Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

リスタート シスカ

「シスカ」 のこれまでに発表した部分の更新を始めています。
 1話から38話までを1話から順番に更新したものと入れ替えています。まだ全部は済んでいませんが(今日は20話まで済ませました)数日で完了させる予定です。
 細かい部分の追記や校正、あるいは推敲を入れたりしているだけで、1か所を除き内容的には大きな変更はありませんが、その1か所ともう1点、変わっている事があります。
 まずその1か所ですが、18話の最終部分を書き直し、19話の前半部分に大きく追記しています。これはかなり大きな改変で、12000HIT企画で書いた作品「overhead-bin」の視点をヨウコからシスカに変更して本文に割り込ませました。ベクレラとの国境紛争を抱えたイルマの首都、シンキョウでの1シーンです。シスカの幼馴染みのヨウコが、旅を終えてマサゴに帰るシスカにくっついて、高速鉄道に乗ろうとしているところです。
 これによりこれまで1つの記事だった19話と20話が、それぞれ独立して別記事になりました。
 「overhead-bin」を読まれていたら19話を再読する必要はないかな……と思いますが、もし読まれていなければシスカ19話をお読みになることをお勧めします。
 そしてもう1点、サエの母親に名前が付きました。「シユ」といいます。2話から登場している人物なんですが、何度も登場するので名前が必要になりました。適当に付けた名前ですが、サエの生い立ちに係わる裏設定になったりして結構面白かったかも、と思っています。

 「シスカ」は2011年10月1日のブログスタートまでに、たしか十数話分をストックした状態で始めたのですが、何回かの行き詰まりを経てようやく完結できるめどが立ってきました。
 かっこいいエンディングにはなっていないのでサキとしては不満なのですが、エネルギーも尽きてきましたし、この辺が限界です。先にはストーリーに係わる大きな書き直しはしないと言われていますしね。
 初めての長編、終わらせることが最優先かも、と妥協しました。
 長いですし、サキの未熟さから稚拙であることはもちろん、読みにくいですし、くどいですし、一貫性が無い部分もたくさんあることでしょう。整合性すらとれていないかもしれません。(先も見てくれているようで、いい加減になっていることもあるようです)
 ここまで書いたら読む人も居なくなってしまうと思いますが、それでも一人でも多くの方に読んでいただけたら、やっぱり飛び上がって喜んでしまいます。

 既存の38話までの更新が終わったら、いよいよ新作部分の39話からゆっくりと発表していく予定です。
 まだ、最終話まで完全に出来上がっていないので追いつかれるまでにかき上げないと……というプレッシャーがかかってきますけど。これくらいのプレッシャー、かかった方が仕上げていく動機付けになるかもしれません。

 長々と近況、そして言い訳を書いてしまいました。
 お付き合いいただいてありがとうございました。

山西 左紀
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「シスカ」アップデート完了です。

「シスカ」38話までアップデート完了しました。
 現在、エピローグの製作に入ったところです。一応本文は完結しているのですが、エピローグを付け足します。主にサキの自己満足のためなのですが、わかりにくい部分が少しでも解消できればいいかな、と思って付け足しました。
 エピローグ部分の完成の目途が立ってきたところで、新作部分39話から順番にUPしていく予定です。
 1週間に1話ずつくらいのペースになると思いますが、何かイベントがあると間が開くかもしれません。一応UP前に最終確認を入れるつもりですが、何か不備がありましたらこっそりとお知らせいただけるとありがたいです。(もちろんこっそりでなくても大丈夫です)
 サキの文章は読み返すたびに何らかの不備が見つかります。これまでの「シスカ」でも何回も細かい修正を繰り返しています。細かい物に気が付いているくせに大きな矛盾に気が付いていないなど、ほんとうに困ったものです。
 キリがないので今回まとめてアップデートしてしまいましたが、読み返すたびにまだまだ出てくると思います。今回のアップデート以降は自己満足のためだけの変更ですから、告知なしで入れ替えることにします。ストーリーが変わるような変更は告知しますが、一応のアフターケアとしてお知らせするだけで、あまり意味は無いです。
 いよいよエンディングが近づいてきました。サキは上手くいかなかった部分に対する後悔、そしてシスカとの別れに対する寂しさを感じていて複雑です。

 ここまで退屈な文章にお付き合いいただいたお礼に、先の真似をして新作部分の抜粋を予告として置いておきます。いかがでしょうか?
 お付き合いいただいてありがとうございました。



 町外れの大きな建物の前に四輪駆動車が停車した。エンジンを止めドアを開けると冷気が車内を満たしていく。男は確認するように辺りの様子を見渡してからゆっくりと車を降りた。190センチを超えるのではないかと思われる位の大きな男だ。
 3月ももう終わろうとしているのに、ベクレラの極北地方有数の都市チクシはマイナス10度以下の寒気のまっただ中だった。
 辺りにも同じような建物が幾つか固まって建っているが、いずれも人影はない。男はポケットから携帯端末を取り出し、何かを確認するように操作した。
 端末を操作する指はピアニストのように長くて細い。そしてそれに合わせるように手足も長かった。すらりと背が高いのでスタイルは良いはずなのだが、体との長さのバランスが悪いのだ。その体型はたとえるならまるで蜘蛛男、そう表現するのがピッタリだった。



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物書きエスの気まぐれプロット(13)

stella white12 月刊Stella9月号 参加作品

“ひとでなし”ってなに?
人で無いものっていう意味じゃない?ほら、“人で無し”って、ね?
それって神様のこと?それとも悪魔のこと?



エスはエディターの閉じるボタンを押した。
「文章を保存しますか?」のダイアログが開く。
エスは一瞬迷ってから「いいえ」のボタンをクリックした。
「暑い……」エスは背もたれに体重を預けて大きく伸びをした。

2014.08.15

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---39---

 *

 ヨウコは通路を走り抜け、階段を駆け上がった。そしてコントロールルームのドアを勢い良く開けると「リーダー!リーダーは?」と大声でクラモチを呼んだ。
「なんだ?そんなにあわてて」クラモチがミーティングルームから顔を出した。右手にはマグカップが握られ、コーヒーが湯気を上げている。
 ヨウコはツカツカとクラモチに近づくと「リーダー、すぐにシスカと連絡を取って!彼女の携帯にかけられるんでしょう?」と下から見上げるように詰め寄った。
「そりゃ、この船の衛星電話を使えばベクレラの回線経由で呼び出せるが……高いぞ?」どうしたんだ?という感じで見下ろしながらクラモチは口の端を曲げた。
「なんでもいいからやって!速く!」ヨウコはさらに詰め寄った。
 ただならぬ様子にクラモチは後ずさりしながらヨウコの顔を見ていたが、やがてイシダの方に顔を向けた。「イシダ!シスカの携帯に発信してみてくれ」
「了解」イシダはヘッドセットを耳に当てると素早く操作を行った。ほんの短い時間が流れているだけなのだろう、しかしヨウコにはそれはとても長い時間に思えた。
「ダメですね。電波が届かないか電源が切られています」イシダが答えた。
「じゃあ、アツコは!」ヨウコは悲壮な叫びを上げた。
 黙ってクラモチが頷くとイシダはまた操作を始めた。
「同じですね。電波が届かないか電源が切られています」イシダは喋りながら次々と操作を行い、やがて「キリュウもコバヤシも同じですね」と言った。
「どういうことだ?」クラモチが、動きを止めたヨウコの顔を覗きこんだ時、イシダが「あ、キタハラはコールが鳴っています」とクラモチを振り返った。
「貸せ!」クラモチはイシダのヘッドセットを取り上げると耳に当てた。
「オレだ!」
「なんだ?こんな夜遅くに。急用か?」スピーカーからキタハラの声が聞こえる。
「シスカ達と連絡が取れなくなった。そっちに異常は無いか?」
「なんだって?ホテルに着いたというメールは受け取ったが。シスカ達ということは後の3人も連絡が取れないのか?」
「そうだ!そっちには異常は無いか?」
「俺は大丈夫だ。静かなもんだ。だが動きがとれん。なんとかそっちで確認を取ってくれ」キタハラの声は悲痛な物に変わった。
「分かった。外交省の役人を使って動いてみる。キタハラ、早まって動くな!事態を把握するまでそのままだ。いいな!」クラモチの声はいつになく真剣だ。
「了解。自重する。だが、こっちからも呼び出してみる」
「頼む。じゃぁ一旦切るぞ。何か分かったら衛星を使ってもかまわんから連絡をくれ」クラモチはヘッドセットを外すと矢継ぎ早に指示を出した。
「イシダ!お役人に現状を伝えて、こっちへ来てもらってくれ」
「了解、ちょっと行ってきます」イシダは部屋を飛び出していった。
「チョウ、代わりに携帯の呼び出しを続けろ」
「アイ・サー」
「ヤマモト!回線を本部に繋いでCEOを呼び出してくれ。応援を要請する。じいさんも使ってやらんとな。繋がったら俺の部屋へ廻せ。」そう言いながらクラモチはドアへ向かって歩き始めた。そしてコントロールルームのドアを開けながら「何か動いたら俺の部屋だ」と指示してからヨウコに声をかけた。
「ヨウコ!ちょっと付き合ってくれ。訊きたいことがある」
「はい」ヨウコは(まずったな)と思いながらクラモチの後に従った。
 廊下に出てヨウコがドアを閉じると、クラモチは背中を向けたまま口を開いた。
「ヨウコ。なぜシスカ達と連絡が取れないのが分かった?」
 ヨウコは黙って俯いていた。
「言いたくないのか?それとも言えないのか?」
 ヨウコは困ったような笑顔を浮かべた。
 クラモチは振り返ってヨウコの顔をじっと見つめていたが「お前がそれを黙っていることで俺のチームメンバーが危険に曝されることは無いんだな?」と念を押した。
(多分)ヨウコは黙ったまま頷いた。
「わかった」クラモチはそう言うと自分の部屋の方へ勢いよく歩いて行った。
 ヨウコはその後ろ姿に向かってゆっくりとお辞儀をした。

 ヨウコはコントロールルームに戻ると部屋の隅に立ちスタッフの様子を見守っていた。
 ヨウコは言いたいことをたくさん抱えていたが今は黙っていた。
 その時、クラモチが部屋に戻ってきた。
「チョウ!どうだ?」
「だめです。繋がりません」
「そうか」クラモチはチョウのほうを向いて了解の仕草をしてから部屋を見回した。
「ヨウコ。出番だ。すぐにジュナ社長達と連絡を取ってくれ。携帯電話の番号は聞いてるんだろう?」
「もちろんです」ヨウコは当然のように答えた。
「チョウ!番号を聞いて衛星電話を繋いでやってくれ。急げ!」
 ヨウコから電話番号を聞くと、チョウは衛星電話をかけ始めた。
 マザー2のスタッフ達はそれを遠巻きに眺めていたが、ラサ達とも連絡が取れなくなっていることが判ると、コントロールルームは騒然となった。
 ドアが開いてイシダと外交省の役人がドヤドヤと入ってきた。「リーダー!連れてきました。大まかな事情は話してあります」
「おお!すまんな。皆さんこっちへ入ってくれ。事情を詳しく説明する。そして動いてもらいたい事が山ほどあるんだ。イシダ、ヨウコもだ」クラモチはミーティングルームのドアを開けた。
 ヨウコはミーティングルームへ入った。
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テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
 
 

「シスカ」第39話を発表します。

「シスカ」第39話を発表します。
いよいよ新作部分に突入していきます。
今回はエンディングまでちゃんと進んで行き、エピローグまで発表する予定ですので、お付き合いいただければ嬉しいです。
(まだ一生懸命書いているんですが目途が立ってきました……多分)
前にも書いた通り1週間から10日に1話のペースでUPしていくつもりですが、何かイベントが重なったりしたら不規則になるかもしれません。ご了承ください。

新作部分、キーマンとしてメインで動くのはヨウコです。
ヨウコを作り出した時はここまで動き回るキャラクターではなかったんですが、彼女のイメージはどんどん膨らんで大きくなっていきました。
今ではサキにも先にも制御不能になってしまい、まるで自ら意志を持ったように動いてストーリーを展開させていきます。
どんな動きをするのか、お楽しみに!

よろしければこちらのリンクからどうぞ
「シスカ39話」
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バトンいただきました。

TOM-Fさんが受けられてやっておられたバトンです。
面白そうだったので、サキもいつものように受け取ってみました。
キャラに関するバトンなので、ビミョウにネタバレを含みます。本編を未読の方は、ご注意ください。
では、参ります。

1:まずは自己紹介をどうぞ!
「コトリと申します。珍しく完結している作品『254』のヒロイン?ヒロインでいいんですよね?……だそうです」
 あ、でもコトリはニックネームなので本名もお願いします。
 コトリ「はい。本名はミンマヤ・サヤカと言います。でも本名で呼ぼうとしていた人までなかなか本名では呼びにくいみたいなので」
 そうだったですね。しょうがない奴ですよねぇ。
 コトリ「でも、いいんです。コトリの方が」
 はい、ごちそうさまでした。じゃ、つぎの質問。

2:好きな食べ物はなんですか?
 コトリ「えっと、物語の中では、たっぷりのバターとマーマレードを塗ったトーストとかミックスサンドぐらいしか食べないんですけど。あまり食べ物に執着がある方では無いかも知れませんね。でも食わず嫌いはありません、なんでも食べます。コーヒーは好きですけどケーキとか甘い物はそれほどでもないかな?」
 もう少し食事のシーンを作った方が良かったですか?
 コトリ「しょうがないですよ。ストーリーなんだから……」
 ありがとうございます。じゃ、次。

3:ご趣味はなんですか?
 コトリ「仕事が趣味、っていうと格好いいんですけど、趣味が仕事になっただけなのかもしれません。二輪車で風を切って走ることは大好きですし、ここに来てからオートバイをバラすのも大好きになりましたから。エンジンって泣いたり笑ったりするんですよ。そしてもの凄く正直なんです」
 ここってバイクショップ「コンステレーション」のことですね?
 サキも変わってるかな?と思うことがありますが、コトリさんは筋金入りですね。
 コトリ「……」
 すみません。気に障りましたか?
 コトリ「いいえ。わたしも自覚はありますから」
 親父さんからもらったバイクは今でも?
 コトリ「MOTOAERO254ですか?ええ、まだ乗ってますよ。でも今は遠乗り用にDEZMO720も持っています。なんとダッシュ5だよ!いいでしょ?」
 い……いいでしょと言われても、リアクションに困りますけど……。
 じゃ、次の質問。

4:意中の人はいますか?
 コトリ「意中って、いたってことになるんですよね」
 ま、そういうことなんでしょうね。サイダーが取り持つ縁ですね。
 コトリ「サイダーですか?ふふっ、細かいことまでご存じですね」
 当たり前でしょ?作者なんだから。夕さんのお題ですよ。
 で、いかがですか?新婚生活は?
 コトリ「ええ、幸せにやっています」
 ごちそうさまです。羨ましいなぁ。
 コトリ「サキさんは意中の人はいらっしゃらないんですか?」
 え?何を質問しているんですか?今日はそういう趣旨のバトンではないですよ。つ、次の質問にいきましょう。

5:パートナーをどう思いますか?
 コトリ「そうですね。もう彼の居ない生活は考えられない。そういう表現がピッタリなんでしょうか。実際彼が居なかったら、わたしはここに戻ってこれたかわからないですから」
 そうですね。色々有りましたからね。大変なことが。
 でも愛してるんですね。彼のこと。
 コトリ「……」
 あ!赤くなってますね。なんて羨ましい。焼いちゃいますね。
 彼はまだスクーターに?
 コトリ「彼はEXP600という大型バイクに乗っています。例の600マイルを走った時に親父さんから借りたバイクなんですけど、そのまま上手いこと売りつけられてしまったんです。やっぱりオートマチックなんですけれど……」
 では先ほど出てきたコトリさんの720と一緒に遠乗りに出たりされるのですね?
 コトリ「ええ、実は……」
 わ~~~~!ストップストップ!!!禁則事項です。

6:バトンご指名っていうことで誰を指名しますか!?
 コトリ「いつものとおりで、いいとおもいますが」
 では、フリーということで。我こそはという方、ご自由にお持ち帰りください。
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---40---


 *

「サエ!サエ!ちょっと」階下から響くシユの声に、サエは自分の部屋から顔を出した。
「何?かあさん。そんなに大声を出して」
「降りておいでよ!テレビテレビ、速く」切羽詰まったシユの声にサエは階段を駆け降りて部屋に飛び込んだ。
 画面には建物が写っていて、その前では記者がレポートを読み上げている。
「……作業を中止し、現在オルガ港へ向かって航行しています。作業を中止した理由などについては明らかにされていません。以上キタカタ海洋開発本社前からお伝えしました」画面が切り替わり、パーソナリティと解説者が登場した。
「原油の流出を止める作業のために、ガス試掘井のオルガⅢで作業にあたっていた調査船マザー2は突然作業の中止を発表して現場を離脱、現在最寄りのオルガ港へ向けて航行を続けています。レポートにも有りましたように原因についての発表は有りません。ではここで一旦コマーシャルです」画面はコマーシャルに切り替わった。
「マザー2が作業を止めたということ?」
「そうみたいだね」
「どういうこと?何が有ったのかしら?」
「ニュースでは何も言ってなかったよ」2人は心配げに顔を見合わせた。
 コマーシャルが終わり画面はニュースに切り替わった。画面ではパーソナリティと解説者がこれまでの状況を詳しく説明し、解説を加え始めた。しかしそれは推測の域を出ず、2人にとって知りたい情報についても言及は無かった。
「かあさん、私キタカタ海洋開発の本社に行ってみるよ。何かわかるかもしれない。報道陣も集まってるみたいだし」サエはそう言いながら立ち上がった。その時、ガタガタ……サエは店の入り口の方で音がすることに気が付いた。
「かあさん、店の方で何か音がする」
「何だろうね?」2人は部屋の戸をあけて食堂の方を覗き込んだ。入り口のくぐり戸がガタガタと揺れている。どうやら誰かが叩いているようだ。ガラス越しに人影も見える。
 サエは食堂に下りるとくぐり戸に近づいた。ガラス越しに覗きこむと、数人の店の常連の顔が見える。ホッとした顔になってサエはくぐり戸の鍵を開けた。
「サエちゃん!マザー2はどうしたんだ?何か有ったのか?シスカとアツコ、それにヨウコも乗ってるんだろう?大丈夫なのか?」入ってくるなり常連の1人が訊いた。
「そうだ。どうなってるんだ?」後から入ってきた常連も訊いてくる。その後に数人が続けて入ってきた。そして口々に3人の安否を尋ねる。
「それが……」サエは曖昧に返事を返すしかなかったが、裏の玄関のチャイムが鳴ったのでそちらを振り返った。
「はいはい」今度はシユが裏手へ回り、同じように近所の店の連中を引き連れて食堂へ入ってきた。そして先に食堂に居た連中と顔を会わせると口々に挨拶を交わし、サエやシユに質問を投げかけ、壁に掛かっているテレビを勝手に点けて銘々が椅子に収まった。後から入ってきた者も含めて、その人数は30人を超えている。アツコやヨウコの名前と共にシスカの名前も聞こえてくる。
 シスカの心配をしてこれだけの人が駆けつけてくれている。もちろん、この店に縁の深いマザー2の関係者、特に女性陣の心配をして集まってくれたのだろうが、そのことを差し引いても、小さい頃からずっと孤独なシスカを見てきたサエにとっては驚きだった。
(シスカ、こんなにたくさんの人が心配してくれているよ。無事でいなかったら承知しないから)サエは眼頭に熱い物を感じていた。
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シスカ40話の発表です。

 今回のお話は短いです。
 サエとサエの母親シユが経営する食堂「19番」が舞台で、サエとシユの2人と「19番」の常連客、近所の人達が登場しています。
 サエはシスカと同い年で、小学校3年生の時にシスカがクラスへ編入してきて以来の幼馴染、そして親友と言える人物です。サエはセミプロの歌手として歌っているシスカのプロデュースもしています。それだけ気が置けない仲というわけです。
 同様に親友と言える人物にアツコが居ますが、今回は話題の中にしか出てきません。

 サエは早くに父親を亡くし、母親のシユと母一人子一人の環境で育ってきています。
 本編では出てこない予定ですが、父親は国境紛争で戦死しています。しかもシユはイルマの出身ではありません。東域系ではありますが隣の小国の出身です。そういう環境が人付き合いの悪いシスカと何となくウマが合う原因かもしれませんね。

 ところで「19番」ですが、いったいどういう意味があると思われますか?
 有名なスポーツ選手の背番号とか、記念すべき数字とか、いろいろ曰くがありそうですよね?
 でも実はサキにもなぜ「19番」なのかわからないんです。どうやって命名したんだろう?全く記憶にありません。先に訊いても「最初から19番だったぞ。お前が決めたんだろう?」って言われます。どうせ適当に決めたんだと思うのですが、適当だったのかどうかもわからないというのはどうも気になってしょうがないです。

 さて、今回は発生した事件の輪郭が少し描かれます。
 そして41話でその全体の姿や形が見えてくることになります。
 物語は少しずつ進んでいきます。


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シスカ40話
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これまでの「シスカ」

いいかげんな作者のために混乱なさっている方へ……。
2014.09.01登場人物にヨウコが抜けていました。追記しています。

 ひさしぶりの「シスカ」再開ですので、38話あたりまでのあらすじを整理しておきました。読み進める上でネタバレにはならないようになるべく配慮してありますが、保証の限りではありません。エピソードなどもかなり端折っています。ご了承ください。どんなだったかな?と思われた場合に参照していただければよろしいかと……。



 ある朝、主人公は自分が全く記憶にない別な人物になっていることに驚きます。
 鏡に映る自分は真っ白に輝く髪とオッドアイ(左はライトブルー・右は焦茶)を持った女性だったのです。
 困惑する彼女は幼馴染みの親友サエに助けてもらいながら、自分がシスカという名前であること、ヘリコプターの整備士であること、そしてセミプロの歌手でもあることなどを徐々に理解していきます。



 ここはイルマ国の国境の町マサゴ市、時代はベクレラ連邦との国境紛争の停戦から18年経った頃です。国境紛争はまだきちんと国境の確定していなかったキタカタ(ベクレラ名:オルガノ島)で石油と天然ガスが発見され、開発の為にイルマがマサゴ村、ベクレラがオルガ村を市として開発を始めたことがきっかけで始まり、4年ほど続いています。しかし両国とも国力を使い果たしてこの戦争を支えきれなくなり、島の真ん中を直線で半分に切ったような今のこの国境線でお互いに仮に納得して、とりあえず矛をおさめ、それ以来、奇妙な停戦状態が続いています。

シスカの世界

 本編の主人公シスカは国境紛争の始まった頃、たぶんベクレラのオルガで生まれ、紛争の混乱で家族と離れ離れになったのだろうと推測されていますが、本当のところは不明です。戦後マサゴ市で保護されていますが、記憶を無くしていますし、精神的にも問題を抱えています。これが冒頭の驚きの原因のようです。



 そんな折、石油と天然ガスの調査をしていたイルマの海洋調査船マザー2に対する浮遊機雷による爆破事件が起きます。
 その事件に係わる中でシスカは義父や親友や仲間達と出会い、混乱の中で徐々に自分というものを形作っていきます。
 この段階でもう1人の幼馴染みヨウコがお話しに加わってきます。

 間もなくベクレラ連邦の天然ガス試掘井オルガⅢで爆発事故が起きます。大量の石油とガスが漏れ出す大事故で、漏出停止処理に失敗したベクレラは面子に拘る余裕を無くし、近隣国中で最高の技術力を持ったマザー2チームに処理を依頼してきます。
 国益になると判断したイルマ政府はマザー2チームの派遣を決定します。そして調査船マザー2に積載される形でシスカの乗務するヘリコプターAW289も派遣され、シスカも義父キタハラと一緒にマザー2の乗り組むことになるのです。
 さらに通訳兼看護士としてヨウコもマザー2チームに採用され同行します。
 マザー2は天然ガス試掘井オルガⅢに到着し、復旧作業チームは作業の準備のためにシスカのヘリコプターでオルガ市へ向かいます。
 オルガ市ではシスカの出生の謎が少しずつ解き明かされていきますが、異常事態が起きます。
 復旧作業の要となる潜水艇の乗組員、オペレーター、シスカの4人、さらにベクレラ側のサルベージ要員の行方がわからなくなってしまったのです。
 作業を続けられなくなったマザー2は現場を離れ、オルガ市のオルガ港へ向かいます。39話へつづく……こんな所でしょうか。



 以下は主な登場人物の紹介です。

キタハラ・シスカ:本編のヒロイン、プラチナ(というよりほとんど白)の髪、左はライトブルー右は焦茶の目を持つ女性。マサゴ市に住んでいる。ヘリコプターの整備士であると同時にセミプロの歌手でもある。年齢は20代前半。ショウという少年の人格を内部に抱えて一時混乱したが、取り巻く人々に助けられ立ち直ろうとしている。

ヤマネ・ショウ:シスカのもう一つの人格。高校生の少年。シスカの脳内世界に存在していたがシスカの世界に現れる。今のところシスカと共存している模様。

シキシマ・ミユキ:シスカの脳内世界の住人でショウの友人、可愛い女子高生。

サエ(20代前半):シスカの幼馴染みで親友。マサゴ市で母親と一緒に「19番」という食堂を経営している。シスカの歌のプロデュースもしている。

シマ・アツコ(20代前半):海洋調査船マザー2の潜水艇のコパイロット。学生時代からシスカとルームシェアをしていた同級生。今でもシスカと同居している。元気いっぱいの可愛い女性。

アキヤマ・ヨウコ(20代前半):シスカの幼馴染。シスカがショウの記憶を確認するために首都のシンキョウ市へ出かけたときに出会い、そのままシスカに付いてマサゴ市にやって来た。

キタハラ・ロク(40歳位):シスカの義父、ヘリコプターのパイロット。シスカとチームを組んでヘリコプターに乗務する。

クラモチ(30歳位):マザー2チームのプロジェクトリーダー。190㎝はあろうかというがっちりとした大男。

コバヤシ・レン(31歳位):マザー2チームのプロジェクトサブリーダー。冷静沈着。

キリュウ(30歳位):海洋調査船マザー2の潜水艇のパイロット。アツコの上司。

ラサ:タカジュナ(31歳位):ベクレラ連邦オルガ市のサルベージ会社の社長。建前上今回の事故の処理を依頼したことになっている。ブラウンのショートカットの髪、ライトブルーの瞳を持ったボーイッシュな女性
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プロフィール
こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。
ようこそ!


頂き物のイラスト

アスタリスクのパイロット、アルマク。キルケさんに書いていただいたイラストです。
ラグランジア
左からシスカ、サヤカ(コトリ)、サエ。ユズキさんにイラストを描いていただきました~。掌編「1006(ラグランジア)」の1シーンです。
天使のささやき_limeさん2
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