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Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

33333HIT記念企画第二弾、追記と解説

「Habitat」読んでいただいてありがとうございます。
今夜UPしたのはDebris circus 33333HIT 企画、第二弾の作品です。
リクエストいただいたのはTOM‐Fさんで、リクエストの内容は、

> 『サキさんのキャラおひとり』と、『私のキャラのひとり』で、『三つのなにかを一緒に探しだすストーリー』をお願いします。
> 三つのなにかは、なんでもかまいません。モノでなくてもいいです。

とのことでした。
TOM‐Fさんのキャラクターはアクティブで謎めいた方が多いので、誰に登場願おうかとずいぶんと悩んだんですけれど、覚悟を決めて一番難しそうな方にしました。
といっても、この方をそのまま登場させてしまうと、かなり展開が難しくなりますので、サキの都合で設定を変えさせていただいています。TOM‐Fさん、お許しください。
ま、キャラを演じてもらっていると解釈していただければ違和感も少なくなるでしょうか。
そして舞台は「新世界から」を選んでいます。
今回のファーキンとオッドアイ、永遠のライバルともいえる2人の話は、「新世界から」の本編が始まる前、まだ終戦から間もない頃という設定です。
この「新世界から」シリーズ、サキの作品によくあるように途中で力尽きて未完のまま放置されている作品です。
番外としてではありますが書くことができて、久しぶりにズイキに会うことができて、とりあえずですがホッとしています。
TOM‐Fさん、きっかけを頂いてありがとうございました。

さて、次は同じ企画の第三弾、大海彩洋さんのリクエストにお答えする予定です・・・といいたいところですが、その前に八少女夕さんの「scriviamo! 2019」参加作品が完成に近づいています。2作目なのですが夕さんに了解をもらいましたので、企画第三弾の前に挟み込もうと思っています。第三弾、第四弾はその後の発表になりますが、まだ全く手をつけていません。
少し気長にお待ちくださいネ。

順々に発表していきますので、読んでいただければうれしいです。


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「エニフ(仮)」追記と解説

 この作中作「エニフ(仮)」は「サキの気まぐれポロット?」の中に出てきた“サキが夢の中で体験した物語”のパイロットストーリーです。
 パイロットストーリーって、ほら、映画や番組を作るときにスポンサーやプロデューサーたちに、どんな感じの作品なのかを見てもらうために作られる、パイロットフィルムってあるじゃないですか。それの小説版という設定です。
 しかも“仮”。夢の中ではちゃんと名前があったヒロインなのですが、寝起きに忘れてしまったので、作中では仮名になっています。
 書いていて馴染んできたのでエニフでもかまわないんですけれどね。
 鼻ちゃんですけど。
 そしてこの作品、作中でコハクやマリアがどんな判断を下したかは今のところわかりませんが(マリアやコハクに見せているということはダイスケの推敲は受けています)現実世界ではまず完成することはありません。
 長い物語ですし、古い時代のヨーロッパをイメージした舞台設定にもまったく理解がありません。
 もちろん異世界ですから設定はどうとでもなりますが、それにしても知識が必要です。戦争を盛り込まなくてはいけませんからそっちの方面の知識も欲しいですし、戦略なんかも想像だけでは難しいと思います。今回も2・3行書くだけでもう不自然に感じています。
 ということで「無理」と判断しています。
 でも、せっかくサキにしては珍しいプロットができたんです。
 このままお蔵入りとしてしまうには忍びなくて、ここにワンシーンだけですがパイロットストーリーということして登場させました。
 そしてまたずうずうしいお願いなのですが、この作品を八少女夕さんの「scriviamo! 2019」参加作品とさせていただきます。
 2作品目ですが参加数に制限は無いようなので。
 夕さんごめんなさい。

 そして最後に補足です。
 サキがこの作品を書いている最中に、夕さんのscriviamo!作品『あの日、庭苑で』がUPされたんですが、それを読ませていただいて驚きました。なんとどちらもヒロインが鏡を覗き込んでいるシーンから始まっているじゃないですか。
 またシンクロしてしてた~というお話でした。

 サキの自己満足作品、読んでいただいてありがとうございました。

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物書きエスの気まぐれプロット エニフ(仮)

scriviamo! この作品は八少女夕さんの「scriviamo! 2019」参加作品です。

エニフ(仮)パイロットストーリー

 エニフは鏡の中の自分を見つめてため息をついた。
 美人とはとても言いがたい。
 髪は真っ直ぐで真っ黒だし、しかも彼の命令で肩の位置で醜く切られてしまっている。
 鼻は小さくて低く、縦よりも横幅の方が大きいぐらいだ。
 唇は薄くて小さく、黒目がちの大きな目は全体のバランスを大いに崩している。
 おまけに浅黒い肌、痩せっぽちで胸も小さくて、その上チビで・・・何もかもが気に食わない。
 彼・・・王には14人の妻、すなわち正室と13人の側室が仕えているが、正室と12位までの側室は、ウェーブした長い髪、縦長の高い鼻、つややかな唇、吸い込まれるような薄い色の瞳、白くて滑らかな肌、均整の取れた四肢と豊かな胸・・・みんなが見とれるほどに美しい。
 自分は13人目の側室なのに、それらのアイテムはどれ1つとして持ち合わせていない。
「それなのにどうして・・・」エニフは小さくつぶやくと、またため息をついた。

 エニフは首都から遠く離れた地方で、第3層民の農民だった両親のもとに生まれた。治世の安定した平和な時代だった。大自然の中で両親の愛情を一身に受けて育ち、この世界の王の寵愛を受けて王の子を産みたいなどと、その時代の女の子にはありがちな夢を抱く、穏やかで、争いごとが嫌いな、どうということの無い普通の少女だった。そしてそんな夢は叶うはずが無い、誰もがそう考えるように、彼女もそう考えていた。彼女は第3層民だった上に、その時代で言う美人でもなかったからだ。
 だが、安定した平和な時代は終わりを告げ、混乱と戦の時代が始まった。運命は常識をはるかに超えて彼女を翻弄した。

 ここはアスピディスケ地方、アルギエバ戦線区、要するにアルギエバ制圧戦の最前線、陣地の中央に作られた10張りの大型テントのうちの1張りの中だ。
 アルギエバは豊かな土地だ。征服すればその地方を含め膨大な領土を得ることができ、その経済効果は計り知れないものがあった。
 王の軍隊の戦力は圧倒的で、当初は威圧するだけで制圧できるいう見方が大勢だった。そのため、王は自身の威信を高めることもできると踏んで、この戦に自らが出陣した。
 いかに王がこの戦を甘く見ていたかがよくわかるが、正室と出産を控えた側室を除いてなんと10人もの側室を帯同させたのだ。10張りの大型テントは帯同させた側室それぞれのためのものだ。
 王は陣地に設けられた王座に鎮座し、夜には10張りのテントを巡りながら戦いを後方から眺めていれば、すべては自分の手中に納まると考えていた。
 だが、思いのほか抵抗勢力の反発は激しく、戦線は膠着し長期戦の様相になった。
 思うように戦況は展開せず、一時は陣地目前にまで敵軍が接近する事態にまで陥った。
 危険を感じた臣下たちは側室や女官たちを次々と戦線から脱出させ、最後にエニフだけを残した。
 彼女は第3層民の出身だったから身の回りのことは1人でできたし、万が一のことがあっても大きな問題にならないということもあったが、彼女だけは残せという王の命令でもあったと聞かされている。
 いまや王の傍に仕える女はエニフと王付きの数名の女官だけになった。
 彼女はできれば他の側室たちと一緒に前線を去りたかったが、1人だけ残せというのが王の望みならばと覚悟を決めていたし、1人残れば王の愛を一身に受けられるのではという思惑もあった。

「エニフ!エニフ!」王の声だ。
「はい」エニフは鏡の前から立ち上がり、急いで入り口の方へ向かった。
 入り口の布を跳ね上げて王が入ってくる。付いている者はいない。
 このテントには王かエニフが呼ばない限りだれも入ってこないから、今は本当に2人だけということになる。
 エニフが走り寄ると王は彼女の小さな体を抱きしめた。
「今日はもうよろしいのですか?」エニフは王の胸に顔を埋めて小さな声で言う。
「よい。軍議も終わらせた。あとはお前だけだ」
「あの、湯浴みは・・・」エニフはすでに済ませている。
「よい、お前はあまり気にならんのだろう?」
「はい」高貴な生まれの正室や第1層第2層の側室たちはとても気にするが、エニフは第3層出身だ。そんなに上品にできてはいない。
 王はエニフを閨へと誘った。

 +++

 エニフはそっと目を開けた。
 何度か絶頂へ導かれたが、王もやはり疲れていたようだ。いつに間にか眠ってしまい、それにつられて自分も眠りに落ちたようだ。
 エニフは寄り添おうとそちらへ体を向けたが、そこは空洞だった。
 あわてて少し体を起こして様子を伺う。
 辺りはすっかり暗くなっていて、隣の部屋との境の布から明かりが漏れている。
 エニフはゆっくりとそちらへ歩いていき、境の布を上げた。
「エニフか?」王がこちらを見た。ゆらゆらとうごめく灯りの中に王の厳しい顔が浮かんでいる。
 部屋の床には大きな白い布が広げられ、そこに幾つもの模様や図が描かれている。さらにその図の上には、赤と青の様々な形をした駒が幾つも置かれている。
「何をなさっていたのですか?」エニフは近づきながら尋ねた。
「戦の段取りをな・・・やってみると面白いものだぞ」
「そうなのですか?」
「ここはわが軍の本陣だ。そしてここはアルギエバの本陣だ」王はそれぞれの駒の説明から始め、白い布に描かれた地形を説明し、昨日の軍議で決めた作戦のシュミレーションを展開して見せた。
「どうだ、こうやってわが軍は勝利するのだ。面白いものだろう?」
 エニフはだまってその様子を見ていたがやがて口を開いた。
「もう一度最初から見せていただけますか?」
「面白いか!よし」王はもう一度はじめからシュミレーションを展開して見せた。
 エニフはやはり黙ってみていたが、やがてまた「もう一度最初から見せていただけますか?」と言った。
 王は驚いた表情と、疲れた表情を同時に見せたが、それでも「よし」ともう一度シュミレーションを展開した。
 だがエニフが「もう一度最初から見せていただけますか?」と言った時には少し怒りの表情を見せた。
「そんなに面白いのか?だが余もそんなに暇ではない。もう一度だけだぞ」
 怪訝な表情で王はもう一度シュミレーションを始めたが、「待ってください」というエニフの声で動きを止め、彼女のほうへ顔を上げた。
 エニフは白い布の上に並べられた駒をじっと見つめていたが、やがて「この駒がこう動いたらどうなりますか?」と1つの駒を動かした。
 王の動きが止まった。
 王もじっとその駒を見つめる。
「ここをその勢力で一気に衝かれると、西側の翼がもがれる」
「こちらの駒があらかじめこう回り込んで、ここで待ち伏せをするとしたら・・・」
「・・・」王は黙っている。
「申し訳ありません・・・」エニフは深く頭を下げて後ずさりをした。
「いや、かまわん!かまわんぞ!エニフ」思いのほか明るい声が返ってきた。
「は?」エニフは恐る恐る顔を上げた。
「エニフ、余の隣に座るのだ。もう一度始めからやり直してみよう」
 ゆらゆらとうごめく灯りの中で、王の顔は輝きを取り戻していた。


「でも、なに?このタイトル。“仮”が付いているし、それに“パイロットストーリー”って?」コハクがモニターから顔を上げた。
「なにってそのままだよ。ヒロインの名前がまだちゃんと決まってないんだ。だから“仮”」エスは慌てたように説明する。
「で、この“パイロットストーリー”ってのは?」コハクは疑問がいっぱいという顔だ。
「この物語はね、長編として構想したものなんだ。だから、どうかなぁ?って感じでチラッと雰囲気だけを書いてあるわけ。だからパイロット。それで長編として書き始めてもいいか判断してもらおうと思って」
「誰に?それにあなたの書き方は、最初から順番に書かないと書けないんじゃなかったっけ?」
「そうなんだけど、この作品だけは例外、短いものだけどプロットがあるんだ」
「へぇ!珍しい。いつも行き当たりばったりで書いてるのに、そんなこともあるんだ。そのプロットは見ちゃだめ?」
「だめ!!!というかそれを見せちゃったら、こっちの楽しみがなくなるもの」
「エニフについては聞かせてもらえるの?」
「少しだけだったら・・・」
 その時、コーヒーメーカーがプシュ~ッと音を立てた。ドリップが終わった合図だ。
 コハクは立ち上がってキッチンへ向かった。

 ***

「で?」コーヒーカップを両手に持って戻ってきたコハクがその先を促す。
「エニフっていうのは星の名前で、“鼻”をあらわすアラビア語が元になってるらしいんだ」
「そんな解説を求めてるんじゃない」コハクは少し語気を強めた。
「ごめん。じゃ、ちゃんと話すね」エスはコーヒーにそっと口をつけた。
「物語は激しい殺戮の夢からヒロインが目覚めるシーンから始まるの」
「お、インパクトあるね」コハクもコーヒーを飲んだ。
「王宮の下働きとして働いていたエニフは、小さい頃から、王の寵愛を受けて王の子を産みたいっていう、その時代の女の子にはありがちな夢を抱く、穏やかで、争いごとが嫌いな、どうということの無い普通の少女だったの。
「彼女の性格については書いてあったね」コハクはなるほどという表情だ。
「パイロットストーリーだから設定も書き込まなくちゃいけないから、ちょっと詰め込みすぎになったかもね」
「エニフの容姿も書き込んであるけど、彼女って今で言うと可愛い系?」
「どうだろう?ま、艶麗な美女ではなかったのは確かだね。だから、もちろんそんな夢は叶うはずは無いとわかってるんだよ。自分は醜いと思ってるから。でもね、信じられないことに、彼女は王の目に留まり、その夢が現実になっていくの」
「王様も濃い味付けばかりで飽きちゃって、エニフみたいなのが新鮮に映ったんだ」コハクは楽しそうだ。
「パイロットストーリーではそうなった後のシーンを書いたんだけど、ここから彼女の本質が暴かれていくんだ」
「というと?」
「エニフは戦術を立てることが得意だったの、まるで戦争の神のように・・・」
「マールス?あのシュミレーションのシーンが始まりだね」
「やがて彼女は側室としてだけでなく、戦争アドバイザーのような立場でも王に仕えていくようになるの。穏やかな性格の彼女は争い事は嫌いなんだけど、王の事は愛しているから、王に求められればアドバイスを止めることはできない。そして王は軍議でそれを自分の考えとして発言するの。あくまで戦争は王が行い、彼女は助言を与えるだけの影のような立場なの。でもその助言は的確なんだ」
「ほほう」コハクが感心したような声を出したのは、ストーリーとしてある程度纏まっているからだろう。
「王は変わられた・・・これまで王の指揮に懐疑的だった将軍たちの評価も変わっていくの。王の役に立つことは至上の喜び、彼女は出し惜しみなくアドバイスを与えて何度も戦争を勝利に導き、ますますその立場を離れられなくなっていく・・・。戦いに勝利するたびに大勢の敵味方が戦死し、やがて自分の立てた戦略のせいで親しい友人や両親までもを失ってしまう・・・彼女は王の軍師としての自分と本来の自分との間で引き裂かれて行く・・・そんな感じかな」
「それから?」
「これ以上は無理!もうしゃべらないよ。で、どうかな?進めてもいいかな?」エスは口角を上げる。
「え?何でそんなことを私に訊くの?」
「だって、そのためのパイロットストーリーだし、そのために呼んだんだし」
 なんてこったい、そういう面持ちでコハクはため息をついた。
「これ、マリアには見せたの?」
「もちろん翻訳して送ったよ。これウェブ小説コンテストの異世界物企画に参加するために書いてるから意見を聞いておきたいんだ」
「異世界物企画?マリアはなんて言ってたの?」
「まだ返事は返ってきてない。マリアも参加するから自分の創作で忙しいと思うんだ。だからとりあえず・・・」
「とりあえず?」コハクはエスの顔を覗き込む。
「ううん、まず、コハクの意見を・・・」エスは慌てて言い直す。
 コハクは諦めの顔になって言った。
「私でいいの?」
「うん!」エスは大きな目をコハクに向ける。
「素人の意見だよ。かまわないの?」
「お願い!!」エスはお願いの顔をした。
「しょうがないなぁ。でも、その前に・・・」コハクは空のコップを持つとキッチンへ向かった。

 おしまい


2019.02.17

追記と解説へ続く(読んでね!)
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