Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

戻ってきました

先が戻ってきました。
寝てます。最近は滅多に出張にも出ることも無かったので、疲れたみたいです。
寝る前に記事の件で打ち合わせをしましたので書いてしまいます。先は寝る前にバッグからデジカメを引っ張り出して、この3枚をサキのPCに置いていきました。
早速UPしちゃいます。
1枚目は「町」です。ホテルかららしいんですけど……?どこだろ?

町

2枚目は「道」です。人が写っていますがこれは先ではありません。現地のドライバーさんだそうです。どこ?ここ?

道

3枚目は「夕日」だそうです。ふ~ん??

夕日

この3枚でどこへ行ってきたか当てて見せろって言うんですよ。無理でしょ?
関連記事
スポンサーサイト
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

ここはどこ?(2)

先がまた写真を3枚、サキのデスクトップに置いていきました。
どれどれ?
まず1枚目。これって、ダビデの星っていうやつじゃないの?
あれ…そう エルアル・イスラエル航空だったと思う。
ネットで調べてみると確かにそうみたい。
エルアル・イスラエル航空のボーイング747ですね。
このターミナルビルがヒントって事でしょうか?

空港1

2枚目、3枚目これはターミナルビルの中でしょうか?到着ロビーですか?
お迎えの方がたくさん見えますね。やはりアジアの人が多いのかな?
近代的なすばらしい構造物ですね。サキは飛行機も好きですが、(先はもっと病的なファンですが)建築物も大好きですので、特に3枚目などドキドキします。
高解像度の写真を見ると、この大きなガラス面を支えている吊り橋のようにワイヤーを使った構造、凄いなぁと思ってます。
でも、ここはどこ???       

空港3

空港2
ここのところ、書き始めています。ええっと、栗栖紗那さんのリクエスト。
キャラはMeteor(メテオ)のクウで、お題は”桜”です。
企画が目白押しですが、大丈夫かなぁ。ちょっと不安になっています。
もう暫くお待ちください。




関連記事
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

SAKURA

Stella/s
SAKURA

SAKURA-4.jpg

 
 ジジジ……サリーがモニターに映し出す3Dグラフィックにパーツとその回路図が表示され、赤いラインが効果音と共に電路をたどって行く。2回3回と検索を繰り返し演算する。
 人工知能のサリーに与えたダミーのデータは上手く機能するだろうか。サリーが故障予測の誤報を出さなければ、この計画は破たんする。一抹の不安を表情に出さないようにマミは顔を引き締めた。彼女は宇宙飛行士という仕事に付いてからすでに23年の経験を持つベテランだ。この宇宙輸送船“エリダヌス”の船長ももう5年続けている。感情のコントロールはこの職業にとって必須だったし、船長としてクルーをまとめてきた経験がそれにさらに磨きをかけていた。
 “エリダヌス”のクルーは女性5人と1体の人工知能で構成されている。人工知能のサリーも仕様表ではfemale(女性)と表記されている。
 船長のマミを中心にまとめあげられたチームは、“エリダヌス”を駆って月の周回軌道を出発し、約2か月をかけて今ようやくアステロイドベルトの端に到達しようとしていた。
 往路の終わりが近づき、貨物の届け先である資源調査船団とのランデブーの準備を始めようとしたそのやさき、ハイゲインアンテナに対して故障予報システムの警報が発せられたのだった。
 赤い警告のウィンドウが開いた。望んでいた結果にマミの目は見開かれたが、それはほんの一瞬の出来事だった。「ウウーン」マミは腕を組んだまま難しげに声を出した。
「72時間以内に故障します」サリーが音声デバイスで回答した。
「間違いないのね?」意味の無いことだとわかっていながらマミは確認した。
「確率は100%です」何の揺らぎもなくサリーは即答した。
「故障してから交換するケースと、故障する前に交換するケースのリスク比較は?サリー」マミが質問した。
「ローゲインアンテナでカバーできる範囲は限られています。今の通信データ量からみて2時間ぐらいの余裕しか無いと計算しています。故障してから緊急に交換するリスクは、72時間以内に手順通りに交換する場合のリスクに比べて390%になります」サリーが答えた。
「じゃあ、手順通り交換した方が……」クウが意見を述べようとしたが、マミがクウを見つめて言葉を被せた。「クウ。ここは宇宙空間なの。サリーは故障する確率は100%だと言っているけど、私はこれまでの経験で故障しないこともあると考えている。言っておくけど、私はこの故障予報システムを完全には信用していない」聞こえているはずだがサリーは何の反応も示さない。「もし故障しないなら、この何も無い死の空間にわざわざ人間を派遣する必要は無いわ。なるべくなら船外活動などやらない方がいい。だから判断は私がする」マミは声質を重くして言った。自分が船外作業に消極的だったという記録を残しておかなければならない。
「はい」クウは少し残念そうに引き下がった。
 マミには分かっていた。血気盛んな前向きの、クルーたちの中では一番の若手のこの女の子は、経験を積みたがっている。危険な船外作業でもやりたくてしょうがないのだ。小さな体にはち切れんばかりの情熱と好奇心が詰まっている。『クウ……』マミは今にも爆発しそうになる激情を抑え込んでいるだけで精いっぱいだった。
 一等航宙士のセリカがチラリと目を合わせた。セリカも同じ気持ちを抱いているように見えた。ロナとワキシの2人は、クウとまともに目を合わせることもできないようだった。

 一月半ほど前のことだ。船長室でくつろいでいたマミのもとを、クウが訪ねてきたことから事は始まった。
 ドアを開けたマミの顔を遠慮がちに覗きながらクウは「マミ、ちょっとお話ししたいことがあるんですけど、今お邪魔してもいいですか?」と言った。
「いいよ。何?そんなに深刻な顔をして。どうしたの?」マミは人生相談でも受けるような気持ちでクウを部屋に招き入れた。だが、クウの話したことはもっと厄介な事だった。
「じゃぁ、あなたの受け取ったメールの中に不審な物があって、その中にデータ麻薬の疑いがあるプログラムがある。そういうこと?」マミが繰り返すと、クウは言いにくそうに「ええ」と頷いた。
 データ麻薬とは体内のナノマシーンに作用する一種の覚せい剤のようなプログラムのことだ。嗜好性も強く、スペースクルーの間で中毒症が問題になっている。スペースクルーは過酷な環境に対応するため、みんなナノマシーンを体内に入れているからだ。
「これはデリケートな問題だからあえて訊くんだけど、何を根拠にそういうこと言うのか、詳しく聞かせてくれる?」マミは少し口調がきつくなるのを感じながら訊いた。
 緊張しているのかクウは硬い顔で頷くと、持ってきたノートPCを開いた。
 クウの説明は理路整然としていて、もはや『このデータはただの画像だよ』という戯言でクウを納得させて、事を終わらせることは不可能だった。絶対に専用のプログラムを使わないと解凍できないように偽装されているはずの画像データは、クウによって切れ切れではあったがその実態を暴露されていた。そしてそれは一般に公開されている判定プログラムによって陽性の判定を下されていた。
「わかった。どうも本物の可能性もあるようだね」慎重な言い回しでマミは言った。「ただし、可能性があるだけで、ここで確定する術はないわ。普通の画像データで無いことは確かだけど、ただのウィルスだった。ということもある。そうだね!」声に力を込めるように付け加えると「ええ」クウは曖昧な感じで頷いた。納得した顔はしていない。
「それに、なぜ自分1人の判断でこれを解析したの?」
「あの……それは、なんだろうと思って……」
「その判断は、あなたらしくなかったね。この船での捜査権は私にある。と言うことは知っているね?」マミがそう言うとクウは黙って頷いた。
「万が一これがデータ麻薬だったとしたら、捜査権のないあなたが持っていているだけでも法を犯したことになってまう。ということも知っているね?」マミの顔は少し厳しくなった。クウは硬い顔で頷いた。
「疑問に思った時点で私に一言声をかけるべきだったね」
「すみません……」クウは神妙な面持ちで頷いた。
 マミは予想通りのクウの反応に少し表情を緩めて言った。
「これはとてもデリケートな問題になるわ。あなたに送られてきたものなら、わざわざここに持ってきたりはしないから、他の4人の内の……私も含んでということだけど」とマミはクウに笑いかけた。
「いえ。そんな」クウは俯いてしまった。
「誰かに送られたと考えるのが自然だわ。でもね、私はクルーのみんなを信頼しているし、あなたも含めてみんな優秀なクルーだと思ってる。つまり私は、いまこの件を公表してチームワークを乱したくないと考えているの。周りは延々と続く宇宙空間だし“エリダヌス”はもう引き返すこともできない。クルーは最小限の人数だし、交代も不可能だからね」マミは諭すように続けた「それにね。クルーの誰に届いたものでもない可能性もある」
「はい」クウは顔を上げた。
「クウ」マミは声を少し大きくして結論を話した。「この件は暫く様子を見ます。場合によっては帰港まで封印します。いいね?」
「はい……」
 クウがはっきりと頷いたのを確認すると「で、そのデータはこのノートPCにあるだけなの?」とクウの目を覗きこんだ。
「いえ。これは解析用に独立した私物のPCにコピーした物で、あと僕のタブレットの中とメールサーバにそのままの形で置いてあります」
 マミは短い間考えてから冷静に判断を下した「そう。じゃあ、これまでのクウの行為は大目に見るわ。そのかわり、タブレットは没収して新しい物と交換します。そしてその解析したデータは、そのPC内のデータも含めてすべて完全に消去します。バックアップを取りたい最小限のファイルだけを申し出なさい。確認の上コピーを取ることを許可します。メールサーバの該当メールもロックをかけます。いいね?」
「わかりました。でも私物のPCはすべて消去してもらってもかまいません。飛んでもいいデータしか入っていませんから」
「そう。じゃあ話は速いわ。早速作業を始めましょう」
 作業を終えクウが自室に引き上げると、マミは暫く閉じられたドアを見つめていた。大きく膨れ上がった動揺が肋骨の間から溢れ出しそうだった。いままで抑え込んでいた心臓の鼓動が徐々に速くなるのがわかる。そして大きくため息をつくと端末を取り出し、数回ボタンを操作してから耳に当てた。
「セリカ?いま大丈夫?じゃあすぐに私の部屋まで来てくれる?厄介な事が持ち上がったの。ええ、とても厄介な事よ。そう。サリーに気取られないようにお願い」
 マミは通話を終えるともう一度大きくため息をついて、両手で血の気が失せた顔を覆った。

 データ麻薬にはキーが付属する。それが無いとインストールできない。しかもそのキーには有効期限があってそれを過ぎると無効になる。
 さらにデータ麻薬は一定回数起動させると効果がなくなる、ナノマシーンに耐性ができるためだ。期待する効果を得るためにはデータ麻薬のアップデートが必要になる。組織は継続して金を得るため巧妙なシステムを構築していた。
 今回クウに見つけられたのはそのアップデート用のデータだった。このデータは自立型の偽装プログラムにガードされて、定期的にメールの画像や動画に紛れこんで届けられる。
 船長室には重苦しい空気が漂っていた。
「なぜクウの所に届いてしまったんだろう?」セリカが言った。
「理由がわかったとしてもなんにもならないわ。偽装プログラムのバグでたまたま紛れこんだとしか考えられないわ」
「そうだとしても、なぜクウの所に……それにどうして解析なんか……」セリカの声は弱々しかった。
「クウはね。そういう子なの。自分で決断し動いてしまうの。そして手際が良くて優秀なの。それは私が買った彼女のとても良い面なんだけど、今回は裏目に出てしまったわ」マミは考え事をするように横を向いた。それは困惑の表情を隠すためのように見えた。
「とりあえずクウにはこの件は封印すると言ってあるわ。しばらくはこれで大丈夫でしょう」と顔を正面に戻した。そしてセリカの目を見つめて言った。
「でもいずれ対応策を取らなくちゃいけなくなるわね」
「どういうこと?」セリカが確認を取るように訊いた。
「私達4人が地位も名誉も自由も無くして、犯罪者として生きてゆく覚悟があれば、何も問題はないのよ」マミが他人事のように言った。
 セリカが静かに続けた。
「4人みんながね。でも私達にはそれぞれ事情があって、地位や名誉や自由を捨てるなんてことは出来ない。刑務所なんてまっぴら。それに司法に協力的と見なされて組織から命を狙われる」
「そうだとすると。結論はもうすでに出ているのよね……」マミはセリカに目を向けたまま、感情を消去して付け加えた。

「セリカ?どうかしましたか?」
 サリーに声をかけられて顔を上げたセリカは、ぼやける視界に自分が泣いていることに気が付いた。
「いや。なんでもないよサリー。ちょっと目にまつ毛が入ったのかな?」
「なにか事情がおありのようですね?私でよろしければ話し相手になりますが?」
「ありがとう。でも大丈夫。退屈なルーチンを続けよう」
「私の任務にはクルーの精神的なケアも含まれています。遠慮をすることはありませんよ。お役にたてるかどうかはわかりませんが。セリカがクルー・ブルーにかかっているとしたらチームの構成上問題ですから」サリーの目にあたるカメラのレンズは静かにセリカを観察していた。
「いや。問題無いよ。本当にまつ毛が入っただけなんだ」セリカは目をこすりながら、自分の不安定な精神状態の原因がクウにあることを悟られないように、自分の感情をおおい隠した。
「32時間前、クルー・ブルーから回復していたクウにまた不安定さが認められました。そして24時間前にロナ、16時間前にワキシの感情にも不安定さが認められています。そして今セリカ、あなたです。私でなくても“エリダヌス”チームに何かあったと考えるのが普通ではありませんか?」
「私は大丈夫だよ。クウはまだ新人だから不安定なこともあるだろう。ロナとワキシはベテランだけどやっぱり人間なんだ。長期間何もない真っ暗な空間を漂ったら、少しは不安定になることもあるよ」
「大丈夫とおっしゃるなら、これ以上詮索はしません。ただ私はこの任務の正常な終了を指令されています。任務の障害になるものは、なるべく取り除いておかなくてはなりません。すみませんが、この件は船長に報告させていただきます」
「ああ、かまわないよ。サリーは任務に忠実であるべきだよ」セリカは少し嫌みのこもった口調で言った。
 サリーの目は静かに観察を続けていた。

「準備はいい?クウ」マミがヘルメットのシールド越しに声をかけてきた。すぐそこで話しているのに、マミの声はヘッドセットのマイクで拾われ、通信システムを介してヘッドホンから聞こえてくる。体はすぐそこにあるのに声は遥かかなたから聞こえるように感じる。マミの心が遠くに離れてしまったような、そんな気がしてクウは不安になった。
「はい」緊張の為だろうか、若干の声の震えを感じながらクウは応えた。
「シュミレーション通りにやれば大丈夫だよ。セリカとワキシの指示をよく聞いて、落ち着けば何の問題もない」マミはそう言うとヘルメットをポンポンと叩いた。
 クウはセリカとワキシに挟まれるようにエアロックに入って行き、内部に留置された作業用ポッドのシートに腰をかけ、アンビリカルケーブルを接続した。黄色灯が点滅を繰り返す中、内部ロックが閉じられると排気音を響かせながら空気が抜かれてゆく。徐々に音が聞こえなくなり、周りに真空の空間が広がり始めた。
 “エリダヌス”は船外作業の間、減速を止めて慣性航行をしている。重力は船外作業にとって障害になるからだ。暫くぶりの無重力を味わいながら、クウは抜かれてゆく空気に飛ばされないように、セリカとワキシの間に挟まれてポッドの手すりにつかまっていた。
 今日の2人はいつもより愛想が悪い。手取り足とり教えてくれた前回の船外活動の時と違って、あまり手助けしてくれる様子はない。クウは独り立ちを求められているような気がして気持ちを引き締めた。
 空気の流れが無くなり、周りを完全に真空が支配すると、今度は赤色灯が点滅を始め外側のエアロックが開き始めた。エアロックの向こうにはすべてを吸収する闇が広がっている。永遠の静寂の向こうで微かに光る星々は、ただ単に光を放つ点としてそこに無数に存在していた。
 3人の乗ったポッドはガイド沿って慎重にエアロックを抜け、無限の空間にゆっくりと泳ぎだした。
 船体はたとえるなら魚のような形で、頭部に当たる部分にコックピットと居住区画、尻尾に当たる部分にΩドライブシステムとノズルを備えた構造になっていて、その間は背骨のような構造体で繋がれている。その構造体にそって貨物を満載したコンテナが接続されているのだが、問題のハイゲインアンテナは船体の中央付近に魚の背びれのようにつき出ている。ポッドは頭部のエアロックを出て、背骨に沿ってゆっくりと進み、中央部分のアンテナの根元にたどり着いた。
 ポッドを所定の位置に止め、アンビリカルケーブルを“エリダヌス”につなぎ直すと、3人はそのまま交換作業に入った。
 セリカの指示は的確だった。シュミレーションの通りに交換作業は進んでいく。1つ1つの手順をクリアーするたびにセリカが“グッド”の合図を手で送ってくれる。クウは夢中になって作業に集中した。最高に充実した時間の中で無事に交換作業を終え、クウはパーツを手に持ったままゆっくりと体を伸ばした。
 その時、作業用のポッドがクウの方に向かって加速を始めた。
 クウは視界の隅に気配を感じて、その方向に顔を向けた。

 桜吹雪だった。

 たくさんの桜の花びらが集まって、桜色の空気の渦ができていた。真っ青な空を背景に渦はゆっくりと回転しながらクウの所へ降りてくる。
 まるで高速度撮影された高画質の映像のように1つ1つの花びらの動きが鮮明に見える。
 銀河のエーテルが満たされた空間にふわりふわりと漂うたくさんの花びらは、そのエーテルの影響で微妙に軌跡を変えて人間には予測不能な軌跡を描く。
 クウは自分が地面に向けて落下しながら空を見上げていることに気が付いた。
 桜の渦は、正気を失いそうな浮遊感の中で、この世の物とは思えないくらい艶やかだ。
 やがて桜の花びらはクウに追いつき、クウの体に吹きつける銀河のエーテルの流れをなぞるように、クウの体にぶつかり四方八方に方向を変える。
 そして急激にスピードを上げる。数え切れないほどのたくさんの花びらがクウの体に触れ、一部は頬に柔らかい感触を残し、彼方へと去っていった。
 後には真っ青な空を見上げながら自由落下するクウだけが残った。
 クウの長い長い旅が始まろうとしていた。
 なんて素晴らしい体験なんだろう……
 クウはそんなことを考えながら、薄れゆく意識に抗うのを止めた。


関連記事
テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
 
 

6000HIT記念規格第2弾できました。

もうお忘れでしょうか?
6000HIT記念規格第2弾です。ようやく完成いたしました。
6000HIT記念規格っていうのは、6000HIT付近を分でくださった方に山西のキャラから女性を1人選んでいただいて、お題を1つ頂戴する。
そして彼女とお題を使って物語を書く……という企画なんです。
ええっと、今回は栗栖紗那さんのリクエスト。キャラはMeteor(メテオ)のクウで、お題は”桜”で頂きました。
タイトルは“SAKURA”です。あっ!タイトルだけでお題をクリアーしたわけではないですからね。ちゃんと中に出てきます。
この下にリンクを置いておきますのでよろしければ読んでみてください。

「SAKURA」

ちなみに第1弾はこちら「物書きエスの気まぐれプロット
ポール・ブリッツさんのリクエストでキャラはエス、お題は見当たりませんでした。

感想など頂けましたらとっても喜びます。
今回この話にのめり込んでいて「Stella」3月号に乗り遅れてしまいました。
いまさら乗っかるのもいけませんので単独での発表です。
スカイさん篠原藍樹さん、すみません。次号は掲載できるように頑張ります。

そして次は6000HIT記念規格第3弾を書いていきます。
八少女夕さんからのリクエストです。
キャラはフム・アル・サマカーの由布で、お題は“海鳥”で頂いています。
これは繋がりがあるようで結構難しいんです。
短いものにしようかなと思っていますが山西のことです、わかりません。
現にSAKURAも3000文字ぐらいの予定だったんですが倍はありますもん。

それがすめばテンプレート変更記念企画がふたつ控えています。
イマ乃イノマさんからの「星と海」とTOM-Fさんからの「ミクと絵夢」のリクエストです。
あぁ忙しい。頭がオーバーヒートしてます。
遅筆の自分に思いっきりプレッシャーをかけてみました。
できるんでしょうか?不安。
リクエストいただいた方!山西は忘れているわけではありませんよ。
気長にお待ちください。(忘れないでくださいね!)
関連記事
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

TOM-Fさんのところからバトンを頂いてきました。

 TOM-Fさんのところからバトンを頂いてきました。
 うっかり最後まで読んでしまったものですから。
 では、どうぞ……

 あっと、その前に「月刊・Stella(ステルラ)」の話題です。
スカイ さんと 篠原藍樹 さんが運営されている月刊のWeb雑誌です。山西は創刊号から2月号までは皆勤で参加させて頂いたんですけど、ついに3月号をお休みしてしまいました。4月号は参加の予定です。
 参加を表明して専用のバナー(タグ)(下のバナーです)を貼るだけという手軽な手続きでOK!
 もし、この記事を読まれて興味を持たれた方は、下記のバナーのリンクをぽちっとどうぞ。ブログトップから説明も覗くことが出来ます。

Stella/s

 では、バトンをどうぞ……

1、小説を書く際、資料などは使いますか?
 それは使いますね。Wikipediaはもちろんですが、図書館で調べたりすることもたまにあります。

2、プロットやフローを用意しますか?
 これがですね、最初は全く用意しませんでした。当然のように物語は破綻し、それ以後簡単なものですが用意するようになりました。

3、小説をどこかに投稿したことはありますか? 
全くないです。そういうレベルでは無いと思ってます。

4、あなたの小説(文章)で一番影響を受けている作家様は誰ですか?
 あったとしても誰だかわかりません。いろんなジャンル、主に軽いものを読みますのでその辺の影響を広く受けているのかな?と思ってます。

5、あなたの書いた情景描写。そのなかで一番好きなものを一つ。(ネタバレなどは伏せ字でかまいません)
周りに見える山々は中腹までびっしりと木々に覆われていて、その上は灌木や草が生え、さらにその上は赤錆色の岩がむき出しになっている。風がまったく凪いでいるので周りの山の萌黄色と緑色、その上の赤錆色、その向こうの抜けるような空の色が、まるで鏡のような湖面に逆さまに映り込んでいる。今、水辺にいた薄紅色の羽を持った鳥の群れが飛び立った。鏡のような湖面は乱れ、空と山の色は混ざり合い、乱れあい、ざわめきあってから、ゆっくり元の鏡面に戻ろうとしている。私はこの場所で目覚めたことに幸運と幸福を感じていた。

6、上記の心理描写verをお願いします

「フウ……」深く長いため息が吐き出された。
 タウリは真夜中の誰も居ないラウンジの壁際に置かれたソファーに、細身の体を沈めていた。肩まで伸ばした亜麻色の髪は俯いた顔の前に垂れ下がり、背なかを丸めて両肘を膝の上に乗せていた。膝の上に曲げられた手には電話が握られ、もう片方の手は額を覆っていた。
 タウリは電話に向かって言葉を搾りだした。それはまるで水銀のように重く、そして流れ落ち粉々に飛び散った。口の中は金属の味がした。

7、あなたが書いた小説で登場した台詞。好きなのを三つどうぞ。
台詞は案外印象に残っていません。その場で頭の中からすらすらと出てくるので(キャラが勝手に喋るんですが)ふと出てきたものを挙げておきます。

『私はね。爆発しちゃったの。二人の前で狂ったように暴れまわったんだと思うわ。よく覚えていないんだけど。その人のお腹に赤ちゃんが居ることも聞かされていたのにね』

そろそろお別れなのかな?
行くんだね?
楽しかったよ。
えっ?名前?僕の?なんだったっけ?そう、クウ。クウだよ。もう名前に意味なんかないんだけど……
あっ。名前で呼んでくれるんだ。けどこんな気持ちになるって思わなかった。すごくうれしい。
ありがとう。

そして3つめは
「お腹空いた」
でした。

8、あなたが書いている小説の先の展開で、これは! と言う台詞をどうぞ。
 先のことなので、正直わかりません。山西のキャラクターはたいしたことは喋りませんね。
 格言のようなことは言いません。照れくさいのかも……

9、執筆中音楽の類いは聴きますか?
 聴きますよ。サキはボカロ好きですので静かなものをチョイスして、ボリュームを落として聴きます。人工知能が歌っているような錯覚に陥るのが好きなのかもしれません。

10:日々の生活で、「あのキャラならここはこうするだろう」「あのキャラならこれを選ぶだろう」といった妄想が展開されることはありますか?
 展開します。妄想こそストーリーの新たな展開です。

11、これから小説を書かれる方などに、アドバイスなどがあれば。
 とてもアドバイスなんか出来る玉ではありません。でも自分の世界を作れる、というのは楽しいですよ。

12、バトンをよければ五人程に回していただければ……。
 もちろん。これを読まれた方でやってみようと思われた方…。先着5名様まで。
 な~んて。
関連記事
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

The Horizontal Blue(s)

Stella/s 絵夢シリーズ(番外)掌編

The Horizontal Blue(s) 
 
 スダジイの幹は海に向いて傾いている。一般的に海流で削られてできた急な斜面に立つ木は、海の方向に傾いて成長するからだ。
 その傾いた幹の上面にはコケが生えておらず地肌がむき出しになっている。その部分はまるで研磨されたようにきれいに仕上げられているが、あちこちに尖ったもので削られたような跡が見られる。
 夜明け前、ユウはそのスダジイの幹で足を踏ん張り、爪と嘴を引っかけ、両方の翼でバランスを取り、時には少し羽ばたきながら樹上を目指していた。前後には仲間が連なって同じように踏ん張って幹を登り続けている。まだ辺りは真っ暗だが、明るくなる前に飛び立ってしまわないと命の危険がある。凶暴な雑食の奴らが明るくなるまでに飛び立てなかった者の命を狙っているからだ。
 毎朝くりかえされるこの行進によって、スダジイの幹は磨きあげられるのだ。
「ごめんね。ごめん」ユウは小さな声で前後に居る仲間に声をかけていた。
 ユウの翼は他の仲間と違っていてとても長い。
 雄同士がやっているように大きく翼を広げて体の大きさを比べをやってみると、その辺の雄なんかより自分の方が翼長が長いことに驚くぐらいだ。
 しかしこのような態勢で密集した時は、その長い翼が邪魔になる。銘々がバランスを取るために翼を広げたり羽ばたかせたりすれば、ユウの翼は周りの仲間の体に当たることになり迷惑がられる。ユウは小さな声で謝り続けながら慎重に登っていた。ユウに面と向かって文句を言う仲間はいなかったが、やはり翼がぶつかれば腹を立てて押し返す者もある。グイと押し返さてユウは少しバランスを崩した。
 その時ユウの爪が外れた。ズルズル……その反動でもう片方の足の爪も外れた。「まあいいか。飛び出してしまおうか」そう考えた瞬間、木の上にとどまるのは不可能になった。必死で羽ばたくが必要な揚力を得ることは出来ない。不安定な状態で空中に放り出されたユウは、フラフラと高度を失った。バサバサーッ!なにもコントロールできないまま、密集した細い木の枝に突っ込んだ。
「しまった」翼をバタつかせ脱出を試みる。幸い翼はなんとか動かすことができる。何度か羽ばたきを繰り返した後に、ようやく木の枝から解放されクルクルと地面に落ちていく。落ちながら翼でバランスを取り、羽ばたきで揚力を確保し、何とか地面に軟着陸することに成功した。
 ホッとしたユウは全身を確認した。痛みはない?翼を広げてみる。大丈夫。ユウの長い翼は、元の形を保っていた。軽く羽ばたいてみる。痛くない。大丈夫。そう思ったとき後ろから声をかけられた。
「大丈夫か?」聞き覚えのある声にユウが振り返ると、そこにはハルの見覚えのある嘴があった。
「大丈夫みたい」ユウは心配をかけないよう、何でもなさそうに答えた。
「どう?見せて見ろ。翼を広げて!」ハルにきつくいわれてユウはゆっくりと翼を広げた。
「ふむ」ハルは回り込みながらしげしげとユウの全身を見ていたがようやく納得したのか「よし、大丈夫や。どこにも痛みは無いんやな?」と言った。
 キョトンとした目をしてユウが頷くとハルはようやく安心した顔になって「さあ列に並ぼう、夜明けまで時間が無いで」と嘴でユウをせっついた。
 あまり突かれてはかなわないので、ユウは木の根元の列の最後尾に向かって歩き始めた。
「あら、ユウ、まさかまた落っこちたんじゃないでしょうね?」凛と澄んだ声が聞こえた。
 そっと首を廻すとそこには心配そうな目をしたエムの顔があった。エムは他の仲間より白い部分の割合が多い上に羽の艶や形も良くて、同じ雌から見てもじっと見とれてしまうような美しい姿をしている。
 えへへ……ユウがばつの悪そうな顔で応えると「やっぱり」エムは少し怒ったような顔になって「ユウはみんなより翼長が長い割に翼幅が無いんだから初速がいるのよ、楽しようなんて考えないでちゃんと木の上の方まで登ってから飛ばないと」と語気を強くした。
「楽しようなんて思ってないよ。翼も長いし嵩張るからみんなの邪魔になるかなと思って、つい早めにね……」したから見上げるようにユウが応じると、「他のみんなの邪魔にならんように遠慮して、早めに飛んで落ちて怪我でもしたら、それこそ何をやってるんかわからへん」後ろからハルがたたみかけた。
 逃げ場を失ったユウは前にエム、後ろにハルに挟まれて、またスダジイの木を登り始めた。
 ユウ達の種類の鳥は地面からは直接離陸できない。斜面や風の助けを借りれば何とかなるが、こんな森の中ではそれもできない。必然的にこうやって木に登ってそこからダイブする以外、大空へ飛び立つ術が無いのだ。
 前後がエムとハルなので、今度は遠慮せずに翼を広げ、あるいは羽ばたかせてバランスを取ることができる。薄明かりの中ユウは徐々に登っていき、視界には海面の広がりが見えてきた。
「そろそろ行けるかな?」ユウは海の方を向いて呟いた。
「まだや。その翼にはもっと初速がいる」後ろからハルが尻尾を突く。
「そうよ。もう少し頑張りなさい」前からエムが声をかける。
「僕はもう大丈夫だと思うけどな」
「そのいいかげんな見切りがあかんのや。なぜ諦めてまう。もう少しやろ?」ハルの低い声がユウを戒める。
「わかった。わかったよ。頑張るよ」
「頑張って!」エムの声が聞こえた。
 暫く登ってからエムが振り返った。「ユウは飛び出した後は、すぐに翼をいっぱいに広げて、必死に飛ぼうとするでしょ?」
「そう。だって揚力が出ないんだもの」ユウが答えた。
「でもね、ユウの翼は特に初速が必要なの。だからまず飛び出す高さを上げることが一番なの。そして次は飛び出した直後は翼を少し狭めるの。わかる?」
「なんとなく……」
「これぐらいかな?やってみて」エムは翼を広げて見せた。ユウはその幅に翼を合わせてみる。
「こんな感じ?」
「そう。飛び出した後すぐにその幅で滑空を始めたらきっと上手くいく。速度が上がるからね。そして速度が上がったら翼をいっぱいに、こう……」エムが説明をしている間にも少し下の木の枝からは仲間が次々と飛び立って行く。ユウがいっぱいに翼を広げると、エムよりずいぶんとはみ出した。「こんな感じ?」ユウが少し不安そうに言った。
「そう!そうよ!自信を持って。じゃあ、私はそろそろ行くわ。ユウもここなら大丈夫よ。よく頑張ったね」と言ってから勢いよく空中に飛び出した。
「ありがとう」ユウは言い忘れていたお礼を急いで叫んだ。
 優雅な姿はそのまま滑らかに滑空を始め、数回軽く羽ばたいただけで薄闇の中へ上昇して行った。
「さあ。落ち着いて飛び出すんや。さっきのを忘れんとな!」ハルの声を聞きながらユウは空中に飛び出した。最初は翼を全開にぜず少し閉じた状態で、それこそ落下するような恐怖の中飛び出していく。恐怖が限界に達し速度が乗ったところで一挙に翼を全開にする。ユウの翼は長さはあるが幅が不足しているので、離陸直後の速度が不足した状態では扱いづらい。だが今は翼を窄めて落下して速度を上げた直後なので、初列や次列風切羽は速度の速い空気を一杯に受け最大の揚力を発生する。空気の振動が羽先から伝わってくる。初列風切羽の間を通り過ぎる空気の音が聞こえてくる。下にある海面の波模様がどんどん小さくなる。
 信じられないくらい軽々とユウの体は上昇した。あまりに上昇率が高いので、風切り羽を閉じて空気の支えを減らしてやらねばならないくらいだ。尾羽でバランスを調整すると、ユウはバンクを取って大きく旋回した。低速域での扱いにくさに比べて、高速域での運動性能の良さは分かっているつもりだったが、今感じる翼の性能はユウの経験を遥かに超えるものだった。遠心力が心地よい。夜が明け始めて明るくなり始めた空は、まるでユウを歓迎しているようにさえ感じられる。ユウは自分が風と一体になったような気分で大空を舞った。
「どうや!ユウ。気分は」追いかけて上昇してきたハルが叫んだ。
「うん!とっても気持ちいい。こんなに上昇できるなんて。信じられない」ユウの声は高揚している。
「ユウの翼は一旦スピードに乗ってしまえば抵抗が少ないし扱いやすい。今まではその使い方がわかってなかったんや。多分離陸の時に感じるコンプレックスの影響が大きかったんやろう。エムに感謝するんやな」ハルは少し速度を上げながら言った。
「そうかも。でも、すごく楽!気持ちいい」ユウはハルにあわせて速度を少し落としてからバンクを大きく取ると、海面に向けて急降下した。
「やれやれ」そう言うとハルも後を追って急降下していった。
 ユウは海面まで一気に降下すると、今度は波に吹き付けて上昇する風を巧みに利用して旋回しながら上昇した。速度の乗ったユウの翼は、一定の安定性を備えたうえで抜群の運動性を発揮する。あっという間に海面が遠くなり気温が下がってくる。振り返るとハルが懸命に追いかけて来ていた。
 明るくなった大気の向こうには真っ青な水平線が広がっていた。

「ふぁ……」由布は目を開けた。
 自分が今どこに居るのか把握するのに暫く時間を必要とした。
 自分が空を飛んでいないことを理解してから、今まで突っ伏していた机の上をみて、由布は悲鳴を上げた。
 自分の声に驚いてあたりをきょろきょろと見渡してから、誰もやってこないことに安心と不安がないまぜになった気持ちになって、また机の上に目を戻した。
 由布は水産研究所の研究センター2階にある研究室の机に向かって座っている。徹夜で作業を続けていたが、いつのまにか眠っていたようだ。机の上にはよだれまみれになった履歴書がたくさんの皺を刻んで置かれている。せっかく途中まで書いた文字は判読不可能な部分もできてしまっている。
「ああぁ……せっかく書いたのに」

 研究所長の通称“アバ”に呼び出されたのは昨日の午後のことだ。論文の提出が切羽詰まっていた由布にとって無駄な時間は一切なかったが“アバ”の呼び出しとあっては無下にはできない。慌ただしく所長室に入って来た由布に“アバ”は言った。
「由布、水族館の飼育員の面接を受けて見る気はないか?」
「ボクが……ですか?」由布の目は宙を泳いだ。
「ボクは止めなさい」
「あ、私が、ですか?」慌てて言い直す。
「そうだ」“アバ”は結構有名な民間の水族館の名前を口にした。
「君の地元からは離れてしまうが、それでも良ければ僕の方から推薦してみるがどうだ?受けてみないか?」
 由布は一瞬迷うようなそぶりを見せたがすぐに承諾の返事をした。

 研究室の窓の向こうにはフィヨルドのように長く切れ込んだ湾が左右に広がっている。湾の中央には小さな島があってその上には松が茂っている。見慣れたその風景はまだ夜明け前の薄闇の中に沈んでいたが、間もなく日の出の時間を迎え徐々に明るくなってくるはずだ。
 由布は汚してしまった履歴書を細かく破いてゴミ箱に捨てると、また机に向かって新たに記入を始めた。履歴書は学校のフォームなので記入欄がたくさんある。フォームを見栄えの良い位に埋めるには結構時間がかかる。由布は下書きを見ながら丁寧に記入していった。
 たっぷりと時間をかけて記入を終えると、由布は大きく伸びをして立ちあがった。湾の向こうに伸びている半島の先から朝日が昇り始めたところだった。

 思い切って飛び出してよかったのかもしれない。由布は今そう思っていた。
 風切羽は速度の速い空気を一杯に受け最大の揚力を発生させた。由布は朝日にきらめく海面が遙か下に見下ろせる位まであっという間に上昇した。風をはらんだ初列風切羽からは由布の興奮がビリビリと伝わってくる。
 明るくなった大気の向こうには真っ青な水平線が広がっていた。

関連記事
テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
 
 

6000HIT第3弾やっとできました。

 6000HIT第3弾やっとできました。
 そしてこの作品は月間STELLA4月号掲載作品にします。

Stella/s

 八少女 夕さんからのリクエストで、オリキャラは「由布」そして指定のお題は「海鳥」でした。

 まず「由布」は「エス」としてブログ開設直後に作りだされましたが、特異な設定がうまく機能せず、長いこと日の目を見ることのなかったキャラクターです。
 WEB月刊誌STELLAのクリスマス企画に触発されて、「絵夢」の力を借りて書こうとしたのはいいんですが、二つの物語が上手く融合せず、何度も消えてしまいそうになりながらようやく世に登場した[絵夢の素敵な日常(フム・アル・サマカー)]、所謂いわくつきのキャラクターなんです。物語を融合させるにあたって「エス」では変なので「由布」(ユウと読みます。夕さんの読みを勝手に頂きました)に改名しています。「エス」はまた新たなキャラクターとして別の話[物書きエスの気まぐれプロット]に登場しています。「由布」は第2作[アルテミス達の午後]では神戸を舞台に夕さんの作品とコラボして比較的正常に駆動しています。そしてこれが3作目です。

 えっと次。お題は「海鳥」です。
 夕さんは優しいなぁ。だって「由布」は海洋少女なんですから……いくらでも物語が作れそうじゃない?って考えてたのが甘かったです。
 出てくるアイデアはどれも画一的でつまんないものばかり、山西が「まあいいか」と書き始めることができるものではありません。
 うわ~どうしよう?グズグズしてたら7000HITになっちゃうよ!……で、これが出てきました。
 少し毛色の変わったお話になっていますが、“窮鼠猫をかむ”で、追い詰められたサキが噛みついたという感じで、変った構成になってしまいました。
 寛大な心で見てやってください。
 約4800文字でやや短めですので気軽に短時間で読めると思います。(あくまで思います…です)

 よろしければ下のリンクからどうぞ。

 The Horizontal Blue(s) 

 そして次の作品、テンプレート変更記念企画、イマ乃イノマさんからのお題「星と海」にかかっていきます。できるかなぁ。
関連記事
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

駄目ですねぇ(2)

 先です。
 駄目ですねぇ
 ちょっとサキがグダグダになっています。
 夕さんがチラリとコメントでおっしゃっていた“クウモード”っていうやつですかね。
 静かでそして暗くなっています。でもこの状態を楽しんでいる節もありますので心配はしていません。自分で主人公に入り込んで暗くなってしまうみたいです。宇宙空間を漂ってるつもりなんでしょうか?単純ですね。これを読んだら怒ると思いますが、書いたもん勝ちということで……。
 今日はもう部屋に籠ってしまいました。いつもならリビングでPC相手にカタカタやってるんですけど。
 そして、書きかけの作品を置いていきましたが……なにこれ?
 ざっと読んで今から校正をかけてますが、なんとも暗いなぁ、もうちょっと明るい話は書けないんでしょうか?
 最近こういう雰囲気の作品を続けて書いていますが、もともと明るい性格ではないのでこんなになるんでしょうね。まだ結末まで書きあがっていませんが、このまま盛り上がることもなく暗い感じの物語が出来上がるはずです。
 リクエストいただいたイマ乃イノマさん、後しばらくお待ちください。今読んだところでは、お題の「海」はクリアーしています。「星」もどう使われるか大体想像がつきますが、まぁいいでしょう。文句は言わないでおきます。
 暗いですけど我慢して読んでくださいね。すみません。
 そしてあともう1作TOM-Fさんからのお題「絵夢」と「ミク」で作るんですね。サキはボーカロイドファンなんですが(というより人間でないものが人間のように振る舞うのが好きみたいです)、いくらファンでもこのマッチしにくそうな2人を、どう処理するのか楽しみにしています。この作品は明るく書いてくれるのでしょうか?
 ではまた機会がありましたら。
 先でした。
関連記事
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

サイハテ

 ハダル・カナル(ハダル運河)は東カナル市の西側で赤の海に繋がっている。
 サベナはカナル沿いの築堤の上を歩いていた。
 肩の位置で切り揃えられた銀色の髪を海風になびかせ、薄い唇をきつく結び、尖った目で前方をまっすぐに見つめ、つま先で地面を強く蹴るようにして、手を大きく振って肩を上下に揺らせ、やや早足でリズミカルに歩いていく。まるで何かに取り付かれたように、あるいは何か目に見えない物を追いかけるように歩いていく。やがてサベナは歩調を緩めると方向を変え、階段を下りて砂浜に出た。
 築堤はそのまま海に伸びて防波堤になり、先端には灯台が立っている。いつもならゆっくりと灯台まで歩くのだが、今日は砂浜を歩く必要があった。
 大の親友が事故で行方不明になった。という知らせを受け取ったのは今日の午後一番だった。まだ死亡は確認されていないが、詳しい状況を確認すると生存はもう絶望的だった。
 その知らせを受けた瞬間、サベナの心には巨大な黒い空間がぽっかりと開いた。しばらくの放心状態の後、その空間は張りつめた低温のすべての光を吸収する暗黒の水によって隙間なく埋められ、それ以外の感情が存在する余地は無くなった。まるで初めからそんなものは存在しなかったかのように……。
 サベナは動揺していた。だがそれは親友を失った事に対してではなく、親友を失った事に自分が反応できないことに対してだった。
 親友はこの砂浜がお気に入りだった。一度だけだったが東カナル市にサベナを尋ねて来てくれたとき、2人は毎日この砂浜を散歩した。親友の故郷には半島の先から海に向かって長く伸びた砂州があって、そこを歩くときに足裏から感じる砂の感触が、ここの浜の砂の感触とそっくりだと言って、裸足になって砂の上を歩き、そして走り回った。
 そのときのはじけるような歓声を思い出しながら、サベナも裸足になって砂浜を歩いた。
 親友と同じ感触を感じながら親友のことを思い浮かべれば、自分が自分の思うとおりに反応できるのではないか、そう考えてサベナは一歩一歩砂を踏みしめた。親友がやっていたように足を濡らしながら波打ち際を歩いた。充分に水を含んだ砂は表面に水が浮くぐらい濡れて光っている。サベナが足を置くとその周りは水が無くなり、湿った砂の板になる。親友はその様子がとても気に入っていて一歩ずつ足下を見ながら歩いていた。サベナも同じように足下を見ながら歩いて行く。

 ……オォ~ン……オォ~ン……

 東カナル市の高層ビル群が泣き声を上げ始めた。
 流れ始めた夕方の風が林立したビルの間を抜ける時に発せられる音だ。
 もう誰も住んでいないビルは多くの窓ガラスが割れていて、その窓を吹き抜ける音も加わって泣き声をいっそう大きくしている。さらに無人の都市には騒音というものが存在しない。無騒音の空間が泣き声を際立たせる。
 東カナル市は開発が一大ブームになったときに鳴り物入りで建設された巨大都市だった。ハダル・カナルの対岸には西カナル市の建設計画まであった。
 だが域内の資源の減少と共に環境悪化が進み、人類が宇宙空間を生息域に加え、開発の機運が消え去った後、この都市の衰退は速かった。都市が放棄されるまでの混乱は目を覆うばかりだったが、すべての人が退去させられた後、安らぎの静寂がやってきた。一度完全に無人にされた都市にはもう二度と人間の立ち入りは認められなかった。
 今、都市は厳重なバリケードで包囲されていて、管理のための要員が派遣されているだけだ。
 彼らはバリケードの外の小さな村に住み、巨大都市が朽ちてゆくのをじっと見守っている。村の住人はすべて何らかの犯罪を犯して服役する受刑者だ。逃亡の恐れがないものが厳重に選別されてこの村へやってくる。もっとも逃亡しようにも周りには何も無いので、命のあるうちに人間世界にたどり着くことは不可能だ。おとなしく刑期を勤め終えるのが得策だというのは自明の理だった。
 サベナはその村の住人の1人だった。
 村には2週間毎に管理のためと補給のために飛行機がやってくる。サベナの親友はそれでやってきて、ここで2週間を過ごし、そして帰って行った。
 親友はサベナにとって掛け替えのない人だった。もちろんサベナが罪を犯す前からの友人だったが、何の変化もなくつきあいを続けてくれた。反対にサベナの方が接触を断とうとしたほどだ。親友は辛抱強くサベナが戻ってくるのを待ってくれたし、決して強要したりはしなかった。そしてサベナを信じてくれた。
 そんな親友が死んでしまったのに……すべての状況はそう確信させる……なぜ自分は反応できないんだろう?サベナは渚を離れ、太陽の暖かみの残る砂の上に膝を抱えてうずくまると、目の前に広がる海を見つめた。圧倒的に美しい夕日がその海に沈んでいったが、サベナの心には張りつめた低温のすべての光を吸収する暗黒の水以外何も湧き出しては来なかった。
 太陽が水平線の彼方に姿を消すとあたりは急速に暗くなり始めた。地上には一粒の灯りも無く、月の出までにはまだ時間があった。夕方の風が終わって、東カナル市の高層ビル群の泣き声もやんだ。
 サベナは漆黒の闇の中に1人しゃがんでいる。自分の体すら見えないくらいの闇の中、それはまるで自分の心の中にぽっかりと空いた黒い空間に、自分自身が落ち込んでしまったようだった。そこは水で満たされていて、サベナはその中に膝を抱えたまま沈んでいる。
 やがて湧出が止まったのだろうか、徐々に水位が下がり、沈み込んでいたサベナの頭が大気中に露出した。大きく息を吸い込む。冷たい酸素が脳へと到達する。
 徐々に意識が立ちあがり、サベナはゆっくりと顔を上に向けた。それにつれて星々が大きな明るいものから順番に輝き始めた。やがて満天の星空がサベナを見下ろし、銀河は天空を横切って流れ始める。波の音も聞こえ始める。
 上を向いていたサベナの目に涙が湧きだしてくる。やがてそれはいっぱいになって、そして、ついに溢れ出した。
 激しい嗚咽と肩の震えがサベナを襲った。
 それはいつまでもいつまでも続いた。
関連記事
テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
 
 

テンプレート変更記念企画1つ目できました~!

テンプレート変更記念企画1つ目できました~!イマ乃イノマさんからのお題「星と海」で作りました。
すみません。とても遅くなってしまいました。遅くなった上にさらに謝らなくてはなりません。
先にも指摘されてしまいましたが暗いです。とっても。
もし読まれる方、いらっしゃいましたら、寛大な心で読んでくださいネ!
お手間をかけます。
そして、これを書き終わってクウモードを脱出しています。
クウモードって、意味がほんの一部の人しかわからないですよね。
サキが主人公に入れ込んで暗~くなっている状態のことのようです。(八少女夕さんが名付けてくださいました)
でも先に暗いのを楽しんでるだろ?と言われて、まぁ確かに……と思っちゃいました。
今のところ、この作品は「Stella」にUPしないでおこうと思っています。ちょっと暗すぎですもん。下にリンクを置いておきます。

「サイハテ」

そして、次の作品は同じテンプレート変更記念企画、TOM-Fさんからのお題の「ミクと絵夢」をテーマに書き始めています。
この相反する(ようにサキには思えてます)2人をどう描くのか。なかなか難しいです。
あぁ忙しい。頭がオーバーヒートしてます。でもそれくらいしないとサキはなかなか書かないですから。また暫く時間を頂きますがお待ちください。
どなたか待っていてくださいね!

関連記事
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

「サイハテ」について

「サイハテ」、書き終わって、クウモードをなんとか脱出して、絵夢シリーズを書き始めています。
 なんか暗いものが出来ちゃったなぁ。これはなかなか読んでいただけないかも。などと反省をしていましたが、暖かいコメントをいくつか頂きましてホッとしております。嬉しかったです。
 続きを依頼してくださるコメントも頂いたのですが、実はこのお話カテゴリーを見ていただければお分かりのように「エリダヌス」のカテゴリーに入っています。
「SAKURA」の中で親友がどうして死んでしまったのかが書かれています。夕さんもおっしゃっていますが、サベナの親友というのはクウのことです。
「SAKURA」「サイハテ」の二つのお話はそれぞれ単独で完結はしていますが「SAKURA」を読まれてさらに疑問を持たれたら「メテオ」さらに「エリダヌス」そして「アケルナル」と読まれればクウについて大体のところはお分かり頂けると思います。
 クウモードというのは、サキがクウのようなキャラに入り込んで暗~くなるということを指すようです。(これを楽しんでいる節がある…と先は分析していましたが)
 時系列通りに並べれば「エリダヌス」「SAKURA」「サイハテ」「メテオ」「アケルナル」となります。長いですし「エリダヌス」は実験作品なので読みにくいと思いますが、もし興味がおありでしたらチャレンジしてくださると嬉しいです。あれ?何気なく宣伝になってますね。すみません。
「東カナル市」はSF長編「東キャナル文書」(光瀬 龍)に出てくる都市「東キャナル市」から名前をいただいています。
「エリダヌス(9)Posted at 2XX2-05-28 21:58」でも“今度の休暇、晴れの季節の東カナルの岸辺と雨の季節のウエマチ半島のどちらかを選択しろと言われたら、僕はどちらを取るだろう?難しい選択ですね。”としてチラリと出てきています。クウは東カナル市で休暇を過ごした経験があるという設定になってましたので、今回これを生かして物語を作りました。
「星と海」というお題、普通考えたらもう少し明るい童話などが出てきそうですが、まだ「SAKURA」を書いた直後だったので、こんなストーリーが出てきて消えなくなってしまったというわけです。
 次はお題の中に「絵夢」が入っていますので必然的に「絵夢シリーズ」になります。ホンワカしたものが書けるように頑張ります。暖かい心で見守ってやってください。
 では。
関連記事
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
 

報告事項!

 えぇっと……
 なんとテンプレート変更企画の作品も書き終わっていないのに、またテンプレートの変更です。環境によっては動作が不安定になることがあったんです。サキが変にカスタマイズしたのが原因かもしれませんが。
 そこで、エイッと気分を変えまることにしました。
 前にも使っていたSLUGさんのSUP13にしておきます。クールでラフな感じなんですが、2カラムなのでちょっとスクロール距離が長くなりますが、ご勘弁を。

 設定にあたふたしながら、テンプレート変更企画第2弾ちゃんと書いてます。
 少し苦労していますが、何とかなりそうかな?というところです。先の校正・推敲はまだ受けていませんが、もう少しちゃんとフレームができてからにしようと思ってます。
 TOM-Fさんのご希望からは少しズレてしまっているような気もしていますが、これについてもご勘弁ください。
 とりあえず、報告と説明でした。
 サキはリビングの隅の小さな机で、PCに向かって相変わらずカタカタやっています。
 急がないと7000HITが……。
関連記事
 
<- 03 2013 ->
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
プロフィール
こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。
ようこそ!


頂き物のイラスト

アスタリスクのパイロット、アルマク。キルケさんに書いていただいたイラストです。
ラグランジア
左からシスカ、サヤカ(コトリ)、サエ。ユズキさんにイラストを描いていただきました~。掌編「1006(ラグランジア)」の1シーンです。
天使のささやき_limeさん2
limeさんのイラストをイメージにSSを書いてみました。「ダイヤモンド・ダスト」
イラストをクリックすると記事に飛びます。よろしければご覧くださいネ!
スカイさんシスカイメージ
スカイさんのシスカイメージ
シスカ・イメージ高橋月子さん作
シスカ・イメージ 高橋月子さん作
シスカ・イメージlimeさん作
シスカ・イメージ limeさん作 コトリ・イメージユズキさん作
コトリ(コンステレーションにて)ユズキさん作
リンク
ブロとも申請フォーム

Archive RSS Login