Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

ブログ開設して1年たちました。

 覗いていただいてありがとうございます。この変なブログ「Debris curcus」を始めて1年が経ちました。

 去年の9月頃だったですか、「シスカ」を頭の中に置いておくことが我慢できなくなって猛烈な勢いで出力を始めて、十数話書き溜めした段階で10月1日にここを作って公開させていただきました。
 最初は訪れてくださる方なんか無いんじゃないかな……と思っておりましたが、その通りでした。ほんとにアクセスって無いんですよ。そういう想定で書庫を兼ねて作ったんですけど、なんだか寂しかったですね。でもPCの中に非公開で置いておくよりはましだろうと思ってそっと置いていました。面白いなぁと思ったブログにコメントを入れさせていただいたり、短い記事などを書いて、誰か読んでくれないかなーなんて、分からないなりにコソコソ動いてました……。

 そのうちにアクセスしてくださる方も現れ、コメントも残してくださるようになり、中には「シスカ」を熱烈に読んでくださる方も現れ(驚きでしたし、嬉しかったです)そうこうするうちに「短編小説を書いてみよう会」(主催:自分自身さん:現在ブログ休止中)に誘われて参加させてもらったり、人付き合いの悪い左紀ですが、徐々に交流の輪が広がってきたのです。

「短編小説を書いてみよう会」は面白かったですね。締め切りを経験し、色々なことを試してみましたし、参加者の作品を読ませていただいたり、感想を書かせていただいたり、とても勉強になりました。
 感想を書くってことに、かなりのエネルギーが必要だということも、この時学習しました。要点をついた短くても気の利いた感想ってのはとても難しいです。そして感想をいただくことの喜び?すごく嬉しかったです。必ず何人かには書いてもらえるルールでした。(そして悪い部分も指摘するということになっていました。←これが憎いですね!)
 この時にブロともになっていただいた方が結構多いんじゃないかな。残念ながら第3回まで開催されて今は休会状態になっています。

 その後はしばらくブラブラしていたんですが、この度、スカイさん・篠原藍樹さん共同主催の「STELLA」という企画に参加させていただきました。また締め切りに追われて絞り出したのが「白い月」というわけです。これが創刊号ですので長く続くと良いですね。毎回参加できるかちょっと分かりませんけど、出来るだけ参加させていただきます。

 ここまで1年間考えてみれば短かったように思います。
 あれだけの勢いで書き始めた「シスカ」も30話で止まっています。他の短い物語を書くのが忙しかったということもあるのですが、プロットが上手く組めていないというのが一番の理由です。(31話まもなく完成予定ですが、またその先がカオス……)
 これまで仲良くさせていただいたブロともさんの中には休止中の方もいらっしゃいます。山西を含め、みなさんリアル世界で生活している以上、ブログにばかりエネルギーを割いていることは出来ないのですね。ある意味当たり前で、仕方のないことだと思います。また始める気になられたら帰ってきてほしいなぁと思っています。
 バリバリ活動されている方、ご活躍を祈っております。こちらのブログも、出来るだけ長く元気に、そして地道に細々と、続けていけるように精進いたします。

 みなさん、変なブログそして変な管理人ですが、これからもよろしくお願いいたします。
 ブロとものみなさん、ちょっと付き合いが悪く偏屈な山西ですが、NETだとまだましです。よろしくお付き合いの程を……。
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---31---

「シスカ、シスカ」と呼びかけるジュナの声に顔を上げる。
「大丈夫?」ジュナが顔を覗きこんでいる。
「うん?大丈夫。少し混乱した……」
「どうしたの?アルナに覚えがあるの?」と訊かれてシスカは「いや。全然……」と答えたが、こんな答え方じゃ”覚えがある”と言っているのと同じだとシスカは思った。
「ごめんね。そんなつもりじゃなかったの」ジュナはすまなそうにそう言うとシスカをギュッと抱きしめた。
 ジュナはゆっくりとグロー語で話し始めた。
『ちょっと理由は言えないんだけど、あなたを見たときそんな気がしたの。直観だと思ってもらってもいいわ。まさかと思ってここに居るみんなにも聞いてもらったんだけど、みんなの反応を見たでしょ。あなたの声はアルナとそっくりなの。まるで生き写し』
 シスカは自分の声がアルナとそっくりな理由を考えていた。そしてアルナがなぜシキシマと同じ顔なのかを……
『私はアルナをよく知ってるの、私が10歳になる前アルナはよく家の近所にあるホールで歌ってたの、私はそのホールにしょっちゅう連れていってもらってたから、彼女と知り合いになってよく歌を聴かせてもらってたわ。さっきみたいに……』ジュナはここで言葉を切って、まるで愛おしいものを見るようにシスカを見た。
『そして大戦が終わったころアルナは妊娠したの、お腹が目立つようになったころ彼女は突然居なくなって……そしてそのままこの島の局地戦争が始まって彼女の行方は分からなくなった』ジュナは確認を求めるようにまわりを見まわし、まわりの人々は黙ってジュナとシスカを見ていた。
『でも歌は兵士たちが歌い続けていたし、彼女は反戦のアイドルみたいになって有名になってたから、瀕死の状態でこの町の病院にかつぎ込まれた時に、すぐにみんながアルナだって気が付いたわ。だけどそのまますぐに亡くなってしまった。そして戦争の混乱で彼女の子供の行方は分からなかったんだけど……』ジュナはもう一度シスカの顔を覗きこんだ。そしてイルマ語に変えて言った。
「今、分かったのかもしれない」そしてベクル語で今と同じ結論を言ったのだろう。まわりの人々が詰めていた息を一斉に吐いたので大きなどよめきが起こった。
 シスカは「でもアルナの顔と僕の顔は全然似てないし背丈も違う」とシキシマの見かけを思い出しながら慌てて否定した。しかし否定しながら自分の顔とシキシマの顔をじっくりと比較したことなんかないことに、シスカはあらためて気づいていた。
「違わない。背丈や体格は同じだし、顔は髪と左の目が違っているけれど、知っている者が見れば面影があるわ。それに声はよく似てる。間違いない。ここにいるみんなが保証する」そしてベクル語で繰り返し、周りで2人を見つめる全員が頷いた。
 それからのことはシスカの記憶にあまり残っていない。どうやって食事を終えたのか、どんなことを喋ったのか、頭の中を色々な記憶や思考が駆け廻り混乱し、前後不覚に陥っていたのだろう。みんなに見送られてライブハウスを出たような記憶が薄っすらとあるだけだ。

(もしショウが元の世界に復活したら私を探して!きっと私のコピー元が居る。それならショウの世界の中に残れるからさびしくないな。絶対だよ)シキシマの言葉が聞こえる……。
(絶対だよ)シキシマの言葉が聞こえる……。
(アルナっていうんだけど若くして亡くなってる……)ジュナの声だ……。
(亡くなってる……)ジュナの声だ……。
(亡くなってる……)
(ごめんシキシマ。せっかく見つけたのに……)ショウの声だ……。
オォォォォォォォォォォォォォォォ…………ン
(エンジンの音?)
「大丈夫?」ジュナの声だ。目を向けると真っすぐ前を見て運転席でハンドルを握っている。
「……うん。何とか」
「混乱させただけだったね。ごめんね」
「ラサ……」シスカがそう呼ぶとジュナは少し顔をほころばせてシスカの方を見た。
「アルナって僕の……だったのかな?」遠慮がちにシスカが訊いた。
「母親…ってこと?そうね。私はそう思ってる。大事に持ってなさいよ」
「何を?」
「そのウエストポーチの中」
 シスカはしっかりと抱えていたウエストポーチの中を見た。そこにはプラスチックのケースに守られたアルナの写真が入っていた。
「帰り際に欲しいって言ったんだよ」
「僕が?」シスカはポーチを閉じるとしっかりと抱きかかえた。
 エアロナ396はさらにスピードを上げた。


(013.11.04 見直し)
(2014/08/13 更新)
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シスカの世界

 イルマ国・ベクレラ連邦・グロイカ共和国連邦などの連合軍とそれと対立する同盟軍が戦った大戦、経験した人々はそれを「先の大戦」と呼ぶのですが、その先の大戦は23年前に終戦をむかえています。戦いは連合軍の勝利に終わり、イルマやグロイカは勝利の美酒に酔うのですが、それもつかの間、そう時を挟まずにイルマとベクレラの間の国境紛争が始まっています。
 国境紛争はこの時まだきちんと国境の確定していなかったキタカタ(ベクレラ名:オルガノ島)で石油と天然ガスが発見されたことがきっかけで、開発の為にイルマがマサゴ村、ベクレラがオルガ村を市として開発を始めたことがきっかけで始まり、一進一退を続けました。この戦いは4年ほど続いているのですが、両国とも大戦で国力を使い果たしてこの戦争を支えきれなくなったことと、グロイカ1国が国力を蓄えることに両国が危機感を抱いたこともあって、島の真ん中を直線で半分に切ったような今のこの国境線でお互いに仮に納得して、とりあえず矛をおさめ、それ以後、奇妙な停戦状態が続いています。

 シスカやサエ、ヨウコはこの紛争が始まった頃生まれています。いま22歳ですから停戦から18年が経過しています。シスカの義父であるキタハラは40歳で先の大戦では兵役年齢にぎりぎり達していません。また紛争はほとんど国軍が戦いましたから、この世代の軍人以外のほとんどの人は兵役にはついていません。実際に戦ったのはキタハラより少し上の世代以上の男性です。キリュウやクラモチ、コバヤシらは30~31歳ですので戦争の記憶はありますが、イルマは戦勝国なので戦争に対してそんなにつらい記憶や罪悪感があるわけではないようです。ただし戦場となったキタカタ(ベクレラ名:オルガノ島)の人々は別です。シスカもその犠牲者の1人といえます。

 クラモチやコバヤシはその油田・ガス田開発の調査船のプロジェクトリーダーとサブリーダー、キリュウとアツコは探査用の潜水艇のパイロット、キタハラとシスカは調査船や油田・ガス田への人員・物資輸送用のヘリコプターのパイロットと整備士です。そしてサエは油田・ガス田に係わる人々に食事を提供する食堂を経営しています。
 シスカはセミプロの歌手でもあるんですが、娯楽が不足気味のこの街ではシスカの歌も結構喜ばれているのです。サエはそのプロデュースもやっています。今はシスカの歌唱力はかなりレベルアップしたみたいですけどね。

 シスカの世界の地図をご覧ください。
シスカの世界

 シスカの住んでいるのはイルマ国です。北にあるキタカタと表示されている島のマサゴ市にある団地で、潜水艇のコパイロットのアツコとルームシェアをして暮らしています。マサゴ市とオルガ市の間にある直線は暫定の国境線です。両国の暗黙の了解の下、複雑なルールで国境警備隊によって管理されています。
 首都はシンキョウ市です。シンキョウ市はシンキョウとマエハマの2つの港を持っています。マエハマはシンキョウ市カツネ区にあるのですが、このカツネ区のとある町で、シスカは幼少時代から小学校5年生までを過ごしています。事情があって小学3年生になるまで学校に行っていませんが、編入した時に多分生涯の親友となるサエに出会っています。そして、5年生のときにシスカと儀父母のキタハラ一家はサエの家族と共にマサゴ市に転居しています。多分生活の為ですね。マサゴは油田景気に沸いていますから。
 このマエハマの隣町ウラスは「254」のコトリことサヤカが生まれて育った町です。
 ついでですが、コトリが居候しているバイクショップ「コンステレーション」は西へ500Km程はなれた港町カンデ市にあります。
 シンキョウ市と北の特別市、ホマレ市とは高速鉄道が5時間で結んでいます。18話でシスカは自分の分身ショウの秘密を確認するためにシンキョウまで一人旅をし、マエハマで幼馴染のヨウコと出会います。そのまま一緒に付いてきたヨウコとマサゴへ帰るためこの高速鉄道を利用します。ホマレで小型(70人乗り)の飛行機に乗り換え、マサゴまで最短約9時間の道のりです。
 ホマレ市は「コメット(12月24日)」でも登場します。エルとシンはここの空港に着陸しようとする旅客機の中で不思議な体験をするのです。

 シンキョウは超巨大都市東京がモデルですが山西はあまり東京を知りませんので、大阪などのイメージが多分に入っています。マサゴやオルガは完全に山西の頭の中だけにある都市です。カンデはなんとなくお分かりでしょうが神戸がモデルです。「254」作中で出てくるサンライズドライブウェイやケーブル山上駅前の広場は実際に神戸の六甲山にあります。コトリがヤキダマの横に並んで座って見た風景は実際に見ることができます。
 シスカは謎に満ちた過去を抱えたまま、今オルガにやってきています。シスカが国境線越しに眺め続けてきた異国の町オルガ、そこに眠る自分のルーツは?徐々に解明されていきます。

 今日は「シスカ」31話のUPとブログ開設1周年を記念して「シスカの世界」を解説してみました。いかがでしたでしょうか?「シスカ」を書くためにこのブログはできたようなものです。でも「シスカ」を書き始めたおかげでたくさんのブロともさんができましたし、色々な作品が書けました。「シスカ」はまだ未完ですが、色々な経験をすることができました。シスカに感謝です。
 なんだか面白そうだな…と思っていただけましたら、山西の思惑通りです。
 まぁ、そんなに上手くはいかないんでしょうけど、もし興味をもたれた方がいらっしゃいましたら嬉しいです。

シスカ31話
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赤い記憶

「赤い記憶」をUPします。このお話は「エリカ」の再掲です。
このお話、「Category: ひとりごと」2011.11.06でシスカ12話UPの更新案内として掲載したものです。
実はこれが山西のショートショートの第一作になります。ですが、サイドストーリーとして書かれていて、これだけを読んでくださっても何のことだか分かりません。
そこで少し文章を追加して大幅なテコ入れをしました。
「赤い記憶」と改名して単独でUPしておきます。
よろしければどうぞ。

赤い記憶

 わたしは電車のドアが開くとサッと中に入った。母さまより先に乗って1人でICカードを読み取り機にかざすと、子供料金を示すヒヨコの鳴き声がして白い光が点いた。
 わたしはこの音が大嫌い!早くこんな音がしないカードを使いたいなとずっと思ってた。
 リン・リンとベルが鳴って電車が動き出した。
 わたしはいつもみたいに運転席のすぐ後ろに立とうと思ってた。でも、そこにはもう女の人が2人立っていて、小さな声でしゃべっていた。わたしは自分の場所を取られたような気持ちになって、2人をそっとにらみつけた。
 わたしはその場所に立つのが好き!だって、前に進む感じは見晴らしが良くてとても気に入っているから。でも、そこに立つのは子供だけのような気がして、立つ時はいつもモヤモヤした気持ちになる。
 時々は大人の人がそこに立っていることもあるんだけど、混んでいるとき以外はほとんど男の人だったから、わたしは男の人って大きくなっても子供なんだな……って思ってた。
 でも今日はあんまり込んでないのに女の人が、しかも2人も立っている。それはわたしにとってびっくりで、だからにらんじゃった。
 でも、わたしはそっとにらむだけにした。だって、わたしがどうしてもそこに立ちたいって思っているのがわかるのは嫌だったから。

 電車が動き出してすこし経つと、運転席の後ろに立っていた女の人のうちの1人が帽子を取った。
 わたしはドキリとした。
 帽子の中から真っ白な、ううん、ちょっとキラキラ光るような色の髪の毛が出てきた。
 そのまっすぐなきれいな白い髪の毛はフワッと流れ出して、それからその女の人が首を左右に振ったのでユラユラと揺れた。青い目……左だけなんだ……がちらりと見えた。すごく綺麗だなって思って、わたしはただじっと見とれてた。だって、わたしの周りの人はみんな髪の毛は黒いし、瞳はこげ茶色なんだもの。茶色の人は見ることもあるけど、キラキラした真っ白なんて初めて。
 でも周りの大人達は違ってた。同じように驚いているんだけど、わたしが見ているのとは全然別の尖った気持を感じた。それでグルリと周りを見回して、そして母さままで周りと同じ尖った気持が出てるのにびっくりした。
 帽子を脱いだ女の人もその空気に驚いていたんだけど、その顔はもう一人の女の人が間に立ったので見えなくなった。そしてその女の人が綺麗な髪に帽子をきっちりとかぶせてしまった。
 大人達はもう何もなかったみたいに女の人を見なくなって、みんなそれぞれの方向を向いていたけど、その尖った気持ちは女の人が電車を降りるまで続いてた。
 女の人が電車を降りた後、尖った気持ちは急に薄くなって、すぐに何にも無かったように消えた。あんなに綺麗だったのに、なぜそんなことになったのかわたしには分からなかったけれど、わたしはあんな嫌な尖った気持ちを出したくないなと思った。

 わたしは電車を降りると母さまと繋いでいた手を少し引っ張ってから、見上げるようにして訊いた。
「母さま、さっき女の人が帽子を取った時どうしてあんなになったの?」
 母さまはわたしの顔をジッと見つめてから「ごめんね」と言った。
 そしてしゃがみこんでわたしの目と同じ高さになってくれて「エリカ、この街で戦争があったことは学校で習った?」って言った。
 わたしがうんって頷くと「そう……」母さまは少し考えてから続きを話し始めた。
「この島が誰の物かでお隣の国と戦争になったのは習った?」
 わたしは頷いた。
「じゃぁ。この街がお隣の国に占領されたことも習った?」
 わたしはまた頷いた。
「そう。母さまがまだ小さな子供、そうエリカぐらいの頃ね。それぐらいだったけど、この街が占領された時のことははっきりと憶えているの。そして占領していた兵士は銃を持って、恐い目をして街をうろついていたわ。母さまはとっても恐かったわ。だから家の中にずっと隠れていたんだけど、ある日気になって窓からそっと覗いてみたの。窓の下には大通りがあって、その向こうには占領した軍隊の兵士達が休憩していたの。みんな、いつもと違って笑いあったりしゃべりあったり、なんだかピクニックみたいに楽しそうだったわ。母さまはね、絶対そんなことにはならないって思っていたんだけど、すこしウキウキした気分になったわ。そうしたら道端でくつろいでいた兵士の1人がヘルメットをとったの。さっきみたいに。そうすると白い、キラキラ光るような色の髪の毛が出てきたの。そのまっすぐな綺麗な髪の毛はフワッと流れ出して……女の人だったのね。その髪は女の人が首を左右に振ったから、ユラユラと揺れてキラキラ光ったの。青い目だったわ……」
 母さまは続きを話そうか少し迷っている風だったけどそのまま続けた。
「そのとき急にその女の人が倒れたの、綺麗な白い髪は見る見る血で赤く染まったわ。撃たれたのね。そして激しい戦闘が始まったわ。母さまは避難するためにそのまま連れていかれて、そこからは良く憶えてないんだけど。でも、さっきあの女の人の白い髪と青い目を見てその時のことを思い出したの。だからあんなになったと思う。ごめんね。お隣の国の兵士は女の人もたくさんいて、さっきの人みたいな白っぽい髪や青い目の人が多かったの。だから他の人もあの白い髪で戦争のいろんな記憶を思い出したのよ……きっと。だから許してあげてね」
「その人は死んだの?」
「多分ね」

 わたしはさっきの大人たちを許してあげることにした。
 戦争なんかしなければいいのにと思った。
 でもわたしよりずっと大きな大人が戦争を始めたんだ。
 わたしも大人になったら知らないうちにそうなるんだろうかと思った。
 そしてわたしもあの白い髪をみて、赤く染まる髪を思い出すのかなと思った。
 とっても寂しくなった。
 電車に乗る時、ずっとヒヨコの鳴き声がしてもいいような気がした。


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ここのところ……2

ここのところ……

「白い月」を仕上げ、そして「赤い記憶」を作り直して再掲して、暫くの間また気持ちの空気が抜けていました。
 コメントでも書きましたが、なんだかキナ臭さを感じる今日この頃です。大戦前夜への入り口のような勇ましい空気を感じて、ちょっと気が滅入っていたのかもしれません。(言っておきますが、本物を経験したことはありません)お年寄りと話す機会があったのですが「いつか来た道……」のような感覚を持っている方もおられますね。主張すべきは主張すべきなんでしょうが、なんとかうまく収まってくれるといいのですが。そんな気持ちもあって、拙い「エリカ」を作り直し「赤い記憶」として再掲する気になったのかもしれません。あいかわらず拙いままですが……。
 山西は心の中に人間嫌いの部分を普通の人より若干多く持っていると自覚していますが、この部分が頭をもたげてきています。あぁ!ほんとにやんなっちゃう!憂鬱な気分です。

 さてここのところ……ですが、そんな状態でしたので山西は自分の作品を少し離れて、夕さんのところの長編「大道芸人たち」をゆっくりとですが読み進めています。とても面白くて、感心することも多くて、勉強になることも多くて、刺激も受けて、そして「かなわないなぁ」と少しブルーになってみたり……色々なサイトを回っていて他にも読んでみようかな、と思う作品もあるのですが、今はこの作品に入り込んでいます。お薦めです。凝った設定と、世界(今はまだ欧州です。あっ、少しだけアフリカも)を旅する感覚は楽しいです。登場人物はそれぞれに魅力的です。(さっき人間嫌いと言った舌の根も乾かぬうちによく言うね)そして元気になります。大人の事情も色々とあったりして、テレビドラマとして放送されても面白いと思います。山西がプロデューサーだったら買うかも。なんて思ってます。

 で、ですね。この「ここのところ」を書いているとういことは、愚図愚図言いながらも何らかの動きがあったということです。エッと、近いうちに短い絵夢シリーズ(6)をUPする予定です。これは「STELLA」用のハロウィンバージョンです。やっと書く気になったんですけど気分転換も兼ねて、本編じゃなくてこっちの方をパッパッと書き上げました。スカイさんへの参加表明コメントで、ハロウィンバージョンは無理!とか言っておきながら、山西は天邪鬼ですから書いてしまうんですね。只今校正・推敲中です。このシリーズは、読む人のことを考えない自分勝手なシリーズ、ですので比較的早く仕上がります。もう発表している方もいらっしゃいますので、フライングOKですよね?
 そしてもう一遍「STELLA」用本編です。掌編ですが書き始めています。どんなものになるかここでは書きませんが、お楽しみに!
 楽しみにしてくださる方がいらっしゃるといいんですけど。
 では。
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絵夢の素敵な日常(6)(2012-10-23)

空気の読めないお嬢様、絵夢が素敵!と感じたことを感じたままに写し取る、読んでくださる方の都合など全く考えない、とっても自分勝手なショートストーリー。
今日は「Stella」用ハロウィン企画バージョンです。
Stella/s


 絵夢はベッドの中で目を開けた。まだ夜明けには相当に早いようで、部屋の中は真っ暗だ。
 なぜ目が覚めたんだろう?寝ぼけ眼で絵夢は考えた。ハロウィンのカボチャ、ジャックランタンが追いかけてきて……、絵夢はそんな夢を見ていたような気がして、目が覚めたのはそのせいだろうと思った。

ジャックランタン
A Jack o' Lantern made for the Holywell Manor Halloween celebrations in 2003.Photograph by Toby Ord on 31 Oct 2003. {{cc-by-sa-2.5}}

 でも絵夢はハロウィンについてはあまり関心を持っていない。クリスマスほどにはという意味でだが……。クリスマスに関しては絵夢は小さい頃からたくさんの思い出があった。天井まで届きそうな大きな本物のクリスマスツリー、てっぺんに光る星、輝くオーナメント、点滅するイルミネーション、靴下に入れられたプレゼント、美味しそうなケーキ、揺らめく蝋燭、家族との楽しい会話、静かに降り続ける白い雪。何もかもがふうっと浮き上がってくるような楽しい思い出だ。
 でもハロウィンには何も無い。日本では最近になって注目されるようになった行事だが、絵夢はまだまだ歴史が浅いという感想を持っていた。絵夢ぐらい以上の年齢になると幼い頃の思い出が何も無いのだ。クリスマスにあけられたアドバンテージは大きかった。
 でも、だからと言ってオレンジのカボチャに追いかけられる謂れはない。じゃあ、なぜ追いかけられて目が覚めたの?闇の中で思考を巡らせていたその時、絵夢は自分の頭の下に敷かれた自分の右腕に思いが至った。そう、目が覚めたときから絵夢の右腕は枕の替わりに頭の下に敷かれていた。そっと右腕の先に付いている指を動かしてみる。
 そこには指があるなどという感覚は一切無かった。右手の指はまるで最初から無かったように絵夢の意思をまったく無視した。まさか!絵夢は右手の上からそっと頭をどけ、左手で右手の指を触ってみた。そこには冷たくなった死に人の指があった。力なく左手に弄ばれるままになっている右手の指はプラプラと揺れた。触られている感触も無い。
 右手は死んだの?絵夢は少し動揺しながらも少し待ってみることにした。ずいぶん長い時間が経過したように思われた頃、少しづつ右手の先に痺れのような感覚が戻ってきた。力を入れると微かに動きを感じる。徐々に痺れは大きくなり指の動きも大きくなってきた。ジンジンという痺れが、戻ってきた血液の流れと共に感じられる。それと共に、そしてついに、右手は全体の感触と動きを取り戻した。絵夢はベッドの上で身を起こすと左手で右手を握って存在を確かめた。そして入念にマッサージした。確かに右手は存在している。そして動いているし暖かい。
 絵夢はホッとすると同時に目を覚まさなければ本当に右手は死んでしまったのかもしれないと思った。そして目を覚まさせてくれたジャックランタンに少しだけ感謝した。
 絵夢にとって初めてのハロウィンの小さな思い出ができた瞬間だった。
 安心した絵夢は、その後にやってくるクリスマスのスケジュールに思いを馳せながら、眠りに戻った。両手をお腹の上に載せて……

 おやすみなさい。

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4000HIT接近中!

 4000HITが近づいてきていますね。覗いていただいている方、ありがとうございます。 
 3000HITが9月4日ですから約2ヶ月で1000HITということになりますね。今回はパスしようかな?と思っていたのですがやっぱり嬉しいので、そして感謝の意味も込めてチャレンジしてみようかなと思うようになりました。
 3000HITと同じ要領でやってみます。カウンター4000を見られた方、自己申告で結構ですから“お題”を1つと、これまで山西が作りだしてきたオリキャラの中から“女性”を1人選んでコメントをください。もちろんサブキャラや端役キャラでもOKです。そのお題をテーマに、そしてそのオリキャラを出来ればヒロインとして登場させて掌編を作ってみます。
 お申し出が無ければ4000を少々過ぎていても結構ですのでお申し出ください。一番近い方(というかこうなると早い者順になりますか?)のお題を採用して何か書いてみようと思います。お申し出が無ければ、そっと何事もなかったかのように、この企画は没ということになります。ちょっとからかってやろうかな。という感じの軽い気持ちで結構ですからお申し出ください!遠慮はいりません。何も反応がないのはやはり寂しいですから……ハイ。

 とは言ってはみたものの……
 3000HITの時は何とか仕上げることが出来たんですけど、次はどうでしょうね?
言い出してみたもののやはりすごく不安です。
 ウンウン唸って出来なければお詫びの記事を書きますので、それでご勘弁を……。でも全力でチャレンジしますから本当にどなたか御慈悲を、じゃない!お題とオリキャラをよろしくお願いします。

 Stella用の本編、終盤に差し掛かってきています。出来上がっている部分の読み返しも始めています。ちょっと危険な匂いのする作品で、書き上げてからの精神状態に気をつけなければ……。まぁ、何とか目処が立ってきたのでこのイベントを企画したっていう事ですね。今はここにかかりきり状態なので皆さんのブログへの訪問がなかなか出来なくて、読みたい作品も読めずにいます。ひと段落着いたらまたお邪魔させていただこうと思っています。


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4000HITありがとうございます!

 ついに4000HIT達成!!!覗いていただいてありがとうございます。
 嬉しいです!
 なかなかリクエスト無いかも……無かったらどうしよう……って心配していたんですけど、一発リクエストを頂いてありがとうございます。なんだかホッとしました。
リクエストは「絵夢」ですか?もちろんOKですよ。お題は「ペットボトル」ですね。了解です。
 どうしようかな。少し時間を頂きますが仕上げていきますので少々お待ちください。
リクエストいただいた方、紗那さんは4001ですね?
 4000ピッタリの方も(たしかそうだったよなとか)、もしリクエストが有りましたら自己申告で結構ですからお申し出ください。4000HITの方が一番の権利を持っておられますので(大した権利ではないんですけど)よろこんでお受けするつもりでもう少しお待ちしてみます。
「二人も受けて大丈夫か?」という声も聞こえてきますが、嬉しいので頑張るつもりです。ご遠慮なく。

 で、ですね。
 実は今、4000HITで少し盛り上がってずいぶん助かっています。山西は、Stella用本編を書き終わってちょっと落ち込んでおりました。
 この作品は思っていたより山西にとっての負のインパクトが大きかったです(作品の良し悪しは別にしてです)。校正・推敲を進めていてもなお沈み込んでいたんですが、絵夢(6)ハロウィン企画バージョンを書いて少し持ち直して、さらにこの絵夢(7)4000HITバージョンで復活を狙おうと思っています。
 こういうときは空気の読めない絵夢の話を書くのが一番のリハビリです。ですからとてもタイムリーな嬉しいリクエストと思っています。え~と、お題の「ペットボトル」の処理はどうするかは別の問題としてですが……。Stella本編はほぼ出来上がってますので明日、は無理かな?あさってあたりUPの予定にしておきます。

 さて、次は5000HITですか?覗いていただいている皆さんに励まされながら(クリックだけで励みになっています)ゆっくりと作品を積み重ねていきます。
 この変なブログ[Debris Circus]をよろしくお願いします。
 そして左紀、この変な管理人によろしくお付き合いください。
 では、また。



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プロフィール
こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。
ようこそ!


頂き物のイラスト

アスタリスクのパイロット、アルマク。キルケさんに書いていただいたイラストです。
ラグランジア
左からシスカ、サヤカ(コトリ)、サエ。ユズキさんにイラストを描いていただきました~。掌編「1006(ラグランジア)」の1シーンです。
天使のささやき_limeさん2
limeさんのイラストをイメージにSSを書いてみました。「ダイヤモンド・ダスト」
イラストをクリックすると記事に飛びます。よろしければご覧くださいネ!
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