここで反乱が上手くいって状況が変わったとして、ここからどう逃げるつもりだ?」
「どう逃げるって・・・」シャウラは言い淀んだ。足の遅い輸送車ではとても逃げおおせそうにない。
「そんなことだろうと思った」アズミは苦笑いを噛み殺すと、全員を見回しながら話し始めた。「この峠を下った先を少し西に向かえば、サマライ山脈の山裾にカントルの町がある。そこにマルドゥークという豪商の屋敷があるんだが、あたいとそいつは旧知の仲だ。上手くそこにたどり着ければ荷物や輸送車、アブダラを買い取ってくれるだろう。足元は見られるだろうが仕方が無い。そこでみんなのバラサを調達して機動力を上げれば、南回廊に抜けてシンガリに戻れる可能性も出てくる。シンガリまで辿り着いたら一安心だ。また1からやり直しになるがな」
「それでいい・・・」抑揚を欠いた声がした。ツィーだ。
 シャウラとアズミはツィーの方へ顔を向けた。やはりツィーの瞳は奥行きを失い、表情が消えている。
 アズミは思い切ったように顔を上げ「あたいは少しでも生き残る可能性が高いほうに賭ける。いいな!」と、こういう時にいつもやるように周りに座っている仲間に向かって宣言した。
 仲間たちはそれぞれに小さく頷いた。
「ツィー」シャウラは焚き火の横で佇んでいるツィーに声をかけた。
 ツィーはその表情の消えた顔をシャウラに向ける。
「一緒に来てくれ。油断させたまま、奴らになるべく近づきたいんだ」
「・・・」ツィーは静かに頷いた。

 隊商を見下ろす形でキャンプを張っていた騎乗兵たちも出発の準備を始めたようだ。キャンプの中央から煙が上がり始めた。
 シャウラは隊商の全員がそれぞれに手近な道具を武器の代わりに持ち、配置を整えたのを確認すると、長刀を体の影に隠して静かに騎乗兵のキャンプに向かって歩き始めた。ツィーはシャウラと並んで歩き始めたが、やがてその右手でシャウラの左手を握った。シャウラは驚いてツィーの顔を見たが、相変わらずツィーの顔には何の表情も浮かんでいない。ツィーの握力は思っていたよりもずっと強く、その手の平は柔らかで滑らかで、熱くも冷たくも無くサラリとしていた。
 騎乗兵の見張りは「何をしているんだ?」という様子でシャウラとツィーの行動を見ていたが、2人が構わずにどんどん近づいて行くと、「何か用か?」2人の行動の真意を確かめるように数歩前に踏み出した。
「ツィー!アズミの所へ!」シャウラは打ち合わせの通りツィーに駆け戻るように声をかけると、間髪を入れずに駆けだした。
「グゥ・・・」「ヒュ・・・」見張りの2人は剣を抜く暇も、悲鳴を上げる暇も無く地面に打ち倒された。
 シャウラはそのままキャンプの中に駆け込んだ。騎乗兵たちは何が起こっているのかを把握する前に次々となぎ倒された。
 隊商のキャンプには誰1人向かわせない覚悟だった。『17・18・19・・・』シャウラはカウントを取りながら討ち漏らしが無いように動いた。
『20』やがて騎乗兵は隊の中で衛生兵の役割を兼ねていた女性兵士1人を残すだけになった。兵士は逃げようとキャンプから走り出たところで転倒し、シャウラは追いついて刀を振り上げた格好で静止した。兵士は尻餅をついた格好でまったく動けない。
 その時何者かがシャウラの動きの邪魔をした。
 シャウラはそれを振り払い、刀を振り上げたまま振り返った。
 そこには見知った顔があった。
「ツィー」シャウラは驚いて声を上げた。駆け戻ったはずのツィーがそこにいたのだ。奥行きを失っていた青い瞳は輝きを取り戻し、必死の形相でシャウラを見上げている。シャウラがその瞳を見つめ返すと、ツィーはシャウラの体に手を回し、その胸に顔を埋めた。
「殺しては駄目」顔を埋めたままツィーが口をきいた。
「大丈夫だ。骨までは断っていない。ちゃんと手当てすれば死ぬことはない」シャウラはツィーの頭をそっと抱きしめた。
「それでこの人を残したの?」ツィーが再びシャウラを見上げて訊いた。
「そういうつもりだったんだろう」後ろでアズミの声がした。「だが、彼女1人でこれだけの人数の手当ができると考えるところが浅はかだな。シャウラ」
「え?」シャウラは刀を下ろした。
「おいみんな!」アズミは後ろに控える御者たちに呼びかけた。「この女に協力して彼らの手当をしてやれ」
「おお!」御者たちが雄叫びを上げた。
「それが済んだら。あたいたちはさっさととんずらだ」
「カントルまで?」ツィーは何気なくそう言ったが、アズミはそれを聞き逃さなかった。
「ツィー!!!」アズミは厳しい声でツィーを叱責する。
「え?」何が起こったのかわからずツィーは目を泳がす。
「この子を」アズミは女性兵士を指した。さっきまで温かみを帯びていた瞳はすでに凍り付いたように冷えきっている。「このままにしておくことはできなくなった」
「どうして?」
「お前、いまなんと言った?」
「え?あ・・・」ツィーは自分が何を言ったのかに気がついて激しく動揺した。
「聞かれた以上、この子だけは生かしておくことはできない」
「そんな・・・殺しては駄目」目を大きく見開いて喋ろうとするが思うように言葉が出ない。
「シャウラ、刀を・・・」アズミはそんなツィーを無視してシャウラから刀を受け取った。「あたいがやる。シャウラ!ツィーを・・・」
 シャウラはツィーを抱きかかえると御者たちの方へ歩き出した。
 アズミはツィーから見えないことを確認すると、兵士の方へ向き直り、ゆっくりと刀を振り上げた。
「ヒ・・・」兵士は声を上げることも出来ないまま、その場で後ずさりする。
「駄目!!!殺しては駄目」ツィーはシャウラの手の中で身をくねらせ地面に落ちると、アズミに駆け寄ってしがみついた。
「シャウラ!ちゃんと捕まえておけ!」アズミは声を荒げる。
 シャウラは戻ってツィーを再び抱き上げた。
「駄目・・・駄目・・・」ツィーはシャウラの腕の中で必死に訴えるが、今度はシャウラの腕を振りほどくことはできない。
「駄目!!!やめて!!!」ツィーの必死の訴えは続く。
「わかった」シャウラはツィーの耳元でそう言うとツィーをそっと地面に下ろした。
 そして、クルリと向きを変えアズミに近づいた。
「やめましょう」
「やめてどうする?」
「一緒に連れて行きましょう。それなら問題ない」
 アズミは構えを崩さずに言った。「これ以上厄介ごとを抱え込むのは勘弁願いたいな。今はあたいたちに捕虜を連れて行動するような余裕は無い。余計な温情は生き残る可能性を削るだけだ」
 シャウラはアズミと兵士の間に割り込んだ。
「どけ」アズミは刀をシャウラの額に向けて凄みをきかせる。
「どきません。これ以上やったらツィーが壊れてしまう」シャウラの目は真っ直ぐにアズミを見据える。
 アズミは肩の力を抜き刀を下ろした。「あたいがお前に勝てるはずはないな」
 シャウラはアズミから刀を取り上げると兵士の前に腰を下ろした。「もう大丈夫だ」
 兵士は暫くの間自分の身に何が起こったのか理解できず体を硬くしていたが、やがて小さく震えだした。
 シャウラが彼女の肩に手を置くと、兵士は抑えきれなくなったようにシャウラの胸に顔を埋め、嗚咽を漏らした。
「フ・・・」アズミは呆れたように小さく息を漏らした。「どうしようもない甘ちゃんだな。だが、この責任は取ってもらうぞ」
 シャウラは黙って頷いた。
「よ~し!こうなったらみんな、大急ぎで手当を終わらせろ!すぐに出発するぞ」
「おお~!!!」御者たちはいっそう大きな雄叫びを上げた。
 ツィーは放心したようにシャウラとその兵士を見つめていた。

2021.09.20
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テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
 
 

久しぶりの更新です。

 6月19日以来、随分久しぶりの更新になってしまいました。
 少し体調を崩していたせいもあって、ダラダラと過ごしていました。今年の夏は猛暑日も少ない印象だったのですが、やっぱり夏バテだったのかなぁ・・・。
 ようやく体調も戻り、少しずつですが筆も進むようになってきましたので、創作活動再開です。
・・・ということで、今夜はファンタジー「フォマルハウト12」の発表です。天邪鬼のサキらしく、フェイント気味の作品選択で、しかもかなりひさしぶりの更新です。話の内容を憶えている方はいらっしゃらないと思いますので、簡単な解説を付けておきます。

 この物語「フォマルハウト」の世界は「イノセンティア」と「ギルティア」の2つの世界から成り立っています。そしてこの2つの世界の間には「結界」という広大な空間が存在し、普通は2つの世界を行き来することはできません。
「イノセンティア」には「イノセント」と呼ばれる「人」がいて、彼らは「神族」と「魔族」に分かれて4千年の長きに渡って争い続けています。
「ギルティア」には「ギルティ」と呼ばれる「人」がいて、彼らは自分たちのことを「人間」と呼んでいます。
「人」である「イノセント」と「ギルティ」はどちらも人型(ひとがた)で、外観上はそれぞれに我々の世界の人種間くらいの相違はありますが、それ以上の違いはありません。まぁ、見かけだけで「イノセント」と「ギルティ」を区別することは不可能ということです。
 ただ、「イノセント」は非常に丈夫な体を持っていて、かなりの大怪我を負っても傷口は再生し、死ぬことはありません。反対に「ギルティ」の体は我々と同程度で、大きな怪我をすれば簡単に死んでしまいます。
「イノセンティア」には「レサト地域」(魔族)「シンガリ国」(神族)「タブリ王国」(魔族)「ラァスル・グール皇国」(神族)「アルゴル皇国」(神族)などの国々があって、それぞれがしのぎを削っているのですが、文章だけではわかりにくいので、次には「イノセンティア」の地図を、その次には登場人物のまとめを掲載しておきました。読んでくださる方の一助になれば幸甚です。
フォマルハウト12」(作品へのリンク)
最初から読まれる方は「こちら
 
イノセンティア〈地図をクリックすると大きくなります〉
イノセンティア210913

●●● 登場人物 ●●●

フォマルハウト(ギルティー・人間)
 明るい色の長い髪と白い肌を持つ女性。通称はファム。
「ギルティア」から「結界」を越えて「イノセンティア」に潜入した「サーベイヤー」と呼ばれる特殊な人間。

シャウラ(イノセント・魔族)
「魔族」の中でも特に好戦的な「レサト」という集団に属する敏腕の戦士。
 フォマルハウトを「神族」と間違えて襲ったが返り討ちに遭って大怪我を負い、フォマルハウトの介抱で一晩を一緒に過ごす。翌朝シャウラは回復して目覚めたが、フォマルハウトはすでに旅だった後だった。
 神族も魔族も「イノセント」と「ギルティ」が交わることを絶対的タブーとしていることから、「ギルティ」であるフォマルハウトとの一晩の潔癖を追求されたが、痛み止めを飲まされて眠り込んでいたため証明できなかった。疑惑を晴らせなかったシャウラは、婚約者のアルドラとの婚約解消、フォマルハウトを始末するまでレサトには戻れない事を告げられ、「レサト」の里から追放される。
 失意のシャウラは無法都市バンガイル・ステイグルドに辿り着き、奴隷市場でツィーを手に入れ、ガザミやワタリと出会い、用心棒としてアズミの隊商に加わり、フォマルハウトを捜す旅に出る。

アルドラ(イノセント・魔族)
 レサトの親方(かなりの有力者)の娘でシャウラの婚約者。親方の娘との婚約は、シャウラが親方の後継であることを保証していたが、婚約は解消された。

ツィー(イノセント・神族)
 黄金色の髪と青い瞳、白い肌を持った少女。
 バンガイル・ステイグルドの奴隷市場で売られていたところを、シャウラが財産のかなりの部分をつぎ込んで手に入れた。
 かなり高貴な家の出身らしいのだが、一応シャウラの女房という触れ込みで旅をしている。

ガザミ(イノセント・魔族)
 バンガイル・ステイグルドの安宿の女主人。
 金にはがめついが根は親切で、なにかとシャウラとツィーの世話を焼く。
 情報通でもある。

ワタリ(イノセント・魔族)
 バンガイル・ステイグルドで出会った黒ずくめの呪術師。
 一旦は死んでいたツィーを怪しげな術を使って蘇らせた。
 それ以降、シャウラとツィーに付かず離れず同行する。

アズミ(イノセント・魔族)
 シャウラが用心棒を勤める隊商の長。富を求めてイノセンティアを旅している。男勝りだがエキゾチックな女性。

セギ(イノセント・神族)
 アルゴル皇国、皇帝子女の教育係。

エヌマ(イノセント・神族)
 ラァスル・グール皇国神祇官。女性。

キトゥー(イノセント・神族)
 ラァスル・グール皇帝の第11皇女。大群でアズミの隊商を襲い、すべての積荷を没収。積荷をラァスル・グール皇国首都へ輸送するよう命ずる。

サルガス(イノセント・神族)
 ラァスル・グール皇帝の第13皇子。キトゥーと行動を共にする。ツィーを側室に指名しようとしたがキトゥーに却下された。
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こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。

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Author:山西 左紀
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