Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

*アスタリスク(バルキリーの選択)-2

 オレはトレーニングセンターの扉を開けると外に出た。いつものように午後の2時間を使ってトレーニングのルーチンをこなしたところだ。職業柄、体を鈍らすわけにはいかないので、オレはここのプレミアムメンバーになっている。
 シャワーに時間を取りすぎてしまったな。そう思いながらスロープを下ったオレは、ミラクとの待ち合わせ時間に間に合わせるために、少し早足でチューブの駅に向かった。髪をツインテールに纏め、薄い色のサングラスをかけているので、オレの素性が知れることは多分無いだろう。大丈夫、大丈夫。
 今朝ミラクは出勤する時、玄関のところで名残惜しそうにしていた。だから、オレ達が始めて出会ったフードコートのビアホールに飲みに行こうと誘ったんだ。ミラクはとたんに顔が明るくなって、機嫌良く出勤していった。わかりやすい奴だ。
 奴が出勤してからオレはショッピングセンターが開くのを待って出かけた。せっかくのデートなのに、定番のフライングジャケットとショートパンツっていうわけにもいかないな、と思ったんだ。店の子と相談しながらノースリーブの上着とミニスカートを選んだけど、正直、そういうセンスは無いので似合うかどうかなんて分からない……。
 チューブが接続駅のホームに滑り込む。オレの心臓はもうすでに鼓動を速めている。奴を意識の中心に置いているからだ。おまけにトレーニング後半は水分を控えていたせいで、のどがカラカラだ。Coffin(競争艇)に収まってスタートを待っている気分?そういう感じだ。エスカレーターを下ってトラムのホームに出る。そろそろ約束の時間だがミラクの姿は無い。オレはベンチに座ってトラムがホームに入ってくるのを待つことにした。
 約束の時間を少し過ぎた頃トラムがホームに到着した。開いたドアから降りてくる乗客に混じってミラクの姿が見える。オレの心臓はさらに鼓動を速める。スタート10秒前のコールが聞こえた時みたいだ。オレだと分からなくては困るのでサングラスを外す。「ごめん。少し遅れた」奴が近づいてくる。「Go!」オレは奴に駆け寄って、あまり厚くない胸板に頭を突っ込んだ。

 仕事を終えようとタイピングを続けていたオレに、明るいブラウンの髪をボブにしたスラリとした美人が声をかけてきた。
「ミラク、今日は空いてる?」ミナガワ・ヤスコだ。一応同僚ということになるが、事業部が違うので品質保証関係の部署に所属しているということ以外はオレにはわからない。わかっているのは、この前のビール発売イベントをドタキャンした本人だということだけだ。
「いや、ごめん、ちょっと先約があって今日は空いて無い」オレは一応残念そうに言った。
「なんだぁ。残念。じゃぁおたくの部長でも誘おうかな」
「部長ならさっきあがってロッカーへ行ったよ」
「そう!じゃぁまだ間に合うわね」彼女は大急ぎでオフィスを出て行こうとして振り返った。
「ミラク?今日はちょっと愛想が悪いんじゃない?何かあった?」
「いや。別に」オレはつい伏し目がちになった。
「先約って女性かな?」とオレの顔を覗きこんでくる。オレが黙っていると。
「ま、いっか。じゃ、またね」彼女はドアの向こうに消えて行った。
 オレは大急ぎで仕事に段取りをつけ、帰り支度を終えるとトラムの停留所に向かった。待ち合わはトラムとチューブの接続駅だ。もうあまり時間が無いのでイライラしながらトラムを待ち、やってきた車両に乗り込んだ。たった二駅がとても遠く思える。
 接続駅に着いてドアが開いた時には、もう待ち合わせの時間を5分ほど過ぎていた。「いた!」ホームの中程のベンチに座っているアルマクの姿を見つけたオレは急ぎ足で近づいた。アルマクは金色の長い髪を2つに纏め、いつものヘッドホーンを付け、シンプルなデザインのノースリーブの上着にミニスカート姿でチョコンと腰掛けている。今、オレに気がついてこちらを見て、ゆっくりとサングラスを外すと笑みを浮かべた。
(あれ?あんな服持ってたっけ?)そんなことを思いながら「ごめん。少し遅れた」オレは謝りながら近づいた。
 アルマクは立ち上がると駆け寄ってきて、頭をトンッとオレの胸にぶつけてきた。そしてグリグリッとしてから顔を上げ「のど渇いた」と言った。そして、オレがしげしげと見つめたからだろうか、そのままの格好で「オレ、変かな?」と続けた。
 オレは小さく顔を左右に振ると「いや、とても可愛いよ。似合ってる」と言った。
「ありがとう。オレはそういうセンスは持っていないから……でもそう言ってくれるとやっぱり嬉しい」ともう一度頭をグリグリと擦りつけた。
「じゃあ。行こうか。ビールを飲みに」
「ウンウン。のどがカラカラだ。水分をセーブしたから早く補充しないと」
「わざわざセーブしたのか?好きだなぁ」オレがそう言うとアルマクは笑顔で答えた。
 オレ達はホームに入ってきたトラムに並んで乗り込んだ。

 時間が少し早いのか、ビアホールはまだすいていた。
 オレ達が目立たない位置に向かい合わせに席を取ると、スタッフが注文を取りにやってきた。オレはアルマクに向かって「どうする?」と促すと、アルマクは「のど渇いた。本物のビール」と言って一番大きなジョッキを指さした。例の本物のビールはまだこの店だけの限定での発売で、一般的な市場にはまだ出回っていない。この店はビアという名前が付いてはいるが、今までは発泡酒しかなかったのだ。これでやっと本物のビアホールになったと言うわけだ。オレは苦笑いしてアルマクの顔を見つめると「わかった。いいけど、オレはこっちで行くよ」と小さなジョッキを指さした。アルマクはクスクスと笑ったが、かまわずオレはそれとつまみを適当に注文した。
 大きなジョッキがオレの前に、小さなジョッキがアルマクの前に置かれ、ソーセージやチーズの類が並べられた。オレ達は顔を見合わせて笑ってから、お互いのジョッキを交換して乾杯した。オレがジョッキに口を付けて数㎝を飲んでいる間に、アルマクはその大きなジョッキを空にした。2杯目も開けて3杯目を注文し、それが手元に来るとようやく落ち着いたのか大きなソーセージに手を付けた。
「おろ……?ミラクじゃないか」聞き覚えのある声に振り返るとそこには部長の顔があった。
「部長!」驚いて声をあげると。
「こんばんは」部長の横にはヤスコの顔もあった。
「ヤスコ」オレは声をかけたがヤスコはもうこっちを見ていない。ソーセージに余念の無いアルマクの方に注意を向けている。
 部長は「お嬢さんはミラクの彼女さんですか?」とアルマクに声をかけた。アルマクが顔を上げると部長の顔が固まった。そして「あれ?アンドロメダ……さんじゃぁないですよね?」と放心したように呟いてから「やっぱりそうだ!アンドロメダさんですよね」と言った。
 アルマクは動きを止めていたが、やがて「ええ。そうです。アンドロメダです」とゆっくりと頷いた。
「え?アンドロメダって……」オレは驚いてアルマクを見つめた。
「お前、彼女がアンドロメダだってこと、知らないのか?ほら」部長は鞄からタブレットを取り出すとページをめくってオレに見せた。それはアルマクがフライトスーツ姿で大きく写っているプロフィール画面だった。

アルマク

「やっぱりアンドロメダだ。驚いたな。何故こんなところにいるんですか?あ、いや、失礼」部長は画面とアルマクを交互に見比べながら謝ってから、オレの方に顔を向けて小さい声で「なんでお前がアンドロメダとこんなところにいるんだ?」と囁いて、またアルマクの方を向いて「ファンなんですよ!」と混乱している。
「いつも応援ありがとうございます」アルマクはにこやかに社交辞令を述べた。
「ウオーッ本物だ!本当に赤い瞳なんですね。で、なんでこいつとこんなところに居るんですか?」部長はもう半狂乱だ。
 アルマクの顔が少し歪んだがすぐに元に戻った。部長はアルマクにかぶりつきで話し始めた。
「ミラク、先約って彼女のことだったの?」ヤスコが耳元に口を寄せて聞いてきた。オレが頷くと「ふーん。彼女、アスタリスクレースのメジャーパイロットよね?かなりの有名人よ。タンカーナビゲーターのミラクとどういうきっかけで知り合ったのかしら?とても興味があるわ」とニヤリとする。オレが答えに窮していると「まぁいいわ。可愛い子じゃない。大変だろうけどがんばって!」ポンとオレの肩を叩いてから「でもちょっと悔しいな」と付け足した。そして部長の首根っこを捕まえると「部長!もう十分にお邪魔虫になってますよ。わたし達は退散しましょう」と引っ張っていこうとした。
 部長は「わかった。分かったけど、その前にサインをいただけませんか。それと、一緒に写真を取らせて欲しいんだけど。お願いしますよ」とアルマクに頭を下げた。アルマクは「いいですよ」気さくにそれに応じ、部長の差し出した紙媒体の上にサインし、ヘッドホンを外して一緒に写真に収まった。部長は何度も頭を下げながら自分達の席を探しにいった。「じゃあね」ヤスコがいやに明るく手を振っていたのが印象的だった。
「ごめん。一応オレもアスタリスクのイメージ戦略に沿った行動を取らなくちゃいけないんだ。レースも人気商売だからね。でも、まだ周りに人がいなくてよかった。」アルマクは少し引いたような笑顔になった。そして小さなバッグからサングラスを取り出した。薄く色のついたサングラスだったが、それをかけるだけでアルマクの赤い瞳は目立たなくなった。
「アルマクってアンドロメダだったんだ」オレはアルマクを見つめて言った。
「そうだよ。アンドロメダはオレのコールサインだ。でもミラクは知らないみたいだったし、オレはアルマクだからちゃんとそう名乗った」アルマクは大きなソーセージを食べながら言った。
「うん。確かにそうなんだろう。でもアンドロメダはオレでも名前を聞いたことがあるくらい有名だ。なぜそのアンドロメダがここに、オレの目の前に居るのか、不思議に思うのはしょうがないだろう?アルマク」オレは力説した。
 アルマクは静かにオレの方を向いた。「だって、それこそしょうがないじゃないか。オレがミラクにここで出会って、そして惹かれたんだから。それは不思議だけど、偶然に起って、必然的にそうなったんだ。理由なんか分からないし、誰にも文句は言わせない。ミラクは違うのか?」見えない視線はきっと真っすぐオレを見つめている。
 オレには自分の顔に血が上ってくる音が聞こえていた。そして少し考えてから「そうだな。オレはアルマクが居なくなってからだけど、惹かれていると感じたんだ。そしてやっぱり理由なんか無い」とやはりアルマクを見つめた。
 オレ達は見つめ合っていたがやがてアルマクが「のど渇いた」オレが「お腹すいた」と同時に言ったので大笑いになった。オレはスタッフを呼んでたっぷりと追加の注文をした。

2013.06.03
2013.06.04改稿

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*アスタリスク バルキリーの選択(2)をUPしています。

本文へはこの下のリンクからどうぞ。
*アスタリスク バルキリーの選択(2)

 う~ん。とても苦しかったです。このお話は難産でしたね。
 元気いっぱいで自由奔放に行動するアルマクはサキの理想ですので、アルマクについてはなるべく遠慮しないように、ハッチャけて書こうと思っていました。でも反面、自分では有り得ないことばかりが巻き起こって、お話を生み出すのにすごく苦しむってことがあるんですね。
 読み込んだ知識と想像力だけでストーリーを作り上げていくことにはやはり限界を感じました。経験ってあった方が絶対に強いんでしょうね。
 あちこちに垣間見える“アラ”はそういう部分ですので、どうかご了承ください。
 でも生み出してから読み返すと、自己満足なんでしょうけどとても楽しいんですよ。
 それで読み返しばかりを繰り返してしまって、また先へ進めないんですけど……困ったもんです。
 皆さんはお話にリアリティーを持たせたいとき、どのようにされているのでしょうか?
 サキはNETで調べてでっち上げる事が多いんですけど、リアルに表現されている方の作品を読ませていただくたびに、どうやってこんなにリアルに書き込まれるんだろう?って萎えちゃうんですよね。
 緻密な舞台設定や人間関係、それらしい業界用語や専門用語なんか、色々上手く使えるとリアリティーを増せるんですけど。特にこの作品なんか一応SFの端くれですから、専門用語なんか上手く入れられるとカッコいいんですけどねぇ。

 この作品は一番初めにサキの頭の中に現れた、星屑の中を高速で駆けまわる小型の宇宙艇がモチーフになっています。そして“先”の思い出「昔テレビで宇宙パトロールの特撮物をやっていたんだけど、主人公のコールサインがアンドロメダで、『こちらアンドロメダ……』って台詞すごくカッコよかった。なんていうタイトルだったかなぁ」という一言からアンドロメダをいただいちゃいました。それで主要キャラクターの名前もアンドロメダ座からになってるんです。
 アンドロメダはアスタリスクレースで使われるアルマクのコールサインにしていますし、『こちらアンドロメダ……』の台詞も使っています。
 御存じでしょうが、アルマクとミラクはアンドロメダ座の星の名前から取っています。
 ウェヌスの末裔で登場しているアルフェラも、同じくアンドロメダ座のアルフェラッツからです。
 このお話、一旦プロローグを終了して、ネタ切れで打ち切りになっていたんですが、神話タイトルで遊ぼう企画で、ああそう言えば……と思いだして「ウェヌスの末裔」を復活させ「バルキリー」を連想し、ここまで持ってきたんです。「ワルキューレ」とかではなくて「バルキリー」としたのには訳があるんですが、これはまあ言わずもがなですね。
「バルキリー」という女神を使ったのにもそれなりの意味があるのですが、もしこのお話の続きが書けるようでしたら追々書いていこうと思います。
 でもとても疲れたので、このお話は少しの間休眠状態になるかもしれません。
 以下は追記でいいと先が言いますので……。

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神様限定!創作バトン

創作系バトンです。面白そうなのでTOM-Fさんのところからいただいてきました。

驚くべき事に、回す相手が神様限定というバトンなのです。なんで人間の僕のとことろに……。

では、ゆるりとまいりましょうか。 でも完全ネタバレです。ご注意を!

【壱・ではまず呼び出す人に語らせてやってください。 なんというタイトルのお話から来ましたか?】

(ア)アルマクだよ。オレは女だけどウェヌス族なのか?サキ!どうなの?20歳位だと思う。『アスタリスク』からきたんだけど、何か?
(ミ)ミラクです。人間で男です。25歳位です。『アスタリスク』からきました。

【弐・その世界では主にどんな生活をしていますか?】

(ア)オレは「アスタリスクレース」のパイロットをやってる。「アスタリスクレース」は小型高速宇宙艇の賭けレースで、惑星の輪の中を通過するときのスリルは満点だ。惑星の輪は星屑の集合体だからね。その中を高速で航行するのはやっぱり緊張するよ。
(ミ)オレ、あ、2人ともオレですね。オレは宇宙タンカーのナビゲーターです。宇宙タンカーってガス惑星の大気を採集する大きな宇宙船なんですけど。それの操縦をやってます。タンカーは遭難してしまうこともあるんですけど、無線操縦なんで自分は大丈夫なんですよ。惑星の輪の中を飛んで命をかけるアルマクとはちょっと違いますね。

【参・暮らしの中で嬉しい事ってありますか?】

(ア)オレは宇宙を駆け回ることが大好きだから、今の仕事がとても気に入っている。でも、それよりも嬉しいことは、ミラクと出会えたことかな。2人で寝床にいるととてもドキドキするし、“その”あとはビックリするぐらい深く眠れるんだ。今、ミラクの部屋で暮らしているんだけど、食事も旨いし、なにもしないでゆっくり出来る。これも嬉しいことかな。
(ミ)(あきれた顔をしている)え、オレもまぁアルマクと過ごせること、そういうことです。

【四・辛いことってありますか?】

(ア)今は、幸せいっぱいだけど。これまでに辛いことはいっぱいあったし、これからもそういうことがたくさん出てきそうだ。サキ!そうなんじゃないの?あ、やっぱり。
(ミ)結構のほほんと生きてきたので、アルマクほど辛いことはなかったかも。でもこれからはどうなんでしょうね?

【伍・ぶっちゃけ、自分の扱いや境遇についてどう思っていますか】

(ア)オレはメジャーパイロットだから結構有名なんだよ。オレの瞳は赤いからそれでばれてしまうことが多いから、ちょっと面倒くさいかな。だから普段は薄い色のサングラスをかけて変装したりしてるんだ。 でも、この仕事はドキドキするから満足しているよ。そして、ミラクと出会えて一緒にいられる。これが一番嬉しいことかな。
(ミ)満足しています。アルマクはとても可愛いですし人気がありますから。オレなんかで良いのか?と思ったりしています。
(ア)バカ!何言ってるんだよ。オレがミラクに惹かれたんだ。それは偶然に起って、必然的にそうなったんだ。理由なんか分からないし、誰にも文句は言わせない。

【六・好きな異性のタイプを教えてください】

(ア)もちろんミラク。そう言うに決まってるじゃない!
(ミ)ちょっと前まではヤスコだったりしたんです。ドタキャンされたときは落ち込みました。
でも、今は違いますね。(と、アルマクを見る)

【七・得意な歌はなんですか?】

(ア)みくみくにしてあげる♪!!
(ミ)あ、冗談ですよ。冗談!!!

【八・どうしても許せない事ってありますか?】

(ア)デバラがオレより上位にいることかな。許せないな!
(ミ)アルマクがずっとオレの部屋に居られないことでしょうか。レースが始まると缶詰になってしまいますから。その間はやっぱり寂しいです。
(ア)ありがと……

【九・こちらについて質問はありますか?】

(ア)オレ達は幸せになるのかな?
(作者回答)それは、ここまでだけでも相当なネタバレですのでとてもお答えできません。ミラクはなにかありますか。
(ミ)(黙って首を振る)


【拾・最後に、今後の予定ややりたいことがあれば】

(ア)ほんとは結婚式とかちゃんとしたいんだけど。どうなのかな?
(ミ)アンドロメダの結婚式なんて、とんでもないことになりそうなので、遠慮したいですね。慎ましやかに身内だけで良いかなと思うんですけど。サキはどう考えてますか?
(作者回答)……全く考えてなかった。

【お疲れさまでした。最後に、回したい神様を5人選んでください】

(作者)本の神様、小説の神様、文字の神様、空想の神様、そしてSFの神様でお願いします。

(人間の皆さん、特にStellaに投稿されている方、ご自由にお持ち下さい)


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7777HITリクエストお待ちしています。

 お付き合いいただいている皆様。この変なブログ「Debris circus」を覗いていただいてありがとうございます。
“Debris”って破片という意味ですが、このブログでは山西左紀の書く作品の事を指します。ボロボロの破片で興行を打つんだから、誰も見てくれなくてもしょうがない……という意味で、自分をがっかりさせないための予防線ですね。そんなボロボロの興行でも、嬉しいことにゆっくりとですが7777HITが近づいてきました。
 そこで、せっかくの機会ですからイベントを計画しようかなと思っています。前々から予告めいたことを書き込んでいましたしね。
 今はですね。700拍手を踏まれた夕さんのリクエストにお答えしようと、作品を書き始めようかな?としているところです。ですから、2つ作品を抱えることになるんですが、サキはなにか動機付けがあった方が筆が進むようなので、お受けしてみようと思います。
 7777付近のカウンターを見られた方、速い者順ですのでこの記事にコメントをお入れください。
 これまでのように山西のオリキャラを1人と(女性限定です)お題を1つリクエストくだされば、それを取り込んでなにか作品を書いてみます。どんな物ができあがるかわかりませんし、サキは遅筆ですのでお時間をいただく事になるかもしれませんが、楽しみながら書いていきますのでよろしくお願いします。
 何回かこういう企画をやっていて、リクエストいただけなかったらどうしようかな?といつも思います。幸いこれまでは結構速くリクエストをいただいて事なきを得てるんですけど、やっぱり不安です。遠慮なさらないで書き込んでやってください。よろしくお願いします。

 8000HITも結構近いですが、こうなるとこのキリ番も予定しておかなければいけないかな?

【初音ミク】Odds & Ends
歌詞も良いですが映像もクールで格好いいです。
ミクが自虐的に表現する部分も良いですよ。



追記に歌詞を置いておきましょう。
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改めて7777HITリクエストお待ちしています。

う~ん。書き方が悪かったですね。すみません。
すでにリクエストが書き込まれていました。とても嬉しいんですけど、まだ7777HITには間がありすぎでした。
物書きとしては失格ものですね。わかりにくい表現でした。書き込んでいただいた方に改めてお詫びします。
でも嬉しいのでこのリクエスト、一応承ります。
そして7777HITリクエスト、改めてカウンターが7777になった瞬間から承ります。
お二人程度考えていますので、山西のオリキャラを1人と(女性限定です)お題を1つリクエストくだされば、それを取り込んでなにか作品を書いてみます。
この記事にコメントを入れてください。
どうぞよろしくお願いします。
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物書きエスの気まぐれプロット(2)

700拍手リクエスト作品出来ました。
夕さんからいただきました。リクエストオリキャラは「エス」でお題は「虹」です。
よろしければどうぞ。続けて7777HITリクにお答えしていきます。

物書きエスの気まぐれプロット(2)

 こんなに順調にいって良いものなんだろうか?
 夜明け前に死体の処理は終わった。
 冷凍倉庫で芯まで凍らせるのに3日間を要したあの美しい死体は、チョッパーにかけられ細かく裁断され、さらに冷凍されたイワシや添加剤と共に混合されミンチにされ、プラスチックバケットに入れられ、再度冷凍庫に入れて凍らせられた。
 後はこのままそこに並べておけば、8時の業務開始と共に船に積み込まれ自動給餌器によって魚に与えられる。
 そしてそのまま魚の腹に入り込み吸収され、跡形もなくなるのだ。
 すべては無に帰る。
 何もなかったことになって僕の人生はリセットされる。
 僕はチョッパーとミンサーを丁寧に水で洗い始めた。この洗浄作業は毎日何回も繰り返される。痕跡が完全に消え去るのに何日くらい必要なんだろう。僕はそんなことを考えながら開放感を味わっていた。
 勢いよく噴出する洗浄水の水飛沫に、開け放された入り口から差し込む朝日が当たり始めた。早朝の新鮮な光線は、そこに美しい虹を作り出した。

 ハッと目が覚めた。僕は自分の部屋にいる。僕のベッドの中だ。
 左の肩を下にして横を向いて寝ていたので肩が痛い。
 もうすでに夜は明けていて、カーテンの向こうから朝日の気配がする。今日はとてもいい天気のようだ。そして目の前にはアイの顔がある。黒くて艶のある肩より少し伸ばした髪、形の良い小さな唇、行儀の良く纏まった鼻、閉じた瞼の下には大きな焦げ茶色の瞳をもつ愛らしい目があるはずだ。その可愛らしい顔をこちらに向けて幸せそうに眠っている。
 そうだ。僕らは昨日婚約したんだ。知り合ってから3カ月、一方的に僕の片想いだと思っていたが、決死の覚悟でしたプロポーズを彼女は笑顔で受けてくれた。なのになんでこんな変な夢を見たんだろう。夢で見た美しい死体、その顔は確かにアイのものだった。
 アイが何か寝言を呟きながら微かに動いた。僕は髪を撫ぜてやろうと手を動かした。
 その時、僕は背中に気配を感じてそっと寝返りをうった。
 そこにはアイの寝顔があった。
 僕は驚いてベッドの上に上半身を起こして、自分の右側を確認し、左側を確認した。そして両側にアイが寝ていることを確認した。二つの同じ顔、それは夢の中の凍りついたアイの美しい死に顔に重なり、僕を真空中に放り出された生身の人間のような気持ちにさせた。もちろんそんな経験は無いが、血液や体液が沸騰し、きっとこんな風な感じになるに違いない。その時はそう思った。
 僕は暫く茫然と2人のアイに挟まれて座っていた。僕の両側で顔をこちらに向けて眠っていた2人のアイは、ほとんど同時に微かな唸り声を発し、同時に目を開けた。大きな黒い瞳のまったく同じ目だ。そして同時に起き上って「「おはよう」」と言った。二つのまったく同じ声は重奏になって僕の耳に届いた。
 驚く僕に2人はクスクスと同じように笑った。
「アイ?」僕は左右を交互に見ながら言った。
「「ふふ……驚いた?」」2人はまた同時に微笑んだ。それはまるでステレオだ。
「私はマイ」右側のが言った。
「私はミイ」左側のが言った。
「アイは?」冗談のような自己紹介に僕は困惑して質問したが、2人は微笑みを返すだけだ。
 2人はベッドから下りると着替えを始めた。僕は2人の着替えをを交互に見ながら、2人の差異を必死になって探した。これは何かの冗談だ。アイはどっちなんだ。僕はアイの特徴を思い出そうとしたが、それは2人のどちらにも当てはまった。黒くて艶のある肩より少し伸ばした髪、形の良い小さな唇、行儀の良く纏まった鼻、大きな焦げ茶色の瞳をもつ愛らしい目、どちらもまったく同じだ。優しい肩や腰のくびれのライン、肌の白さ、パジャマのズボンを脱いでジーンズに履き替えるときにチラリと見えた左のお尻にある六角形のホクロ、右の足首に巻き付いている龍の形のアザ、細かいところまで2人はまったく同じだった。
 2人は着替えを終えるとキッチンに行き、仲良く並んで朝食の支度を始めた。楽しげにしゃべりながらコーヒーを入れパンを焼く。2人の声はまったく同じで、しゃべり方も同じだ。どちらもアイに間違いない。手つきはまったく淀むところもなく、2人共いつもやっていること、という風に見える。僕はベッドから下りると大股で歩いてキッチンを覗き込み「アイ!」と呼びかけた。
 2人は同時に振り向き「「なぁに?ジュン」」と僕の名前を呼んだ。
 そして右側のが「でも私はマイだよ」続けて左側のが「私はミイだよ」と微笑んだ。
 僕は激しい目眩に襲われた。僕はこれまで3ヶ月間誰と付き合ってきたんだろう。どっちなんだ?いや、2人が交互にいたのか?それともアイは2人とはまた別にいるのか?必死に考えを巡らす僕に2人はまた同時に言った。
「「2人一緒に呼ぶときはアイでいいよ」」

「で、これをどうしろって言うんだ?エス?」ダイスケは食卓に置いたノートPCを覗き込んでいたが、やがてため息混じりにそう発言した。
「クスクスクスクス……」リビングの隅に置かれた小さな机で、PCに向かってタイピングを続けていたエスは、我慢できなくなって笑い始めた。
「何が可笑しい?」ダイスケの声が低くなった。
「ごめんなさい。だって父さん顔が深刻なんだもの。いつものようにどう思うか、聞かせて欲しい」エスはお願いの顔をした。
「そりゃそうだろう。お前はこれをどう続けるつもりなんだ?色々な展開が考えられるぞ。言ってしまえば、導入部分を削除してコメディータッチで展開するっていう手もある」
「さあ。どうだろう?う~ん、何にも考えてない。正直言ってここまでで止まってる。誰かブロともさんに書いてもらいたいぐらい……」
「そんなことだろうと思った。それが感想だ」
「え~~っ!ひどい」
「どっちがだ。I・My・Meの方がよっぽどひどいぞ。冗談は止せ!だ」ダイスケは食卓を離れてエスの前に立った。
「え~。いいと思ったんだけどなぁ。でもそれは仮名ということで、まだきちんと決めていないし、でもなんだか頭の中に出てきたんで出力しておきたかったの。この後この2人は何事もなかったかのようにジュンと一緒に生活するの。そして対外的には1人として行動してアイを名乗るんだけど、まったく同じ彼女が2人居ることを知ってしまったジュンは、2人に翻弄されてだんだんおかしくなっていくの、どう?」エスは上目使いにダイスケを見た。
「それが導入部分に繋がっていくんだな?凍結した死体が上手く魚の餌になるかどうかはわからないがな。髪の毛なんかがちゃんとミンチに混ざるかどうかなんて、検証のしようが無いからな。面白いとは思うがなぁ……」
「ジュンは2人のアイと同時に愛し合ったり、良い思いもするんだよ」
 コツン!ダイスケのゲンコツがエスの頭に落ちた。
「なによぉ」エスは唇を尖らせた。
「お前はオレがお前の何だか考えて喋れないのか?」
「えへへ。そんなに照れなくてもいいのに」
 コツン!ダイスケのゲンコツがもう一発エスの頭に落ちた。
「ああん。ごめんなさい」エスは頭を両手で覆った。
「でも何ていうのかすごく難しいんだ。この2人、良い役と悪い役どっちでもいいんだけど、基本を善意に設定すればコメディータッチで進められるでしょ?でもどちらかを、あるいは両方の基本を悪意に設定したとたんドロドロになるの」エスの顔は少し嬉しそうだ。
「ふ~む。俺は文系の教育は全然受けていないから、そういうのは難しいな」
「ウチのライブラリーデータではまだこの先には進めないということもわかってるんだよ」
「まあ、このまま塩漬けにしておけ、そして何年かしてから読み返して落ち込むんだな」
「あ~。やっぱりひどい!優しい言葉が欲しかったなぁ」エスはまたタイピングを始めた。
 ダイスケは少しの間黙ってエスを見ていたが「優しい言葉は無理だが……」と言った。
「え?」エスが嬉しそうに顔を上げると「後ろ、振り返ってみろ」ダイスケは顎をしゃくった。
「何?」エスは椅子に座ったまま振り返った。
「うわ~~!!!」エスの後ろは大きな窓になっていて、その先には彼方までの眺望と大きな空が広がっている。
「ダブルレインボーだ!!!」そしてその大きな空には地上から地上まで繋がる大きな二重の虹が架かっていた。

 S9004の起動は失敗した。さりげなくニュースサイトのトピックスに掲載された記事はあまり目立たなかったが、関係者に与えた衝撃は大きく、原因は徹底的に調査された。だが、すべてのシステムに異常は無く、原因はまったく不明だということが明らかになっただけだった。ただ、A.I(人工知能)S9000からS9004までの精神原型はすべて同じだったため、試作機以降段階的におこなわれたバージョンアップが原因と思われた。
 4号機の起動失敗は、新しい精神原型を使用する予定の5号機の工程にも大きな影響を与えるため、緊急の対応が取られることになった。つまり、試作0号機を使って4号機の精神サルベージをおこなう事が決定されたのだ。
 この作業をおこなえば4号機の起動失敗の原因を究明できる可能性がある。上手くいけば起動させることも出来るかもしれない。反面、失敗すれば正常に機能しているA.Iを失う可能性もある。
 現在起動しているA.Iの中から試作0号機が選ばれたのは、失うものの量が一番少ないから、という単純な理由に過ぎなかった。
 サルベージ作業は3日後におこなわれる予定だ。



2013.06.13 夕さんに……

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……



格好いいです……。  サキ
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復活?と8000HITのお知らせ!

8000HITがやってきます。

ブロ友の皆様、コメントをいただいている皆様、拍手をいただいている皆様、ありがとうございます。
そしてこの変なブログを覗いていただいている皆様、本当にありがとうございます。
感謝の気持ちを込めて、いつものように切り番のイベントをおこないたいと思います。

ここのところ、少々ハードなことが続いておりまして、グズグズと世を拗ねた生活を送っていました。イライラすることも多くて、夜も夕食を食べながらお酒を飲んで、食後もチビチビと飲んでそのまま寝てしまう。という生活が続いていました。
でもたくさん飲むわけじゃぁ無くて、ほんとに舐める程度なんですよ。好きですが本当に弱いんです。それで、ブログの更新も小説を書くことも滞りがちになっていましたが(夕食後に書くことが多いですから)、ようやくめどが立ってきまして動き始めています。復活です。

7777HIT企画は3人の方にお題を頂いてまだ1つも発表していないんですが、勢いで募集してしまいます。アクセス数の多いブログではないのでチャンスはかなりあると思います。もしよろしければこの記事に書き込んでください。

カウンターが8000を刻んだ瞬間から速い者順で、お2人受け付けたいと思います。よろしくお願いします。

いつものようにオリキャラ(女性限定です)を1人、そしてお題を1つ頂戴できればそれで書いてみます。あ、オリキャラなんかわかんないや、という方はお題だけでも結構ですのでお申し出ください。お待ちしています。
もし8000HITでリクエストを2ついただければ、5つのリクエストを抱えることになりますが、頑張って書いてみます。
でも1つは完成間近になっていますから4つ抱えるということですね。
作品は、イマ乃イノマさんのリクエストで、オリキャラは「アルマク」お題は「夢の世界」です。*アスタリスク本編として書いていて、いま校正と推敲中です。まもなくUP出来ると思います。

ではまた。
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*アスタリスク(11)

Stella/s Stella7月号

 一面の砂だ。
 見渡す限りすべてが砂漠だった。しかもピンク色のだ。
 砂丘の向こうはまた砂丘で、その向こうもその隣も、さらにその向こうにもその隣にも無数のピンク色の砂丘が、永遠とも思える繰り返しで続いている。
 淡いオレンジ色の空にはすべてを圧倒する太陽が輝き、反対側にはそれから逃れるように欠けて薄くなった大小3つの月が、遠慮がちに白い骸骨の様な姿を曝している。
 降り注ぐ強い太陽の光は砂を焼き、その上を容赦なく吹き付ける高温の風が、美しい風紋を描いていく。ここまでつけてきた足跡は、数十メートル歩くか歩かないうちに風によってかき消され、風紋に置き換えられていく。そしてただ1つ己の意識だけを残して、生命活動の痕跡はすべて消え去ってしまう。孤独を友とする人の話を読んだ記憶があるが、ここではそんなことは不可能だ。真の孤独に苛まれた精神は、たちまちのうちに石と化し、粉々に打ち砕かれ、ピンク色の砂に帰化して見分けがつかなくなってしまう。
 地平線のあたりはここよりもずっと風が強いのか、舞い上がった砂塵が赤い雲を形作っている。それは様々な動物を連想させる形を連ねながら眼前に広がり、徐々にこちらに近づいてくる。空想に浸っている時間はあまりなさそうだ。
 ヘッドセットからは、一定の強さで休みなく吹き付ける風の音と、遥か遠方の砂嵐の予感だけが聞こえてくる。それは女性合唱だけで演奏される前衛音楽のように耳に響く。パワードスーツのヒートポンプと送風ファンは回転数を上げているはずだが、その合唱にかき消され意識されることはない。保護装置の力を借りなければ、肌を焼かれ体温が上昇して倒れるまで数分というところだろうか。そして後は水分を奪われ干からびていくだけだ。
「ミラ……ミラク……どこ…………か?」ヘッドセットから途切れ途切れに聞き覚えのある声が流れ出した。電波状態は悪く、映像データはブロックノイズで確認できないままエラーが出た。
「アルマク!どこだ?」あわててナビゲーション画面を覗くがマークは無い。
「アルマク!アルマク!」オレはサーチをかけながら呼びかけを続けた。
 
 必死に呼びかけを続けていたオレは、目の前に拡がる風景がいつの間にか自分の部屋の天井に置き換わったことにようやく気がついた。オレは自分のベッドの中で目を覚ましたところだった。
 部屋はとっくに夜の帳を片付け、朝の舞台転換を終えた後の様子で、可視光線をいっぱいに満たしている。あわてて周りを確認すると、オレの横にはその可視光線を必要としない女が眠っている。彼女は……アルマクと言うのが彼女の名前だが……柔らかな曲面を描く小さな白い背中をこちらに向け、豊かな金色の長い髪をその背中とオレとの間に波打たせ、たわやかな体を少し丸めて眠っている。ゆっくりとそして気持ちよさそうに小さな寝息が聞こえ、それに合わせて肩が緩やかな動きを繰り返す。オレは夢だったことを確信し、緊張は一気に弛緩する。そして、緊迫して流れていた時間もそれに合わせるように急激に速度を落としていく。
 オレはほとんど流れるのをやめてしまったような時間の中で、体の中が安心感で満たされていくのを感じていた。
 だが、やがてアルマクの背中に微妙な変化が表れ始め、アルマクの呼吸が徐々に速くなっていく。そして過呼吸になるんじゃないかと心配するほどになって、全身にじっとりと汗が浮かぶ。オレが声をかけようと手を動かし始めたその瞬間、寝言で何かを呟くと寝返りを打ち、こちらを向いて目を開けた。オレは動作を止めてアルマクを見つめた。
 アルマクは肩で息をしながら、その赤い瞳をオレの方に向けている。あくまで想像だが、じっとオレの方を“見て”いるはずだ。そして艶やかな唇が動き始めた。
「やっと会えた」その唇はそう発音した。
「え?」唐突な言葉にオレは思わず訊き返した。
 アルマクは首を持ち上げて周りを見回してから「砂漠だったんだ」と呟いた。そして枕にトンと頭を落とした。
「さっきまで、ずっと砂漠だったんだ」今、ここに戻ってきたかのように、アルマクは言った。呼吸はまだ速かったが、さっきよりは落ち着きを取り戻しつつある。
「砂漠?」オレは驚きながら思わず「ピンク色の?」と付け加えた。
「うん。オレは1人でそこに居たんだ。でもなぜか近くにミラクが居ることはわかっていた。無線で呼びかけると一旦はミラクの声が聞こえたんだけど、何度か聞こえただけで消えてしまって、暫く呼びかけてみたけどミラクの声は帰ってこないし、サーチをかけても反応は無いし、オレは1人になってしまった。そう思ったら本当に不安になって、パニックを起こしそうになったんだ。そうしたら急に景色が変わって、ここに居た」そこまで一気に喋るとアルマクはいったん言葉を切って、一瞬考えてから「でもなぜ。ピンク色なのを知ってるんだ?」と訊いた。
「オレもそこに居たからさ。そのピンク色の砂漠に……」オレがそう答えるとアルマクは「オレはそこで確かにミラクの声を聞いた。オレの名前を何度も呼んでいた」と言った。
「そう、オレは何度もアルマクを呼んだ。熱い風がずっと吹いていた。風が砂に刻む模様がとても綺麗だった」
「風が刻む模様?あの波みたいな?」アルマクは首を少し傾けて訊き、オレは小さく頷いた。
 アルマクは「そう、綺麗だった。いったいどこなんだろう?同じ夢を見るなんて、不思議な話だね」と言うとそっと寄り添ってきた。そして頭を俺のわき腹に当てグリグリしてから「でもよかった。もう会えないかと思った」と小さく呟いた。
 オレはアルマクの頭を抱いた。
「大丈夫。夢の世界の話だよ」オレはアルマクの耳元で呟いた。
「そう。だったのかな?」アルマクは少し考えてから思い直したように言った。「そうだね。きっと……」
「お腹はすいていないか?朝ごはんにしようか?」オレがいつものようにそう言うと、アルマクは少し間を置いた。
 そして「今はいらない」アルマクはトンッと頭を胸にぶつけてきた。 
 オレはアルマクの体をそっと触った。
「ん……」
 アルマクの体はもう準備が出来ていた。

2013.06.28 イマ乃イノマさんに……

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7777HITリクエスト作品第一弾出来ました。

え~っとイマ乃イノマさんのリクエストで、オリキャラは「アルマク」そしてお題は「夢の世界」でした。明るそうなお題を頂いたんですけど、例のごとく毛色の変わった作品が出来てしまったように思ってます。なお悪いことに番外とかではなくて本編です。
すみません。
一応単独でも読めますが、意味が伝わらない部分があるのはそういうことです。
よろしければこの下のリンクから、またはこのまま少し下へスクロールしてどうぞ……。

*アスタリスク(11)

続けてTOM-Fさんのリクエスト、「コトリ」と「紫陽花」で書いていきます。
ウムム……紫陽花かぁ。どうもっていくかなぁ。

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こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。
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アスタリスクのパイロット、アルマク。キルケさんに書いていただいたイラストです。
ラグランジア
左からシスカ、サヤカ(コトリ)、サエ。ユズキさんにイラストを描いていただきました~。掌編「1006(ラグランジア)」の1シーンです。
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