Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

「君の名は」を見たよ

「君の名は」を見たよ。
今頃かよ・・・と言われそうですが、まだ見てない方はネタバレがありますので注意してください。
なんてね。サキはついにレンタルディスクを借りてきてゆっくりと見ることができたんです。
実は映画館で1度は見たのですが、なかなか1度では全てが頭に入りません。
ようやく納得できるまでストーリーを追いかけることができて(何回も見ました)、色々と妄想を抱いたり感想を持ったりすることができました。
たとえば、もしサキがエンディングを作れたとしたら、こういうエンディングにしたかなぁ・・・とか。

(エンディングテーマが流れはじめる)
通勤電車、ドアの窓の傍に立つ彼
通勤電車、ドアのまどからぼんやりと外を眺める彼女
彼女、ハッとなって窓の外に視点を合わせ、目をみはる
窓の外、並行して走る電車の窓に彼の横顔
彼の視線がふと窓の外に向けられる
ハッと目をみはる彼
電車は並行して走り続ける
ジッと見つめ合う2人
電車がゆっくりと離れ始める
「ずっと誰かを」
「誰かを」
「探していた」2人がお互いを認識したその瞬間
並行して走る電車の間に対向する電車が割り込む
すれ違う電車の風圧によるドンという衝撃と共に、お互いは視界から消える
青空・タイトル
ここでブラックアウト
(エンディングメインテーマが始まる)
エンドロール
こんな感じかな?

本物の映画では、この後2人は電車を降りてお互いを探して街の中を駆け回り、ついに階段の上と下で相手を発見するんです。そしてドキドキしながら、なぜか2人はいったんすれ違い、意を決して彼が振り返り、声をかけ、彼女も振り返り、あの「君の名は」の台詞をかけ合うのです。(その時の彼女の一瞬の間や、笑顔も素敵です)
青空・タイトル
そしてブラックアウト
エンドロール
・・・となるんですけれど、サキだったらこの部分をカットしていたかも、そんな風に思いました。
電車を降りてから駅を出て、お互いを探して町の中を駆け回るって、ちょっと不自然じゃありません?
いや、もっと前、少しシーンを入れ替えてから、雪の降りしきる歩道橋で2人がすれ違ったシーンの後でエンディングはどうかな?
でも並走する電車のシーンは入れたいし、これではあまりにも素っ気ない?
ああ、でもやっぱり本物のが良いかなぁ。
そりゃそうですよね。これが世界で通用したエンディングなんですものね。
ハラハラしてから、よかった~ってなりますもん。確実に2人が出会うことがわかりますしね。
サキはハッピーエンドが大好きとか公言しておきながら、何を意地悪なエンディングを考えてるんだろう。
でもなんだかこのすれ違い、日本的なストーリーなんですよね。
これが世界的な大ヒットを飛ばしたんですから、世界もようやく日本に追いついてきたというところでしょうか。
これをハリウッドでリメイクしたら、と考えるとぞっとします。

そしてあくまでも無責任な自分勝手な妄想だということを前提として、あらためて思ったのです。
サキが書いた作品の中に「シスカ」という作品があるのですが、瀧が三葉の中で目覚めたときの様子、なんだかショウがシスカの中で目覚めたときみたいだなぁって。
あの自分が自分でないという混乱、自分の体を確かめる様子(さすがにオッパイをモミモミするシーンは書けませんでしたが)、そしてなんとトイレのシチュエーションまで、同じだ~!
でもサキが真似をしたんじゃないですからね。
「シスカ」の発表を始めたのは2010年のことですから。
こういう勝手な妄想は楽しいものです。責任もありませんしね。

でもね、やっぱりこの作品、素敵です。そして面白いです。
たくさんのレビューがありますから、細かい部分のサキの感想には触れませんが、ようするにレベルが違います。
もう一度見てみようと思いますから。
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「ハイジ」の胸キュン?

今度はハイジ~?クララやペーターまで?
これはこれは・・・この間散々叩かれていたのに、またいかにも物議を醸しそうな。
これはあきらかに狙ってますね。
こういうの、火中の栗を拾う・・・って言うんですか?
ちょっとニュアンスが違うかな?

でも可愛い!
キュンときますね。
もちろんサキは大丈夫ですよ。
いろんな意見があるとは思いますが、サキは許せます。



再生出来ない方はこちら、
https://youtu.be/QqCiCnLqzPw
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「君の名は」を離れるために

サキはまだ「君の名は」を離れていませんでした。
一応は完結し、物語は終わっているのですが、どこか頭の隅の方に残渣が残っていて、完全に整理というか納得できてなかったんです。
サキはこういうところは凄く粘着質なので、納得のいく回答を求めてしまうんですね。
ですから、サキは自分の作品がほとんど書けていません。(何を偉そうに言ってるんだか)
ということで(どういうこと?)「君の名は。Another Side:Earthbound」という本を手に入れてきました。
この本は「君の名は」のサイドストーリー集という位置づけの本なのですが、結構ストーリーの本質に迫る部分もあるようなレビューもありましたので、そういう事ならしょうがない・・・ということで買ってしまいました。
すっかり制作側の思うつぼにはまっていますね。
なおこの本、映画や本編に接していないと意味不明ですのでご注意ください。

170915_君の名は。Another Side Earthbound

以下、ネタバレにある程度配慮しながらの感想です。
本は4つの短編で構成されています。
第1話「ブラジャーに関する一考察」(なに?このなめたタイトル)
第2話「スクラップ・アンド・ビルド」
第3話「アースバウンド」
このあたりまではラノベ風(?)に書かれた主人公たちのサイドストーリーで、それなりに楽しめました。

1話は三葉(中身は瀧)、2話は勅使河原、3話は四葉を主人公に書かれているのですが、三人の心情、考え方などが本編のストーリーの中でどのように変化していったのかが描かれていてとても興味深かったです。
三葉なんか、入れ替わりが起こった状態での展開ですので、学校での出来事などツボにはまっていて面白いです。

そして何より面白かったのが、第4話「あなたが結んだもの」でした。
これは三葉の父親、俊樹が主人公の一編なのですが、サキがもっとも疑念を抱いていた、彗星の落下というとてつもなく稀で、突発的な出来事から、なぜ糸森の町民が避難できたのか。このとても信じられないような行動がとれた理由が書かれています。
民俗学者である俊樹と三葉の母・二葉の出会いから始まり、宮水神社の存在理由にまで遡る壮大な歴史が語られ、すべてがこの物語の結末に向けて用意され、そこに向かって調和していく様子が語られます。
「あるべきようになるから・・・」という二葉の言葉が生きてきます。
良く考えたらこの俊樹という人、物凄い葛藤の中を生き抜いてきた人なんですね。研究熱心な民族学者として宮水神社を調査に訪れ、二葉と出会い、結婚して宮水になり、三葉と四葉の父親になり、二葉と死別し、宮水家を出て、町長になり、そうか・・・それでか。
これでストン・・・と納得できました。
不自然に思っていたエンディングまで、それなりに納得できる展開に思えてきました。
あ、こういう事ね・・・と。
ここまで壮大な設定を考えたうえで、あの映画が成立しているとしたら、これは凄い事ですよ。
しかも映画の中ではこんな事情はほんの断片しか語られず、父親の俊樹なんかほとんど腹黒い政治家としてしか描かれていません。この人物にこんなに大きな役割があったとは、そして三葉の母・二葉にも、さらに三葉や瀧にも・・・驚きです。
あ~面白かった。

さて、そろそろここから離れて自分の物語を書こうかな。
あ、その前に“あれ”を片付けないと・・・
なんのかんの理由を付けて、なかなか書こうとしないサキでした。

2017.09.16
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自己中エスの気まぐれスレッド

「来たよ~」コハクはリビングに入った途端に立ち止まった。
 エスはリビングのフローリングにへたり込んで背中を見せている。振り向きもしない。
「来たよ」コハクはエスに近づき背中越しに覗き込んだ。
「なんだ、コハクか」エスは振り向きざま、明らかに迷惑そうな顔をした。
「何よ。来いって言うから来たんじゃない」コハクは少しムッとしながら言った。
「え?呼んだっけ?」エスはキョトンとした顔をした。
「ふう」コハクは大きくため息をつく。「で、何やってるの?故障?」
 エスの前には座布団が置かれていて、その上にはエスのパソコンの黒い筐体が横たわっている。サイドカバーが開けられていて中身がむき出しになっていたので、コハクは故障でもしたのかと考えたのだ。
「ううん・・・」エスはどう説明しようかと一瞬迷った様子だったが、覚悟を決めた風に横に置いてあった小さな箱を取り上げた。「これをね。買ってきたんだ。中古だけどね。あたりまえか」なにやら1人で納得している。

DSCN3546_2.jpg

「これってパソコンのCPU?」箱にはIntelやi7の文字が見えたので、こういう方面には疎いコハクにもそれが何かは理解できる。まがりなりにもコハクは理系女子だ。
「そう。i7だよ。いいでしょ?」
「ふ~ん。でも一昨日の話じゃ新作が上がりそうだから来て、って言ってたじゃない」コハクは少しだけ抗議の姿勢を表してみた。
「そう言えば、そうだったかな?でもごめん、こっちで忙しくて書けてないんだ」エスは気にする様子もない。
「それで・・・?」コハクは感情を抑える。いつものことだし、ここで怒っても無駄なことはわかっている。
「ウチのパソコンはこれまでCore i3だったんだけど、それを今からCore i7に換装するところなの」エスは得意気だが、正直コハクにはどうでも良かった。
 パソコンなんてストレスなく動いてくれていればそれで良かったし、わざわざ部品を入れ替えるリスクを冒して多少の性能をあげるより、買い換えた方がよっぽど合理的だと思っている。エスもそれがわかっているから、さっき一瞬どうするか迷ったのだ。
「それは凄いことなの?」コハクは歩み寄ってみることにした。
「そう。凄いことなんだ。性能は格段に上がるはずだから」エスは嬉々とした表情になった。
 この子がこんな顔をしている時はロクなことが無いんだけど。コハクは眉を寄せた。
「まず・・・」エスは様々なパーツが並んだケースの中にある白いコネクターを引き抜いた。「そしてCPUクーラーを」と中央に陣取るファンの隅にマイナスドライバーを当てた。
「ここを矢印の方向へ90度回してやるとロックが外れるの」とドライバーを回す。それを4カ所ある矢印部分に繰り返し、ファンを手前にひっぱるとCPUクーラーがズボリと取れた。

CPUは高温になりますので、必ずCPUクーラー(ファン)が付いています。CPUを交換するためにはまずこれを取り外さなくてはなりません。
Intel純正のCPUクーラーの場合、ドライバーを差し込む溝がファンの方を向いているのがセットする(あるいはセットされている)時の状態です②。矢印方向に90度回して溝が横を向いている状態①③④で引っ張ると取り外せます。再びセットする時は②の状態にして、取り付け穴にグイと押し込みます。(ダイスケ)

DSCN3553_2_LI.jpg

 下からCPUだろうか、チップが現れた。
「これがCPU、Intel Core i3だね。ソケットに納まってるんだ。そしてこうしてっと」とソケットの横にあるレバー①を起こし、CPUを押さえていたカバー②も持ち上げる。

DSCN3554_2_LI (2)

「これはこのまま取れるんだよ」エスはそのチップをそっとつまみ上げて取り外した。

DSCN3559_2.jpg

DSCN3557_2.jpg (LGA1155)

「この裏側にある金色の部分が、こっちのソケットのピンの部分と接触して信号をやり取りするんだね。LGA1155といって1155の接点があるんだ」エスは大事そうに表面の汚れをティッシュで拭き取ると、裏返してトレイの中に置いた。トレイにはティッシュが敷かれている。

DSCN3548_3.jpg (CPU裏側の接点、ランドと呼ばれる)

DSCN3557_3.jpg (LGA1155)

「さて」エスはi7と書かれた箱を開け、さっき取り外したものと同じ形のチップを取り出した。「これが新しいCPU、Intel Core i7 3770S、4世代前の古いCPUだけどウチのマシンにはこれが精一杯。ここまで来るともう意地だね」エスは自嘲気味に笑った。
「ここの△マークをここと合わせてそっと置く感じね。CPUにはくびれもあるから向きを間違える事はないと思うけど」エスは新しいチップをソケットに収め、ソケットカバーを戻し、レバーを下げ、CPUに圧力をかけ固定する。

DSCN3559_2_LI.jpg

「そして、これね」エスは小さなチューブのようなものを取り出した。
「何それ?」
「これはCPUグリス。こうするんだ」エスはCPUの表面にチューブの中身を少し絞り出し、それをプラスチックのヘラでまんべんなく伸ばしていく。「これでCPUの熱をCPUクーラーに伝えるの。たぶんこれがいいかげんだと熱で壊れちゃう」

実際は指先でグリスを伸ばしたようです。手早く伸ばせますが、均一性や不純物の観点からお勧めしません。ま、これくらいは大丈夫と思いますが。(ダイスケ

「それから・・・」エスはそう呟きながらCPUクーラーをCPUの上に置いた。4カ所の矢印の部分を取り付け穴(上の写真参照)の上に合わせ、少しCPUクーラーをCPUとすりあわせてから、矢印部分をグイと押し込んだ。バチンと音がする。更に対角線上の矢印部分、隣、そして対角線上と、4カ所を押し込んで固定した。
「これはCPUクーラーの電源ね」最後に白いコネクターを差し込むと「はい、一丁上がり~」エスは満足そうに頬笑んだ。

DSCN3564_2_LI.jpg (CPUファンの電源コネクター)

「もう終わったの?」コハクは案外簡単なんだという感想を持った。
「試してみよう」エスは筐体をデスクの上に戻すと、電源コードやモニター、キーボードなどを接続した。そして電源を入れ、パワーボタンを押す。
 ファンが回ると同時に、ピー・ピー・ピー・ピー、けたたましい音が響く。「あれ?」エスの顔が引き締まった。エスは電源を落としてまた入れた。
 ピー・ピー・ピー・ピー、結果は同じだ。「これは・・・CPUかな?」
「壊れているの?」コハクが心配そうに覗き込む。
「このCPUがサポートされているのはマザーボードメーカーのホームページで確認したんだけど、BIOSのバージョンが古いのかな・・・これはちょっと面倒だなぁ」エスは顎に右手を当てた。

エラー音についてはマザーボードのマニュアルにも記載がないのでよく分かりません。システムチェックLEDはメモリーエラーの状態で点灯していたようですが、状況から考えてCPUエラーと診断するのが妥当でしょう。
やはりBIOSのバージョン確認など、情報収集を怠ったエスの無鉄砲な作業がトラブルを招いたということですね。
ここでは省略していますが、実際はメモリーエラーの可能性も考え、メモリーの再装着、最少メモリーでの起動、CMOSのCLEARまで試しています。もちろんすべて失敗しています。(ダイスケ)

「え?だめなの?どうしたら治るの?ねえ」エラー音にコハクの方が慌てている。
「ちょっと黙ってて!」エスはピシャリとそう言うと作業を始めた。筐体を座布団の上に下ろすと、せっかく取り付けたi7 CPUを取り外し、トレイに置いてあったi3 CPUを再び取り付ける。さっきの手順をもう一度繰り返したので、けっこう手間がかかる。モニターなどを接続しパワーボタンを押す。
 ピッ、パソコンは普通に起動した。
「ということは、いよいよCPUかな?」エスは起動したパソコンをネットに接続するとブラウザを立ち上げ、マザーボードメーカーのホームページを覗く。「あ・・・うっかりしてたなぁ。新しいBOISがある」
「え?うっかりって?」
「うん。チェックしておかなくちゃいけなかったんだけど、ちょっと待って」エスはBIOS UPDATEというソフトを立ち上げると首を傾げた。

BIOS(バイオス)とは、コンピュータの電源が入った時に最初に起動するプログラムで、基本的なハードウェアと入出力を制御するためのものです。これがないとパソコンは目覚めません。
エスのパソコンのBIOSにはUnified Extensible Firmware Interface(UEFI)が採用されています。System BIOSの時代と比べて、WINDOWS上からのアップデートが可能になるなど、ずいぶん進歩しています。昔はフロッピーで起動してアップデートしてましたから。(ダイスケ)

「どうしたの?」
「う~ん、このソフトは自動でメーカーのサーバから最新のBIOSを探してきて書き換えてくれるんだけど、このソフト“あなたのバイオスは最新です”って言ってるんだ。前にウチがチェックしたときもそう言ってたから、そのまま行けると思ってたのに」
「え?でも、さっき」
「そう、ホームページには新しいBIOSがあった。さてどっちを信用するか・・・だね。とりあえず最新のBIOSをダウンロードして・・・と」エスはホームページのダウンロードボタンを押した。
「BIOSのアップデートは怖いんだよね。もしBIOSが間違っていたらパソコンが全く起動しなくなっちゃう」
「え?完全に壊れるの?」
「そう、起動しないから直すこともできない。でも新しいBIOSの備考に22nmCPUをサポートって書いてあるし・・・」
「22nmって?」
「プロセスルールのこと、CPUがどれだけ細かく作られてるかってことなんだけど、今のi3 2125 はSandy Bridge 世代で32nm、新しいi7 3770S はIvy Bridge 世代で22nmなんだ。CPUの世代が違うから起動出来ない。そういうことだよ、きっと」
「きっと?いいかげんだね」
「ウチは専門家じゃないんだから、どうしたっていいかげんだよ。BIOS UPDATEが嘘を言っていると判断して、一か八かやってみるよ!」エスは[BUCK UP]のボタンを押して現行BIOSを保存してから、[UPDATE]のボタンをクリックし、さっきダウンロードしたBIOSファイルを指定する。
「大丈夫?」コハクが念を押す。
「ちゃんと確認したから大丈夫なはずだよ。たぶん」
「たぶん?本当にいいかげんだね」コハクは呆れ顔だ。
「エイッ!」エスはかまわずOKボタンをクリックした。
 黒いコマンドコンソールが開き、何やら作業中らしい英語の文字列が表示され。%が増えていく。
 BIOS UPDATEはファイルのチェックを済ませたようでプロセスが進む。
 再起動を促すウインドウが開いた。
 エスとコハクは顔を見合わせる。
「ままよ!」エスはOKボタンをクリックした。WINDOWSが終了し、再起動がかかる。
 ピッ、起動音がして間もなくBIOSの設定画面が現れた。
「やった!BIOSのアップデート成功!」エスがこぶしを上げた。
「よかったね」2人はまた顔を見合わせた。

BIOSアップデートでトラブル(たとえば間違ったBIOSに書き換えてしまったとか)があるとパソコンはうんともすんとも言わなくなり、個人ではもうどうしようもありません。上手くいったから良かったですが、ろくに調べもせず無謀なことをやったものです。「ままよ!」って・・・さすがは突撃少女(?)です。(ダイスケ)

「よ~し」俄然やる気を出したエスは、またまた同じ手順を繰り返し、i3 CPUを取り外し、i7 CPUを取り付ける。
「どうだ!」接続を終えたエスが力を込めてパワーボタンを押す。
 システムチェックLEDが点灯し、ファンが回り始める。
 ピッ、起動音がして間もなくBIOSのシステム画面が現れた。
「ちゃんと認識したみたい」エスが指さすモニターに、Intel Core i7 3770Sの表記が見える。
 WINDOWSが起動する。

やはりトラブルの原因はBIOSが古かったということですね。エスの見立ては当たっていました。Sandy Bridge 世代用に作られたBIOSは、まだ発表もされていないIvy Bridge 世代のCPUを知りませんから、新しいCPUを認識できずエラーを起こしていたという事でしょう。
同じSandy Bridge 世代の i7 2600や2700Kに換装していれば問題無かったと思いますが、エスはサポート範囲内での最高性能を目指していたようですから・・・やっぱり突撃少女(?)です。(ダイスケ)
 
 何事もなかったように、いつもの初音ミクのイラストのデスクトップが表示された。
「やった~!」はしゃぐエスがハイタッチの仕草をした。コハクはとりあえずそれを受ける。
「これでほぼ完了だけど、ちょっと待ってね」エスはシステムからCPUの情報を取り出して並べて見せてくれた。「こっちがあらかじめ記録しておいたi3のだから、並べるとほら!」

i3_2125.jpg (i3)

i7_3770S.jpg (i7)

「なにこれ?いっぱい並んでるね」
「そうi3は2コア4スレッドだからCPUは4個だけど、i7は4コア8スレッドだから8個並ぶんだ」エスはなんだか得意気だ。
「i3は3.3GHzなのにi7は3.1GHzだから遅いんじゃないの?」コハクは画面を見ながら疑問を呈する。
「i7 3770Sは省エネCPUだからね。クロックや電圧を抑えてあるんだ。でもコアとスレッドの数は倍だし、ターボブーストといって処理が増えて負荷がかかるとクロックは3.9GHzまで自動的に上がるんだ。だからi7の方が絶対早いはずだよ」
「ふ~ん」
「待ってよ」エスは何やらまたソフトを立ち上げた。「ありあわせのものだけど、ベンチマークを走らせてみるね」
「ありあわせって、晩御飯じゃないんだから」コハクが笑った。
 少し待って計測を終えると、エスはまた記録してあったi3の結果と並べて見せてくれた。

170917Mark_i3.jpg (i3)

170917Mark_i7_2.jpg (i7)

「確かに、数字はだいぶ上がっているね」コハクは冷静な声を出した。
「でしょ!」やはりエスは得意げだ。
「でも、使ってみた感想はどう?」コハクはエスの顔を覗きこむ。
「それは・・・」エスはすこしの間言い淀んでから続けた。「まだあまり感じないよ。でも高解像度の3D画像やビデオ・写真の編集、3Dゲームとかならかなり早くなってると思う」
「エスは3D画像やビデオの編集、それに3Dゲームなんかする?」
「・・・」エスの答えはない。
「テキストエディターで小説を書いたり、映画や音楽の再生、あとはネットサーフィンぐらいじゃないの?」
「そう・・・かな?」エスの声は消え入りそうだ。
「だったら・・・」コハクは結論を言おうとした。
「コーヒーでも入れようか!」エスは大急ぎでキッチンへと避難した。

コハクの意見は正論です。
コハクは設計事務所に勤めていますから、自分のメーカー製のパソコンにはi7あたりが当然のようにインストールされているのでしょう。
いまどき自作パソコンなんて流行りません。(ダイスケ)

2017.09.19
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“あれ”が終わりました~新作発表です

前の記事に書いた“あれ”が終わったので、その件について忘備録も兼ねて記事にしておこうと書き始めたのですが・・・。
写真を編集したり、注意書きを“先”に書いてもらったりしているうちにちょっと悪戯心を起こしてしまったんですよ。
試しに書いてみると面白くなって、調子に乗って1編の作品が出来上がってしまいました。しかも少し長くなって5000文字以上あります。
ただでさえ読んでくださる方が少ないのに、ますます読者を減らしてしまいそうな作品になってしまいました。
でも、サキとしては一応作品になっているので、ここにUPしておきます。
書きたいものを書く、それでいいのかな?
ということで、今夜はサキの分身である物書きのエス、そしてその友人であるコハク、2人の女性が登場する「物書きエスの気まぐれプロット」の一編です。単独で読んでいただいても大丈夫と思いますので、よろしければ下のリンクからお進みください。

自己中エスの気まぐれスレッド
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プロフィール
こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。
ようこそ!


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アスタリスクのパイロット、アルマク。キルケさんに書いていただいたイラストです。
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左からシスカ、サヤカ(コトリ)、サエ。ユズキさんにイラストを描いていただきました~。掌編「1006(ラグランジア)」の1シーンです。
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