Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 

「読書の記録」そして『エリダヌス』のUPです。

 先日、梅田に出かけた話を書きましたがその続きを……
 MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 に駆けつけて目的の書籍を仕入れた山西でしたが、せっかくなので店内を見て回ることにしました。まだ雨も完全にやんでいなかったですし。
エスカレーターで階を変えてあちこちの書棚を見て回ります。ついついSFのコーナーに寄って行ってしまうのは標準の仕様です。山西の動きが止まったのはSFなら伝統のあるハヤカワ文庫の棚の平積みを見ていた時のことでした。「あれ?なにこの表紙(写真参照)、ハヤカワらしくない表紙だな、タイトルも挑戦的だなぁ……」と、思わず手にとってパラパラとめくって書き出しから読んでみました。5分ほどして山西はその本をかかえてレジカウンターへ向かったのでした。

スワロウテイル
スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)
籘真 千歳 著

 これ、みかけより本格的で面白いです。もちろんSFなんですが設定がかなり複雑で、それの説明にかなりの文章量を必要とします。山西は途中でダレることが多いんですが、なんとか読めてしまいました。複雑な世界観を何とか理解しようと文章を追っているうちに、物語にいつの間にか入り込むことができるという感じでしょうか。グロテスクなシーン、性的描写も節度あるもので限界を超えません。登場する人物(?)も(作者の趣味を反映しているんでしょうが)とても興味深いです。主人公の設定は奇抜でなかなか格好いいです。登場の仕方も面白いですね。彼女をとりまく人々も個性的ですし、作者が作り上げた複雑な構成の世界で、それぞれが大切な役割を担って話が進んでいきます。人間の脳や精神や自我そして人工知能の分析や描写も秀逸で読んでいてとても興味を引かれます。展開も面白い状態が長く続いて飽きにくくできています。やっぱり本として出版されるっていうのはすごいものですね。こんな感じに書ければいいのにと思います。設定で気になる点もありますがお話が面白いので良しと言うことで……。
 とにかく面白いものを見つけました。『第三回…』参加作品の校正や『エリダヌス』のUP、そして出張(東京に行っておりました。もちろん777で。スカイツリー見る暇なかったです)などでバタバタしていて睡眠時間を削って読んだので少し疲れました。体力無いです。でもいい時間を過ごせました。
 続編、あるようなのでこれも読んでみようかな?

 そして『Eridanus(エリダヌス)Posted at 2XX2-06-05 21:58』UPします。よろしければどうぞ……。
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テーマ : 雑記    ジャンル : 小説・文学
 
 

「読書の記録」です。

 睡眠時間を少し削って読んでしまいましたので感想を。

スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA) [新書]
籘真 千歳 (著)

スワロウテイル2
 これ「スワロウテイル人工少女販売処」の続編です。
 書き出しから「あれ?前作の続きなんだよね?」という確認を求めてしまう展開に驚かされます。山西の想像していた展開と全く違っていました。発想も前作同様奇抜で面白いです。特異な設定や考え方の説明に費やされる文章量は結構多くて、前作よりも読み切るのに根性が必要でしたが、何とかなりました。作者の設定や考え方に違和感を感じる部分も多いのですが、なんで読めてしまうのかよく解りません。多分作者の作りだしたこの仮想世界が、一応矛盾なく成立しているからなのじゃないかなと推測しています。きちんと構成されている仮想世界は説明に多くの文章を要してもきちんと読めば納得出来ます。納得を繰り返しながら読み進んでいけるので、多いなぁと感じながらも途中であきらめることなく読み切れるのじゃないかと感じています。この構成力?説得力?はすごいです。
 なぜこんな展開なのか、ヒロインはどうなっているのか、「ははあ、こうなんだな」と推測を立てるのですが、すぐに作者につぶされてしまって展開が読めません。世界の存続を左右するようなテーマをもって話は展開し、登場人物は出番を交代しながらそれぞれの役割を演じていきます。
 山西は大きな展開を読み込みながら、小さな成り行きを見守ってハラハラと読み進めるという展開になりました。硬い内容の合間に冗談のようなやり取りもあり、思わず笑ってしまいます。でもリアルにこういうこともあり得るんだろうなと思います。最後少し悲しい展開になりますが登場人物の性格から本人的には何の問題も無いのでしょう。山西このキャラは大好きですので、すこしジーンとしてしまいなす。
 前作はグロテスクなシーン、節度あるもので限界を超えません。と書きましたが本作はちょっと限界を超えるかも……。結構グロいです。今回作者もはじけたのかもしれません。
 エピローグはここまで読んできた読者のためのご褒美のような展開です。納得する部分と物足りない部分が混じって結局良い読後感になりました。すべてを丸く治めたハッピーエンドというのは甘々になってしまい、まあ成立しないんでしょうね。

“ボク”と“私”の関係、まるで「シスカ」のようです。設定の部分でもなんと「シスカ」で使う予定のものと同じような設定をされている部分もあり唖然としています。もちろん、本作の方が発表が先ですのでここからパクッたみたいな感じになってしまいちょっと悔しいですね。

 面白くて一気読みでした(といっても時間を区切って読んでいますので3日かかっていますが)。
 そしていろいろと楽しめました。好き嫌いがありそうですがとても不思議な作風です。
 
 

氷風のクルッカ(雪の妖精と白い死神)

分っていたんですけど、ストーリーの展開から充分に予想できていたんですけど、その瞬間に鳩尾がジーンと痺れてしまいました。
これは、反則です。
「あれ?」……と、彼女が死を迎えるシーンのあっけなさ、彼女のあどけなさ、そして終わったらお終いの容赦なさ、にです。
「えっ?えっ?えっ?」暗転する彼女の視野に、こんなに簡単なんだ。とサキは慄きます。
こういう生き方しかできないと自分でも言っていたし、こういう結末になることも充分に覚悟していた様なのですが、彼女はあまりにも若い。
自分がこういう立場に置かれたら、彼女のようにはとても生きれなかっただろうなどと考えてしまって、胸が詰まってしまいます。
これはまた暫く立ち直れないんじゃないか、少し心配しています。
それでは困るので、ここに文章化して整理しておきたくなりました。

あきらかにスカンジナビアとソ連を念頭に置いた1940年前後の仮想世界で展開する、軽快な戦場もののお話しです。面白おかしく(ただしバタバタ人が死んでいきます)読んでいけるのですが、これなら大丈夫と思って読んでいたのですが、やはりこの部分はショックでした。
最後は大団円とも言える結末なのですが、あなたたちこれで大丈夫なの?よく平気でいられるね!と思ってしまって、少し納得できません。
でも、現代ではないのですし、この暗い時代、これぐらいで精神を病んでいたら生きていけないということなんでしょうか?大変な時代です。
主人公、登場人物、彼や彼女らの人間関係、舞台設定、充分に楽しめる展開そして結末なのですが後を引きます。
軽い娯楽作品のつもりで読んだのですが、この部分はショックでした。
たぶんサキが敏感すぎるのでしょう。
この鳩尾がジーンとする状態、暫く続きそうです。
早く脱出しなければ……。

氷風のクルッカ(雪の妖精と白い死神)
柳内たくみ 著
アルファポリス文庫
 
 

サカサマのパテマ

サカサマのパテマ

『サカサマのパテマ』予告編


 とても驚きました。
 その発想の奇抜さにです。豊かさにです。
 ほんと、ビックリです。
 キャッチコピーが「手を離したら、彼女は空に落ちていく」ですからね。
「イブの時間・劇場版」の吉浦康裕監督なのだそうですがユニークな方です。
反重力を手にした(?)人類がその力の暴走に翻弄される。実に面白いお話しでした。
 重力の向きが全く逆の世界にすむ2人「エイジ」と「パテマ」、2人の出会いはとても新鮮です。
 パテマはエイジの世界では天井に逆さまにぶら下がっています。そして空を異様に恐れるのです。それはなぜか?それはカメラがパテマ世界に合わせて180°向きを変えた時に分ります。空が、何も無い空間が真下に拡がった時、それがどんなに恐ろしいかを思い知るのです。
 エイジももパテマの世界へ入り込んで始めて相手が抱いていた恐怖を共有するのです。
 エイジの世界でパテマが移動するにはエイジの世界の天井や何かの裏側を伝って歩くか(そうでないと空に落ちてしまいます)或いはエイジにつかまって、空に向かってぶら下がる形で移動するしか無いんですから。少しだけエイジの方が重いので、かろうじてエイジの世界の地表に留まることができます。
 でもこの状態でエイジがジャンプすると体重がほとんど無いので、軽く数メートルは飛び上がれます。それにパテマがパテマの世界の物質(たとえばパテマのリュックサックなど)を身に付けていると今度はエイジまで空に落ちていく(浮かび上がる)のです。つまりパテマを含めパテマの世界の物質はエイジの世界から見ると反重力物質になるんですね。パテマの世界から見るとその逆になります。(サキは実際とは少し違った動きをしている部分も有るのではないかと疑問を持っていますが、ここはフィクションの世界ですからやむを得ないでしょう)
 この2つの世界はほとんど接触せずに存在していたのですが、2人の出会いがきっかけで良くない意味での接触を始めるのです。
 2人はそれを良い方向へ持っていこうと奔走するわけですが、サキは2人がお互いにつかまってお互いの重力を相殺しているシーンが好きです。ぶら下がっている方は恐怖もあるんでしょう、相手にしっかりと抱きついています。つかまられる方も相手の恐怖を知っていますからしっかりと捕まえています。ギュ~ッという感じですね。
 これ偶然なんでしょうけど凄く素敵な設定です。

『サカサマのパテマ』 主題歌「Patema Inverse」


 パテマがエイジの世界の食べ物を食べて気持ち悪がったり(多分胃の中で上に張り付いている)細かいところまで考えられていて、観ていてとても楽しかったです。
 本当にサキのよけいなお世話ですが、この2人が結婚したりしても子供は生まれるのかな?もし生まれたなら生まれる子供ってどうなるの?
 サキはこんなつまらないことばかり考えています。
だからストーリーがなかなか進まないんですね。

 2人は「真逆の世界」の驚くべき謎を解いていきますがそれはここでは書きません。というか書いてはいけません。

 また何か面白い物を観たら報告します。では……。


 
 

「火星の人」アンディ―・ウィアー著(ハヤカワ文庫SF)を読みました。

 ハードなSFなのですが、正直とても面白かったです。ワクワクドキドキ、最後まで一気でした。
 火星基地アレス3が舞台です。基地は活動開始後6日目に猛烈な砂嵐に遭遇、想定外の強風に調査を打ち切って地球に引き上げることになりますが、その際クルーの1人が吹き飛ばされたパラボラアンテナに直撃されて飛ばされ、そのまま行方不明になります。
 他のメンバーは必死に捜索しますが、生命反応も無く、探査装置にも引っかかりません。そしてついに帰還用の上昇機が強風で倒れそうになったため、やむを得ず発進します。装備に余裕は無く、そのまま地球へと向かわなければなりません。
 ところが飛ばされた彼は生存していて、火星に1人取り残されます。アンテナが吹き飛ばされたため通信も不可能です。
 その彼が主人公のマーク・ワトニーで5年後の次の探査船が到着するまでどうやって生き延びるかがテーマです。ロビンソンクルーソーを彷彿とさせますが、いわばそれの宇宙版ですね。生存条件は遙かに厳しいですけれど。
 彼は前向きで(宇宙飛行士だから当然?)ユーモアのセンスにあふれていて絶体絶命の難関も軽いジョークで乗り切っていきます。
『見て見て! おっぱい!->(.Y.)』こんな乗りです。
 もちろん、軽く乗り切ったりなんかできないですし、ものすごい苦難と困難の連続です。でも彼の深い知識(植物学者でありエンジニアでもある)、生き延びるためのアイデアや創意工夫が実にリアルでサキはこのあたりの描写に感激してしまいます。化学的にも生物学的にも一定の説得力がありますし、無理も感じさせません。魔法の機械なんか一切登場しません。作者はそうとうオタクなんでしょうね。
 彼の生存に気が付いてからのNASAとのリアルなやり取りにもほれぼれしてしまいます。サキも参考にさせてもらおうっと。
 この辺のハードでコアな設定や展開に対するレビューは結構NETに有るので、サキはいつものように登場する人間について少し書いておきたいと思います。

 ワトニーの性格がとても気に入ったのは、まぁ主人公なので当たり前ですから置いておきますね。

 まず一番のお気に入りはサットコンのミンディーですね。彼女は火星を周回する人工衛星の軌道管理をしている技術者なのですが、衛星に搭載されているカメラで基地を上空から撮影し、ワトニーが生きていることを最初に確認した人物です。最初はオドオドしたところがあって、遠慮気味に報告を上げたりしていますが、観察眼は理論的でとても的確です。細かい変化にも間違いなく気づきます。見込まれてワトニーの“覗き屋”に任命されるのですが、少しずつ自信を持った言動になっていくところが楽しいですね。好きな人物です。
 美人で可愛いのに、性格のせいで上手くそれが表面に出ていない人、そんなイメージです。

 次はヨハンセンです。火星探査チームの一員でワトニーの仲間です。チームの中では一番小柄の可愛らしい女性のようなのですが、とても優秀です。(宇宙飛行士ですからこれも当たり前)普段は沈着冷静な超オタクなのですが、突っ込まれて顔を赤くしてしまうところ、最後は顔を覆ってしまうところ、素敵でした。
 でも彼女が船長から受けた指令について父親に語るシーンは鬼気迫るものがあって怖かったです。そこまで考えるのか・・・SFを書くサキにはとても参考になりました。他のメンバーもその指令を受け入れたということですから彼らの精神力はもの凄いです。

 その次はルイス船長です。火星探査チームのリーダーですね。沈着冷静な女性なのですが、彼女のクールさの中に垣間見える人間味がとてもいいですね。ワトニーを残して出発したことをずっと後悔しています。どう考えてもやむを得ない判断だったと思いますけれど。
 軍人のようなので統率力や決断力も相当なものですし、人望も厚いです。その隙間にチラリと見える弱さが良いのかもしれません。彼女の好きな音楽や娯楽とのギャップも楽しいです。
 こういうキャラも好きですねぇ。きっと彼女も美人なんだろうと思います。こっちは大人の雰囲気かな?

 広報担当のアニーもいいですが、サキにとっては彼女たちの次になってしまいます。

 あ、他の男連中もちゃんとカッコいいですよ!(サキは男性キャラに関しては手抜きでいいかげんです)

 ワトニーが生きていることが分かってからの人々の協力や助け合いは、利害が絡みながらも素晴らしいと思いますし、救出作戦の奇想天外さも、ちょっとなぁ・・・と思うこともありましたが、とても面白かったです。考察はきちんとされていますが、適当にハチャメチャでしたしね。
 全編アメリカ的乗りで、とにかく楽しく読ませてもらいました。
 このお話、もともとはNET小説のようですが、すごいなぁ。そして、羨ましいです。
テーマ : つぶやき    ジャンル : 小説・文学
 
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プロフィール
こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。
ようこそ!


頂き物のイラスト

アスタリスクのパイロット、アルマク。キルケさんに書いていただいたイラストです。
ラグランジア
左からシスカ、サヤカ(コトリ)、サエ。ユズキさんにイラストを描いていただきました~。掌編「1006(ラグランジア)」の1シーンです。
天使のささやき_limeさん2
limeさんのイラストをイメージにSSを書いてみました。「ダイヤモンド・ダスト」
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