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Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

ここのところ・・・

地震、豪雨、近年災害が多いです。猛暑や酷暑(異常高温)もその一つかな?
ついこのあいだ猛烈な勢力の台風が2つ連続で通り過ぎて行って怖い思いをしたと思ったら、今度は北海道で大きな地震が発生しました。
震度6強(後から7の地域もあったという追加発表がありました)だそうで、中継のヘリコプターから送られてくる映像に写る見渡す限りの地滑りの物凄さに言葉も出ません。
家やサイロや厩舎や、あらゆる建物が崩壊した土砂に流されて見る影もありません。
亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、被害を受けられた方に一日も早く日常が戻ってくることを願っています。
先日まで北海道が舞台の物語を書いていましたし、続きをどうしようか悩んでもいますので、頭の中では北海道がかなりのウェイトを占めています。ユキの生活を想像して余計に思いを入れてしまいますね。

ブロ友の皆さんの中には北海道の方もいらっしゃいます。
心配しています。事情が許せば、状況などを書き込んでいただければありがたいです。
夏バテ、なんて言ってられない状況になってきました。
サキは報道を気にかけながら、不安な時間を過ごしています。

今夜は短い作品をUPする予定だったのですが、どうにもそんな気分になれません、明日にすることにしますね。
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物書きエスの気まぐれプロット(34)3

 読み終えたコハクは一通りの感想を述べた。
 辛辣な部分もあったが、概ね好意的なコメントだったので、エスは少しホッとした。
「で、質問なんだけど」コメントを終えたコハクはエスの目を見て言った。
「え!何?」一旦ホッとしたエスの顔が、まるで圧力を受けたかのように後ろへ下がる。
「この後の構想はどうなってるの?」
「この後は・・・」エスの目はコハクの顔から逸れ、宙を彷徨う。
「この後は?」コハクは逃さない。
「書き上がってからのお楽しみ、ということで・・・」
「やっぱり、何も考えてないんだ!」コハクは断定した。
「そんなことは・・・」
「さすがにプロットぐらいはあると思っていたけれど、どうやらそれも無さそうね?」
「気まぐれプロットだからね」エスは愛想笑いをした。
「なに、訳の分からない事を言ってんのよ!断片ばかり読まされる者の身になってごらんなさい。この続きが出来るのはいつ?」コハクの語気は強くなった。
「それは・・・ウチの気分しだいかな?」
「よくそんな作品を他人に読ませるわね」
「途中で終わったりして、読む気にならないのはわかってるんだよ。だからまずはコハクに・・・」
「私ならいいっていうの?」
「だってコハクはウチが見込んだ読者なんだもの」
「それはありがとう」コハクは大きくため息をついた。
「だって、そうしないと書けないんだ・・・」エスはコハクのため息を待っていたように続けた。
「プロットも無しでいったいどうやって書いてるのよ」ついにコハクは聞いてしまった。
「一般的に小説を書く人がどうやって書いていくのか、ウチは知らないんだけど・・・」エスはベッドに座りなおして語り始めた。
「このMAYOHIGAの場合だと、まず主人公のタカシとユキの出会うシーンありき、なんだ。突然ユキがタカシの車に乗り込んできて『車を出して』と言うの。押し殺した澄んだ声でね。頭の中にそんなシーンがまず有ったの」
「そこから?」
「そう、このシーンを成立させるにはどうしたらいいか。そこからなんだ」
「車に乗り込んでくる理由が必要ね」
「たとえば?」今度は逆にエスが質問する。
「彼女が何かに追われている・・・とか?」
「そうそう!」わが意を得たり、エスはあいづちを打つ。
「でもプロットは無いのね?」エスが調子に乗り過ぎないように、コハクは釘をさす。
「う~ん、あのクリスマスデートまで行くには、まずちゃんと会話のある出会いが必要、でも普通に『こんにちは』ではつまんない、これがプロットだと言えるなら有るということになるのかも」
「それはちょっと・・・」コハクは首を振った。
「でしょ?だからそんなものは無しで、まず彼のシーンから書き始めたの」エスはパソコンに近寄るとテキストの文字を部分的に反転させた。
 コハクは椅子をまわしてモニターを覗きこむ。

 少し霞がかかった大気の向こう、海峡を挟んで平坦な小さな島が見える。
 小型のボートでもあればすぐにでも辿りつけそうな島だが、実際には行くことはできない。
 目の前に横たわる海峡の真ん中には事実上の国境線が引かれているのだ。現状ではあの島は外国ということになる。
 タカシは大きくため息をついた。

「タカシの旅、N岬のイメージを膨らませながら1行1行書き足していくの」

 それ以来、タカシは何度もこの町を訪れ、当てもなく町をうろついた。自分では町の雰囲気を楽しんでいるつもりだったし、確かにこの最果ての地が気に入っていたのだが、心の奥底には少女との再会を望んでいる自分がいた。

「書き足しながら、主人公のタカシはNの町に来ている。そして彼女を探している。そういうシチュエーションを作って、今回はレンタカーを借りさせるの。だって彼女が乗り込む車が必要でしょ?」

 タカシは車に戻るとエンジンをかけ、Nの町に向けてスタートさせた。

「ね!準備が整ったら、後は事件を起こすだけ」

「ヤドヴィガに関しては進展はありません」男の声がした。
 彼女は覚えのある名前に顔を上げた。
 Nの町、市立図書館、閲覧室。
 ちょうど柱の陰になって閲覧室のどこからも気配を消せる一番端っこの一席。
 そこは彼女のくつろぎの場所だった。

「ヤドヴィガは最近読んだ本の中から拝借してきた名前。響きが独特で面白いと思ったの。ポーランドあたりの名前のようだから、使えると思ったんだ。でも、最初はもっと事件性のある展開を考えていて、そこにはヤドヴィガは登場してないの」エスは別のテキストファイルを開けた。

 うっかり眠り込んでいたようだ。
 彼女は目を覚すと起き上がろうとしたが、途中でその動作を止めた。
 奇妙な緊張の気配がその場を覆っている。
 緊張は彼女を急速に覚醒させ、それまでの記憶が戻ってくる。
 そう、彼女は今大きな倉庫の小屋裏にいて、積み上げられた段ボール箱に寄りかかって座っている。
 ここは彼女のくつろぎの場所だった。
 学校で嫌なことがあると、時々授業をボイコットするのだが、そんな時の行き先は大概ここだ。
 木造の古い倉庫はもう半分打ち捨てられ、寄りつく人もいない。ましてその小屋裏の小さなスペースを覗いてみようという物好きなど、この世にはまず存在しない。彼女はそう考えていた。
 膝の上にはクリーム色の背表紙を上にした文庫本が乗っている。ジャケットも帯も無いむき出しの表紙には、3文字の片仮名と作者名だけが印刷されている。プラチナブロンドのヒロインが登場する物語で、その髪色は彼女と同じだった。
 彼女は本を膝から取り上げながら耳を澄ませた。

「なぜこれを没にしたの?」コハクが訊いた。
「単純に犯罪を絡めてもつまんないと思ったんだ。だからヤドヴィガを登場させて、謎の部分を多くして・・・」
「で、謎の中身は考えてないと・・・」コハクが突っ込む。
「・・・」エスの言葉が止まった。
「ほんっっ・・・とに行き当たりばったりだね」コハクは呆れ顔だ。
「だって、プロットなんて書けないよ。そんなに先へ先へアイデアなんか出てこないんだもの。1行1行じっくり書いて、それを何回も読み返して、想像して、やっと出てくるんだ。そしてそこまでは物語の断片としては出来上がるんだけど、やっぱりプロットは無いんだ」
「言いたいことはだいたいわかった。でも、まだ納得いかない。よくそんなものを発表できるね」
「最後まで書いてから発表すればいいんだけど、そんなことしていたら1年くらいブログが更新できないんだもの。だったらリスクを取っても上げちゃったほうがいいかなぁって。そしてその方が『書かなきゃ!』って思うし、その切迫感がないと書けないというか・・・」
「いい度胸ね。そこだけは感心するわ」コハクは立ち上がった。
 そして扉へ向いながら「コーヒーでも入れようか?」と言った。
「あ、まって、ちょっと胃がもたれてるから、コーヒーは遠慮する」
「胃の調子が良くないの?」コハクの声が少しだけ心配げに変化した。
「尋常なく暑かったからね。食べれるんだけど」
「じゃぁ、ホットミルク?」
「それで我慢しようかなぁ?」
「我慢?しょってるんだから・・・」コハクは少し顔を歪めた。


2018.09.08
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サキの気まぐれポロット?

サキの気まぐれポロット?
(サキの近況などをポロッと・・・)

 長い夢を見ました。
 サキはあまり鮮明な夢を見ることは無いのですが、目覚めたときははっきりと覚えていました。
 心臓がドキドキしていました。
 長い物語でした。
 激しい導入部分、実はそれが夢だったというちょっとありきたりなオチなのですが、実はそこから物語が始まります。
 キャラクターの名前、境遇、容姿、目覚めた時ははっきりと意識の中にありました。
 もちろんサキの作品の例にもれずヒロインなのですが、彼女がどういう環境の中に生き、どんな矛盾を抱え、どんな人間に囲まれながら生きたのか、ザッと流すようにではありますが、サキ自身が経験したように思います。そして何故か、これからどうなって行くのか、箇条書きの書面(?)まであったように記憶しています。
「ああ、こんな風に生きていくのか・・・」そう思った記憶もあります。
 そしてその書面からエンディングも充分に想像できたのです。
「こんなエンディングなら物語として書いて面白いかも」サキはそんなふうにまで思いました。
 それは彼女の人生の一部分を切り取った長い物語だったのです。

 ですが、サキは目覚めたあと、闇の中で青くなりました。
 夢ですから当たり前ですが、記憶がどんどん希薄になるんです。
 あっという間にヒロインの名前が出てこなくなりました。登場人物しかりです。
 布団の中で夢の基幹部分を何度も反芻します。
 でも反芻を繰り返すたびに、出てくる内容は減っていきます。
 とうとうサキはベッドから起き上がり灯りを付けます。
 明るくなると内容は更に希薄になり、細かい部分から失われていくようです。
 枕元に置いていた紙とペンを取り、乱暴な字で記憶にある事を思い出す順番に書きつけて行きます。
 汚い字が余計に汚くなって、もうサキ以外の人間には読めそうもありません。
 書きなぐった文字を丸で囲み、それが幾つか並んだら矢印で繋ぎ、そこへ部分的な注釈を書き込み、さらに内容を書きなぐり、大まかな流れに沿ってセンテンスに丸数字で順番を入れ、さらに文章で詳細を補い、矢印を入れ、バツで消し、丸で囲み、さらに書き足し・・・もう必死です。頭の中が熱くなっているのがわかるくらいです。
 30分程そうしていたでしょうか?
 サキはベッドをでて机に座り、スタンドを付けるとパソコンの電源を入れました。
 そしてその暴れまくったメモを見ながら、テキストを打ち込んだのです。
 今度はゆっくりと内容を整理しながら物語の進行に沿って、順番通り、物語の根幹を記録していきます。忘れてしまったことはそのままにして、記憶に残ったことを元に組み立て直します。
 さらにその場で思いついたことも補足しておきます。
 やがて、夜も白々と明け始めるころ、あの長い物語がこんなになってしまうのかと、がっかりするほど短いテキストファイルが出来上がりました。たぶんあの夢とは内容が大いに異なっているのでしょうが、やれやれ、サキはとりあえず安堵のため息を漏らしたのです。
 でも、その時になってサキは初めて気がつきました。『これって、プロットじゃね?』
 
 そうです。そこに有ったのは長い物語(中編くらいでしょうか?)のプロットとも呼べる文章だったのです。
 いやいやいや、これはサキが初めて書いた本物のプロットなのかもしれません。
 これならオープニングからエンディングまで、おおまかな物語の流れがほぼ網羅されています。
 あの箇条書きの書面の内容を全部覚えているはずはありませんから、エンディング部分が不完全ですが、ここは色々なバージョンに変更がききそうです。
『やったね!』サキはその時は微笑みました。

 ところがです。
 いざ書き始めようとすると、書く気がまったく起きないんです。
 あのドキドキはなんだったんだろう?
 考えるに、あのドキドキを起こしたドキドキシーンの記憶が抜け落ちているのです。
 淡々としたストーリーの流れがあっても、ドキドキしない物は書けないのです。
 いつもサキはドキドキシーンから書き始めますからね。そして今回とは反対に、いつもはストーリーの流れは出来上がってないんですけど。
 ヒロインの名前を忘れてしまったのも痛いなぁ・・・。
 ここのところ、サキはこのドキドキシーンを創り出すべく(あるいは思い出すべく)頭を捻っています。
 これが出てこないと、このまま没になってしまうのかなぁ?
 こんな事は初めてです。ああ、創作は難しい。


2018.09.27
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プロフィール
こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。

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Author:山西 左紀
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