Debris circus

Debris circus

頭の中に散らばっていた破片(debris)を改めて文章に書き起こし、オリジナルブログ小説としてサーカスの舞台に上げていきます。読みにくいものもありますが、お暇な時にパラパラとめくる感じででも読んでいただけたら嬉しいです……

 
★作品へのリンク!&お願い!
 
 

「オリジナル小説書きさんへバトン」やってみた

 バトンやってみました。夕さんのところからいただいてきました。たまには更新をしておかないと・・・。
 以前にも似たようなバトンに回答したことがあるので被っているものや、環境の変化で、回答に変化のあるものもあるかもです。


Q1:小説を書き始めてどのくらいですか?
A1:エッと、7年少々ですか。2011年の10月にブログを開いてますから、その少し前から書き始めました。

Q2:処女作はどんなお話でしたか?
A2:「シスカ」という物語です。全てをなくしてしまった少女が、すこしづつ仲間を得て、心を開いて、自分の居場所を見つけ出す・・・あれ?そんな話だったっけ?

Q3:どんなジャンルが書きやすいですか?
A3:サキはSFが好きなので、SFが頭の中に湧いてきやすいです。

Q4:小説を書く時に気をつけていることは?
A4:自分で読んでいて話の流れがおかしくないこと、ですかね。
まぁ、読んでくださる方にとっては自己満足で理屈っぽくて読みづらいだろうと思ってはいます。でも進歩しないです。

Q5:更新のペースはどのくらいですか?
A5:だんだん遅くなってきていますが、月に1度は小説の記事で更新できるように頑張ってます。

Q6:小説のアイデアはどんな時に浮かびますか?
A6:ブログを始めた頃は書きながら次々と浮かんできましたが、今はなかなか出てきません。暑いからでしょうか?

Q7:長編派ですか? 短編派ですか?
A7:どちらも書きますが、長編と言うほど長くないので中編ですね。短編は思いついた勢いで一気に完成、ということが多いです。でも最近はそれも出てこない。最後まで書いてからも気に入らなくてグズグズ見直したりしています。未完成の作品もたくさんあります。

Q8:小説を書く時に使うものはなんですか?
A8:ペンと紙・・・ではなくて、Core i3でサキが組上げた古いPCと、エディターです。
テキストファイルで保管しています。

Q9:執筆中、音楽は聞きますか?
A9:聞くこともありますが、気がついたら聞いている間は書いていなかったりします。
ですから乗って書いているときは聞いていないことが多いです。

Q10:自分の書いた小説で気に入っているフレーズを教えてください。
A10:今回思いついたのはこの辺でしょうか。上手くいっているかどうかは別にして、虚勢を張っている女の子を書いてみたかったんですよ。

「あなたは何?そこで何をしているの?」
「観測だ」
「観測?」彼女はからかうように繰り返すとそのまま笑い始めた。
「観測?それって、何の意味があるの?」
「私は手順どおり動いているだけだ。幾許かの疑念は感じるが取りやめるだけの理由は無い」
「ここを観測して誰に報告するの?あなたを雇ったのは誰?その報告を聞いて誰かがここにやって来るの?」
「それらの質問に対する答えを私は持っていない」
「それは分からないってこと?でもここは素晴らしいところよ。ここの報告を聞いて、ここに住みたいなんて奴が居たらもちろんだけど、たとえわたしからこの世界を奪いたいなんて思う奴がいたとしても、悪魔でも神様でもかまわないわ。喜んでご招待いたしますわ。会ってみたいもの。たとえ出会った次の瞬間に殺されるとしても……」
 彼女は構えていた小型のレーザー銃をテーブルの上に放り出すと、ソファーにボウンと身を投げ出した。

「白い月」より

Q11:スランプの時はどうしてますか?
A11:スランプ?経験がないのでわかりません。今、あまり書けない状態ですのでこれがそうだとおっしゃるのなら、ため息ばかりついて過ごしています。

Q12:小説を書く時のこだわりはありますか?
A12:もしメカニックが登場する場面が出てきたら、細部までこだわります。
去って行かれる方もいらっしゃると思いますが、しょうがないです。

Q13:好きな作家さん&影響を受けた作家さんはどなたですか?
A13:色々な方の影響を受けているとは思いますが、特に好きな作家さんはいません。
オリジナル小説を書いてらっしゃる皆さんに比べて、サキの読書量は少ないだろうと思ってます。

Q14:感想、誤字脱字報告、批評……もらえると嬉しい?
A14:もちろん、嬉しいです。読んでくださったということですから。
ただ批判される場合、少しオブラートに包んでくださるとありがたいです。
サキはけっこう打たれ弱いですから。

Q15:最後に。あなたにとって「書くこと」はなんですか?
A15:ブログを始めた頃は「生きること」だったのですが、今はもう少しサキの生きる範囲が拡がってきていると思います。今は「日常」くらいになっているのかな?
あ、これが書けない原因?

2017.08.11
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「聲の形」を見ました。

「聲の形」を見ました。
 きちんとまとまったレビューはTOM-Fさんのところにありますのでそちらで読んでいただくとして、ここにはサキの感想を思いつくまま書いておこうと思います。

 ずっと気になっていた作品です。
 簡単に言うと、生まれつき耳が聞こえない障がいを持つ少女と、小学校で同じクラスになった少年少女たちとの交流を描いた作品です。
 ついにDVDが手に入ったので、ワクワクしながら鑑賞したのですが・・・。

 動画のクオリティーもを高く、背景も美しく、そして繊細に描かれていて、全体的に素晴らしい作品でした。
 でも見ていてまず、この作品は映画館で見るべきだったのかも、そう思いました。
 お金を払って、真っ暗な中で席に座って、ちゃんと逃げられないようにして、覚悟を決めて・・・です。
 サキは自分のPCで孤独に見たのですが、途中で何度も中断してしまいました。
 そして暫く気分転換して、またチャレンジするのですが、「ああ、だめだ」とまた中断してしまいます。
 登場人物たちのエゴイズムに、サキは食傷気味になってしまったんですね。
 生まれつき耳が聞こえないということがどういうことなのか、とてもリアルに描かれていると思いますし、彼女が置かれている環境がどれだけ彼女に負担をかけているのか、想像するだけで胸が痛いですし、彼女と交流する周りの子供たちの反応にも理解できる部分が多分にあって、見ているこっちが押しつぶされそうです。担任の先生の存在感がほとんど無いというのも怖いです。
 たぶん想像ですけれど、人間って、子供たちって、普通にこういうふうな動きをするんだろうと思います。それをきちんと描いている。ただそれだけなんですが、どうにもサキには耐えられない。
 彼等、彼女らの行動を自分に重ねあわせて気分が悪くなってしまうんしょう。
 それだけ人間の内面が描けているってことなのかなぁ。さすがに賞を取るだけの作品ですね。見事です。
 映画館で見ていたらこれに耐えざるを得ないから、時間の流れと共に後半へ進んでいけるんですが、プレイボタンが手元にあると、どうしても再生を停止してしまうんですね。
 でもどうしても結末が見たい。サキは何回かのインターバルを経て、ようやく主人公たちの小学校時代を終えて、高校時代にたどり着いたのです。

 でも今度は主人公の将也にイライラしっぱなしです。
 こういう性格の子、確かに存在すると思います。しかも結構大勢。あ、これも自分に重ねて、よけいにイライラしてる?
 そしてこれがまた丁寧に描かれていて、物語性を感じさせない。これ?ドキュメンタリーだったっけ?
 主人公にかかわる人物たちも主人公に負けないくらい自己を主張するし、なかなか大変です。ただ、彼らが成長している分内面を想像しやすくなっていて、前半のような気分の悪いシーンは少なくなります。
 とても興味深いキャラクターも登場し、物語としての面白味も増します。
 そしてヒロインの硝子の思わぬ行動で物語は大きく展開を変え、一気に感動のラストシーンへ・・・。
 と行きたいところですが。将也と硝子、ここまで運命的に惹かれあっているなら、ここまで来たら抱き合えよ!サキは作者の思いや意図を無視してそんなふうに感じてしまったのでした。
 せっかくここまで耐えに耐えてきた視聴者にはやはりご褒美が欲しいです。
 この2人のその後については、視聴者の皆さんの想像にお任せします。だいたいわかるでしょ?・・・的な終わり方では生殺し状態でちょっと欲求不満です。
 インパクトのある問題作でした。

2017.07.27
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物書きエスの気まぐれプロット をUPします。

今夜は「物書きエスの気まぐれプロット(27)HARTS Field 2」をUPします。
後半部分でコハクも怒っていますが、実に3年ぶりに続きを書きました。

このトロとタモが登場するお話、物書きエスの気まぐれプロットに最初期から時々登場した作中作です。少しずつストーリーを展開し、設定を追加しながら世界を広げてきたのですが、こんなに書くつもりは無かったのです。作中作と言う事もあって、最初はタイトルも無かったんですよ。前話(12)を書いたときに、ようやく「HARTS Field」というタイトルを付けたくらいです。あ、これってJBLの有名なスピーカーシステムの名前(開発者の名前でもある)なんだそうです。
ということで、ほとんどうち捨てられたような状態だったのですが、今宵一時だけ息を吹き返しました。だからと言って、この先の展開がある訳ではないのがサキ(エス)のサキ(エス)たる所以なのですが、ここのところ小説が書けなくて困っていたサキの頭の中にふと浮かんだストーリーがこれでしたので、消えてしまわないうちに大急ぎで仕上げたのです。
展開が読めないのはそう言う理由ですのでお許しください。
よろしければ下のリンクからお進みください。

物書きエスの気まぐれプロット(27)HARTS Field 2


万が一以前の展開が気になる方がいらっしゃった時のために、下にリンクを用意しておきました。

以下の3編はこのお話の前の話です。
後編にHARTS Fieldの設定の解説もあります。
物書きエスの気まぐれプロット(12)前編
物書きエスの気まぐれプロット(12)中編
物書きエスの気まぐれプロット(12)後編……と、エスの部屋

イタリアのお話しははこちら・・・。ヨナタンは「夜のサーカス」に登場します。
物書きエスの気まぐれプロット(22)午後のパレード
夜のサーカスと黄色い羽 (八少女 夕さんのブログ scribo ergo sum に飛びます。夕さんがコラボしてくださった作品です)
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物書きエスの気まぐれプロット(27)HARTS Field 2

HARTS Field 2

トロはトロッコに駆け寄るとサイドに付けられたハンドルを両手で掴んだ。
 音は轟音に変わりはじめ、流れる空気もどんどん強くなる。トンネルの中が徐々に明るくなり始めた。
「来る!」トロは車体を揺すってタイミングを計ってから「うおおおおお!!!」全身の力を振り絞ってトロッコを押し上げた。
 だが50センチほど浮き上がった車体は、そこで動きを止めてしまう。焦りが体の動きを余計にぎこちなくする。
 接近する列車のヘッドライトが射るようにトロを照らし出す。
「うううん」トロは渾身の力を込める。
 轟音、風、そして振動が体を包み込む。
『だめか・・・』トロが車体を放り出して後ろへジャンプしようと身構えたとき、急に車体が軽くなった。誰かがもう1つのハンドルに手をかけたのだ。
 一気に車体は持ち上がり線路の向こう側にひっくり返る。
 真っ白な光を放つ先端はもうほんのそこにまで迫っている。
 トロはその誰かの方に目を向けたが、ヘッドライトに幻惑されて何も見えない。トロは動けなくなった。まるで闇夜にライトで照らされた野生動物のように。
 誰かがトロの腰に腕を回した。そのまま後方へステップして大きくジャンプする。誰かは空中で体を捻り体勢を入れ替え、トロはその誰かの上に落ちた。
 誰かはもう半回転してトロの上に被さり、両手と胸でトロの体をかばう。
 間髪を置かず尖った先端を光らせた列車が、すぐ横を轟音と共に猛スピードで通過する。
 激しい振動と轟音と爆風とさらに輝きを発しながら、幾つもの巨大な車両が弾丸の後に続いて通り過ぎる。今回はその数を数えている余裕は無い。あっという間に最後尾の尖った尻尾と、その先端に灯った毒虫の様な赤い光が流れ去る。
 やがて世界に闇と静寂が戻ってきた。

 激しい息づかい、早鐘のような鼓動、自分のものに加えて上に覆いかぶさる誰かのものも背中越しに伝わってくる。
『生きている・・・』トロは心底ホッとした。そしてその安心感を確かめるのと同時に、背中に覆いかぶさるものが何か、いや、何者なのかを確かめようとした。
 背中の誰かがゆっくりと体を離す。
 起き上がったようだ。
 トロは横たわったまま発光環の照度を上げ、その誰かを見上げた。
 それはブロンドの髪を持った青年だった。いや、あのトロッコを持ち上げた行動から青年と思われた。顔は性別を感じさせないくらい端正で、非の打ち所のないほど美しい。少なくともトロにはそう思えた。肩まで伸ばされ緩くカールした髪は発光環の光を反射して滑らかに輝く金色で、肌は透き通るように白い。そして吸い込まれるような水色の瞳でトロを見つめてくる。それは、この世のものとは思えないくらい魅力的だった。
 トロの住む世界にはこんな髪色の人間は存在しない。大概が黒か、せいぜい茶色、そしてそれに類する色合いだ。肌も程度の差はあるが、こんなに色素の少ない者は見かけない。金色の髪や白い肌は、図書館で何かの文献で偶然見かけた時に、奇異の目を向けた記憶が微かに残っているだけだ。
 トロは目の前に存在する奇跡に驚いて、ただじっと青年の方を見上げていた。
 青年は数回の瞬きをした。そして唇の端を少しだけ上げた。
 それはトロにとって微笑みのように感じられた。
 続いて青年のその口から、何らかの音節が発せられた。どうやらそれは言葉のようだ。意味は全く分からないが心地よく耳に響く。トロはニュアンスから『大丈夫?』と言われているに違いないと想像した。
 恐怖による緊張は弛緩し、別の感情が別の緊張をもたらし始める。
 トロの顔は熱くなり、それにつれて発光環の輝きも増してゆく。トロはあわてて照度を下げた。
「ありがとう」トロは一生懸命笑顔を作り上げると礼を言った。
 また青年が何かを言ったが、やはり意味は分からない。ただ優しい笑みから意味を想像するだけだ。
 青年にとってトロの笑みは答えになっていないようだ。諦めたように視線を外すとトロの頭を抱え後頭部を覗き込んだ。続いて背中、肘、膝と手を当てながら何かを訊いてくる。どうやら怪我をしていないか気にしているようだ。
 その様子を眺めているうちに、トロは青年の指先が光っている事に気が付いた。肘や膝に触れる時、彼の手がぼんやりと光っているのだ。
『やっぱりあの時の・・・』トロは最初にトンネルの調査に来た特、当時まだあった壁の向こうに居た人間たちの事を思い出した。タモは不気味な奴らと言ったが、トロにとっては光る指先は綺麗だったし、物腰も優しげに見えた。そのとおりだった・・・トロは青年を見つめながらそう思った。
「大丈夫だよ。どこも痛くない」トロが笑顔で答えると、彼は満足げに頷いた。
 その時、トロは彼の着ている服の肩の部分に血が滲んでいることに気が付いた。トロを抱えてジャンプした時に肩から落ちたのだ。トロは起き上がると彼の肩を指差した。彼は何でもないというふうに首を振ったが、ゆったりとした服の首元を広げると傷口が現れた。トロは立ち上がって大急ぎで線路を横断し、自分のリュックの中から救急キットを取り出した。
 真っ白な肌に開いた傷口は痛々しい。トロはドキドキしながらその傷口を消毒し、特大の傷パッドを張り付けた。
 彼がまた何かを言った。たぶん感謝の言葉なんだろう。トロはそう解釈して笑顔を返した。
 彼はまだ何か言葉を続けている。『何を言ってるんだろう?』トロが怪訝な顔をすると、彼は線路の向こう側を指差した。
「あ!」トロの記憶が戻ってくる。「タモ!タモは?」大慌てで線路を横断し、寝かせていたタモのところに駆け寄る。さっき救急キットを取りに来たときはタモの事はすっかり忘れていた。いっぺんにいろんな事が起こりすぎたんだ。きっと・・・トロは自分を納得させた。
「タモ!タモ!」相変わらず反応はない。トロはタモの心臓の上に耳を当てた。
 規則正しい鼓動が伝わってくる。体も暖かい。呼吸も感じられる。意識が無いだけで体の方は大丈夫そうだ。
「大丈夫みたいだけど」トロは振り返って、後ろに立っていた彼に告げた。
 彼はトロと入れ替わり、暫くの間タモの体を触っていたが、やがて『わからない』というふうに両手を横に広げた。そして何か言葉を発しながらトロッコを指差し、それをトンネルの出口の方へ向けた。
「急いで戻った方が良い、と言っているのね?」トロは同じように指を動かしながら答える。
 トロがトロッコのハンドルに手を掛けると、彼も同じようにした。2人はひっくり返ったトロッコを元に戻し、車体を持ち上げて半回転させ、線路の上に戻した。これで出口に向けて戻れる。
 トロが2人分の荷物をカゴに積んでいる間に、彼がタモを抱きかかえシートに納めた。トロはシートの下を覗き込んで、キルヒホッフ反応機関の様子をチェックした。ドームは安定を示す緑色に発光し、中の気泡も穏やかだ。逆さまになったが問題はなかったようだ。トロはホッと息をつくと彼の方を見やった。
『大丈夫だね』彼はそのような言葉を発し、じゃぁというふうに片手を上げた。
「ありがとう」トロはいつものように握手をするつもりで右手を差し出した。
 彼は一瞬戸惑ってから右手を差し出した。そしてゆっくりと人差し指を伸ばすとトロの人差し指の先に触れた。
 彼の指先の輝きが増した。同時にトロの発光環の輝きも増す。暖かい感覚を憶え、彼の指先とトロの発光環は今までに経験したことのない色で発光した。
 2人はお互いの反応に驚いて手を離し、そのとたん輝きはいつもの色に戻った。
「行くね」トロが笑顔になって言った。後ろ髪を引かれる思いだったが、タモの事も心配だし、また列車がやって来るかもしれない。
 彼も笑顔で答える。
 トロはシートに納まるとコントロールスティックを引いた。
「またね」トロは振り返りながら手を振る。
 彼も同じように手を振った。
 スピードが上がり、彼はたちまち闇の中へ消えていった。

「う、うう~~ン・・・」タモが間抜けな声を出した。首をもたげて薄く目を開け、寝ぼけたような顔をトロに向ける。「あれ?トロ、いったいどうなったんだ?」
「バカ・・・!」トロは右手でコントロールスティックを操作しながら、左手でタモのおでこをはたいた。


「エス、このお話いったいどのくらい間が開いてしまったのかわかってる?」コハクの声がまた尖る。
「え?」エスは目を泳がせた。
「前に展開の読めないまま読まされたのはいつだった?暑かったのは憶えてるんだけど」
「2014年・・・だったかな?」エスは愛想笑いで答える。
「3年も前なの?」コハクの口が大きく開いた。「道理で繋がらないわけだ」
「突然ウチの頭の中で繋がったんだ。だから・・・」
「しょうがないなぁ」コハクはため息を漏らした。
「ごめんね」エスはまた上目づかいでコハクを見た。
「確か、トロとタモがトロッコに乗って、謎の弾丸列車が走るトンネルの探検に出かけるっていうお話だったよね?」
「さすがコハク、よく覚えてる」エスが顔を上げる。
「だから、茶化すなって」コハクが眉間にしわを寄せる。
「新界との境界線を越えたところでタモが意識を失って、そこへ弾丸列車が突っ込んでくるところで、前回は終わっていたの」
「そうそう、だから、うおおおおお!!!って始まったんだ」コハクはハンドルに手を掛けてトロッコを持ち上げる動作をした。
 コハクの機嫌は直ったようだ。「繋がった?じゃぁ感想は?」エスはホッとした様子で尋ねた。
「感想?今それを聞くの?」
「え?だめ?」
「いいけど、でもエスとしてはこの金髪の彼、珍しいよね。白人系のキャラって始めてじゃない?どういう心境の変化があったの?」
「え?そうかな?別に拘りはないと思うけど・・・」エスが視線を逸らす。
「男性キャラがってことよ。ヨーロッパに行った影響かなぁ?あ!」コハクは記憶を辿るように斜め上を見た。
「え?なに?」エスは居心地が悪そうに体を動かす。
「ほら、イタリアのコモでヨナタンに会ったじゃない。それでか・・・」
「でも、ヨナタンって黒い髪で焦げ茶の瞳だったじゃない。全然違うよ」エスは慌てて否定する。
「道案内をしてもらっただけなのによく覚えてるじゃない。エスは優しくしてもらったからねぇ」
「そんなことないよ。普通だよ。ステラだって一緒だったし」
「エスの事だからダイレクトに書けなくて、髪と瞳の色は変えたんだろうけど、イメージは彼なんじゃないの?」コハクはエスの顔を覗きこむ。
「ちっ、違・・・」エスの顔は赤くなってしまった。
「あらら・・・」コハクはエスをそのままにして、コーヒーを淹れにキッチンに向かった。


おしまい

2017.07.14

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ジブラルタル

 サキは去年の秋、欧州に行ってきたんですが、旅行の報告記事を書きます!とコメントしておきながら、すっかり書く書く詐欺になっていました。
 ここのところ小説が書けていないので、こういう時にこそ記事にしておこうということで少しだけ・・・。
 サキにとってはじめての長期間の旅行、しかも初めての海外だったこともあって、行き先やコースでは家族内で結構議論がありました。
 みんながそれぞれに行きたいところを出して、それを何とか調整してコースを決定したのですが、ジブラルタルが行程に含まれていたことも、サキがこのコースで納得した理由の1つでした。
 ジブラルタル・・・あの何となくロマンチックな名前に惹かれますし、ひょっとしてアフリカ大陸が見えるかも、という期待もあったのですが、もう1つ、飛行機好きの先にとってぜひ見ておきたいものがここにはあったのです。
 なんだかお分かりになりますか?
 そうです。ジブラルタル空港の滑走路なんですよ。
 まず動画をご覧ください。ちょっと長くてピントが甘々ですけれど我慢してください。


追記:インターネットエクスプローラでYoutubeの動画が上手く再生出来ないみたいですね。EdgeやChrome,Foxだとちゃんと動くようですが。
ご覧になれない方はこちら

 動画の解説が必要ですね(ご存知の方は*までジャンプ!)。

 ジブラルタルはスペインの南の端、地中海に突き出した半島にある石灰岩の大きな岩山を中心に広がる小さな町です。でもそこはスペインじゃなくてイギリスの領土なんですよ。
 ですから本国からの航空輸送を行うために空港を設置する必要がありました。
 ところが、岩山ばかりで平坦な部分が少なくて、滑走路は半島の付け根の砂州状の地帯に、半島を横切る形で設置するしかなかったんですよ。
 こんな風に設置したらわかっていたことですが、問題が発生しました。
 そうです。ジブラルタルの町からスペイン本土に向かう道路が滑走路を横切ることになってしまったんですね。
 当時の偉い方たちは「ま、そんなに頻繁に飛行機が飛ぶわけじゃないし・・・」なんて思ったかどうかはわかりませんが、なんとそこに飛行機の踏切を作っちゃったんですよ。



 動画はその踏切で自動車たちが飛行機の通過を待っている様子です。
 動画を見ていただければわかりますが、信号が赤になって遮断機が降り、その向こうを離着陸する飛行機が横切っていく様子がお分かり頂けると思います。
 サキは撮影のド素人ですので全体にピントが甘々なのはどうかお許しください。
 サキは自分自身の目でしっかりとピントを合わせてみることができたので大満足なんですけれど。
 まずマンチェスターからのA320が到着して前を横切り、次に軍用の輸送機が離陸していきます。機種は何だろう?甘ピンなのでよく分かりません。A400M?
 最後に踏切が開いてバスは滑走路を横切って、ジブラルタルの町へ入っていきます。バイクや歩行者も続々と滑走路を渡っていきます。
 他にビジネスジェットの離陸(上昇が早くて写せませんでした)もあったりしたので10分以上待たされましたが、楽しい時間でした。
 現在、滑走路の下を潜り抜けるトンネルを工事中だそうですから、この風景、いずれは消えてしまうかもしれませんね。
 サキだったら観光用に残しますけど。

 え?アフリカ大陸は見えたのか?ですって?
 サキは見えていたと思うんだけどなぁ?海の向こうに浮かぶ雲だったのかなぁ。
 でも、あれがアフリカだと自分が信じれば見えたことになるんですって。
 だから、見えていたんですよ。アフリカが・・・。

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ジブラルタルのモスク

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滑走路

2017.06.28
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プロフィール
こんにちは!サーカスへようこそ! 二人の左紀、サキと先が共同でブログを作っています。
ようこそ!


頂き物のイラスト

アスタリスクのパイロット、アルマク。キルケさんに書いていただいたイラストです。
ラグランジア
左からシスカ、サヤカ(コトリ)、サエ。ユズキさんにイラストを描いていただきました~。掌編「1006(ラグランジア)」の1シーンです。
天使のささやき_limeさん2
limeさんのイラストをイメージにSSを書いてみました。「ダイヤモンド・ダスト」
イラストをクリックすると記事に飛びます。よろしければご覧くださいネ!
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